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2017年夏休み セルビア・ブルガリア旅行記 4日目(2017年8月15日)

2017-11-14 | 旅行記:2017 セルビア・ブルガリア

3日目(2017年8月14日)からの続き

今日はまず、ベオグラード駅前通りにあるセルビア鉄道博物館へ。


ビルの前にいきなり小さなSLが置かれているので、すぐに場所が分かる。



入場は無料。
セルビア鉄道本社ビルの一角を使った小さな展示室といった感じだ。


規模は小さいが、展示内容はそれなりに充実している。


ユーゴスラヴィア時代の鉄道路線図。ユーゴを構成する各共和国首都近郊の都市路線図も付いた興味深いもの。
旧ユーゴ時代は西ヨーロッパ諸国にも引けを取らない高度な鉄道運行網を持っていた事が分かる…


ミュンヘン-アテネをユーゴ経由で結ぶ国際列車のサボ。


こちらは名高いシンプロン・オリエント・エクスプレスのサボ。
バルカン半島はオリエント急行の各系統が行き交う豪華国際寝台列車街道だったのだ。


ちょっと不思議な、流線型(?)蒸気機関車の写真も見つけた。
第一次世界大戦後、世界的に巻き起こった“流線型ブーム”にのって、ユーゴでも流線型機関車をつくっていたらしい。
…しかし、日本の「あじあ号」パシナ型とは随分雰囲気の異なる流線型だなこれは。鉄仮面風?


鉄道博物館の次は、いよいよここへ。
ニコラ・テスラ博物館!


セルビア人である天才発明家ニコラ・テスラの記念碑的博物館だ。
…もっとも、テスラ自身はクロアチアで生まれ育ちオーストリアやチェコで学んで、その後はフランスでエジソン社に入社してからNYに渡りアメリカの市民権を得ているので、実際には本国セルビアとの接点は殆ど無いのが実情だったりする。
ベオグラードにも生涯で僅か一晩滞在しただけだったらしいし。


だがしかし、天才ニコラ・テスラの人となりを紹介する資料の展示ではやはりここベオグラードのテスラ博物館が世界で随一だ。
テスラの直筆書簡も間近で見ることが出来る。


ファッションセンスが良く、お洒落なことでも有名だったテスラが普段、実際に着ていた服も見ることが出来る!
…ネクタイをもうちょっと丁寧に結んであげて欲しいが(笑)


テスラのファッション、小物編も。
編み上げの靴が素敵!


粋なニューヨーカーのテスラ愛用品、紳士の必需品ベルトとハットと手袋!


ハットにはNTのイニシャル入り!
この帽子、ロゴにYOUMANSとあるが、調べてみたところブロードウェイ・ミュージカル「ノー・ノー・ナネット」の挿入歌「二人でお茶を」で知られる作曲家ヴィンセント・ユーマンスの父親が経営していた高級帽子店のことらしい。
ロゴ下部にあるAlbemarle Hotelも実際にテスラがNYで活躍していた時期にブロードウェイと五番街の交差点にあったホテルなので、どうやら五番街の高級ホテルにテナントとして入っていたユーマンス帽子店でテスラが購入してイニシャルを刻印してもらったハットだということになる。
行きつけの帽子店で気に入ったハットの被り心地を確かめる伊達男テスラの様子が目に浮かぶようで、思わずニヤリとしてしまう(笑)



…余談だが、ユーマンス帽子店の息子ヴィンセント・ユーマンスはマネージャーを付けずに作曲から営業まで全て自分ひとりでやろうとして行き詰まり、結果としてショービジネス界で失敗した人らしい。
何だか父の帽子屋の顧客テスラと重なり合うような気がするのは偶然か。






もはや説明不要の、お馴染みのテスラの発明品の数々。



…以前は、戦前の日本政府特許庁が発行した日本語で書かれたテスラの発明の特許状も展示されていたのだが、これは閉架に戻されてしまったようで見当たらなかった。残念。


テスラのシンボル、テスラコイルも健在!


テスラコイル放電開始!!
…でも正直、名古屋市科学館にあるテスラコイルのほうが派手です(笑)

そして、博物館内の片隅にひっそりと展示されていたのが…


ニコラ・テスラの遺灰を納めた球体。
…これを見た時は思わず泣いてしまった。NYでは叶わなかったが、ベオグラードでやっとテスラの墓参が出来た…静かに黙祷し手を合わせた。


テスラ博物館を後にして、昼下がりのベオグラードの街角からトラムに乗り込む。




以前は旧ユーゴ時代から走っているゴツゴツしたボロ電車ばかりだったのに、最近は新型の超低床電車も随分増えた…


郊外の社会主義団地。
外観はグロテスクなコンクリート剥き出しのままだが、室内はきれいにリノベーションされているんだろうなきっと。


ベオグラード駅の裏の操車場跡地ではサバ川沿いに再開発工事が進む。
やがてこの辺りはタワーマンションが建ち並ぶニュータウンになり、駅も郊外の新ベオグラード中央駅に移転して駅舎は新しい鉄道博物館になるらしい。
ベオグラードの街並みも変化を続けていく…


西陽の差すベオグラード駅前に戻って来た…


クネズミハイロ通りから旧市街の高級住宅街方面へと歩くと見えてくるお洒落なホテル。
…最近までここにジュリア・ロバーツとデミ・ムーアが家族同伴でお忍びで滞在していたと街中のタブロイド紙が報じて、パパラッチと野次馬が押しかけて大騒ぎだったらしい。
どこがお忍びなんだか…ちょっと可哀想


共和国広場まで戻ってカフェで一休み。


共和国広場にある人気のカフェEdisanにはモスクワケーキは無かったけれど、セルビア美人のウェイターさんが勧めてくれたフルーツケーキが美味しい。
ベオグラードのスイーツは基本、当たりばかりで嬉しい!


カフェでくつろいだ後は、カレメグダン公園にある自然史博物館へ。
ここはじつは昨日も来ていたのだが、入口近くに座っている爺さん連中に「今日はClose、明日もClose」と訳の分からないことを言われて追い返されてしまっていたのだ。
まさかそんな筈がないとリベンジに来たのだが、今日も座っている爺さんたちを無視して中に入ると案の定、普通に開館していた。
何だったんだ、あの爺さんたちは…


現在、ベオグラード自然史博物館では小惑星・隕石展示を開催中。
これは、ひょっとするとひょっとして…


展示パネルをよ~く見ると…


やっぱりあった!
小惑星探査機はやぶさとイトカワの名がばっちり記載されている。
セルビアでも我らがはやぶさが紹介されているのを初確認、これは嬉しい!!
…それにしてもイトカワ小さいなぁ(笑)


大満足して自然史博物館を出るとちょうど夕焼けの時刻。
カレメグダン公園から眺める夕陽は格別だ…


旧共産圏の象徴のようなベオグラードの奇怪なランドマーク、ゲネクスタワーのシルエット。


夕陽に照らし出されるカレメグダンの砦と、下に小さく見えるプラネタリウムの屋根。


明日はこの街を離れるのが惜しくなる素晴らしい夕焼けだった。

5日目(2017年8月16日)に続く


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