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2017年夏休み セルビア・ブルガリア旅行記 3日目(2017年8月14日)

2017-10-22 | 旅行記:2017 セルビア・ブルガリア

2日目(2017年8月13日)からの続き

今日は朝からベオグラード郊外まで「チトーのブルートレイン」の見学に行く。
(→Plavi voz ~チトー大統領のブルートレイン 1:ベオグラードの森の中に眠る青い列車

無事に見学を終え、ホテルまで戻って来た。
今日の午後はブルートレインに会えた感動の余韻に浸りながら、ベオグラード市内を散策して過ごすことにする。


先ずはベオグラード駅の先、サバ川の畔へ。


川めぐりの遊覧船もやって来た。
この辺りは最近再開発されて川沿いの倉庫を改修したお洒落なカフェやレストランが建ち並ぶエリアになっており、
ベオグラード市民の散歩コースや若者のデートスポットになっているとか。


サバ川に沿って進むと、背後にカレメグダンの砦が見えてくる…


カレメグダンの丘に登るとこの眺め。
手前に見える青いドーム屋根は古いトルコ式浴場だが、現在はプラネタリウムになっているらしい。


プラネタリウムと聞いたら観に行かない訳にはいかない!
…しかし、残念ながらこのプラネタリウム・ベオグラードは学校の児童生徒の教育用に使われているらしく、一般向けの投影は行われていないらしい。
現地在住の方に聞いた情報によると「旧ユーゴ時代にチトーが買ってきた」というカールツァイス・イエナ社製の名機ZKP-1が使われているらしいのだが。


カレメグダン砦の城門周辺は兵器の展示会場になっている。
NATO軍によるベオグラード空爆の際に反撃してステルス機を撃墜したことで名を馳せたロケット砲の実物の姿も…


小さい戦車。“豆タンク”と言うんだっけ?


カレメグダン公園の門を出てからトラムの走る道路を横断歩道で渡って、目抜き通りのクネズミハイロ通りへ…


昼下がりのクネズミハイロ通り。
ベオグラードで一番お洒落な繁華街だ。


絵を売る露店も並び、ヨーロッパの街らしい洒落た雰囲気が漂う…


だがそんなクネズミハイロ通りにも、こんな巨大ショッピングセンターの建設が進められていた。
…いかにも高級そうな店構えだけど、瀟洒なクネズミハイロに大型店はやっぱり似合わない気がするなぁ。
(と言いつつオープンしたら便利に使えそうな感じではあるけれど(笑)


クネズミハイロ通りを抜けて共和国広場へ。
セルビア国立博物館は相変わらず改修工事で閉館中。一体いつになったら再オープンするのやら…


国立博物館の斜向いにあるベオグラード国立劇場はシーズンオフで夏休み中。
ここには今度涼しい季節に、バッチリ正装してオペラ公演を観に来るつもり。


共和国広場からさらに進んでテラジエ広場へ。
この辺りの都市景観はいかにも旧共産圏といった感じで、無機質なコンクリートのビルが連なる。


ホテル・モスクワ。
かつてはベオグラードを代表する高級ホテルで、1908年の創業以来世界中の著名人が宿泊したことで知られる。
アインシュタイン博士も宿泊した事は有名だが、セルビア人の天才発明家ニコラ・テスラも生涯ただ一度のベオグラード滞在ではここに一泊したのではないだろうか…?


という訳で、僕も敬愛するニコラ・テスラにあやかってホテル・モスクワで一休み。
ホテル・モスクワのカフェで定番の人気メニュー、モスクワケーキをいただきます。


モスクワケーキは今ではベオグラード中のカフェで作られるようになって、すっかりベオグラード名物になっている。
ウィーンのザッハトルテのような、街の顔になった偉大なケーキだ。

ホテル・モスクワで一息入れたら、もうひと歩き。
ベオグラード駅前に戻って来た。


ベオグラード駅前にはNATO軍による空爆でピンポイント爆撃されたセルビア軍関連施設の通称“空爆ビル”が今も残る…
が、最近になってようやく解体作業も始まり、きれいに再開発されるらしい。


ベオグラード駅前のロータリーで見かけた黄色い路線バス。
日本の復興援助で導入されたバスで、日本からの贈り物であることを表す日の丸がセルビア国旗と並んで車体に描かれている。


もう既に導入からかなりの日時が経過している筈だが、今でも大切に使われている日の丸のバスを見ていると日本人として幸せな気持ちになる。
これからも日本とセルビアの友情のシンボルとしてベオグラードの街を走り続けて欲しい。
(…っていうか、そろそろ新しいバスも日本の追加援助で贈った方がいいんじゃない?
東日本大震災でもセルビアの人たちから信じられない程たくさんの支援金を贈ってもらった恩もあることだし。)


すっかり日が暮れた頃、再び共和国広場へ。
今日は歩き回ったのでさすがに疲れた…


シーズンオフ中でもライトアップされるベオグラード国立劇場。
…ああオペラが観たい、バレエも観たい、クラシックコンサートが聴きたい!(笑)


こちらは怪しくライトアップされて夕闇に不気味に浮かび上がる社会主義時代の高層ビル。
ワルシャワの文化科学宮殿もそうだが、なぜ旧共産圏ではただでさえ無機質でグロテスクな社会主義ビルをさらに恐ろしげに見えるようにライトアップするのだろう?
子供が見たら泣くぞ!(笑)


ライトアップされていないべオグラジャンカ(ベオグラード娘という意味で、ベオグラードで初めて建てられた高層ビル)のふもとに新しく出来ていたスーパーマーケットiDEAで夕飯を買い物して…


夜でも賑やかなクネズミハイロ通りをぶらぶら歩いて帰る。
ああ、楽しい一日だった!

4日目(2017年8月15日)に続く

北海道大学総合博物館と稚内市青少年科学館を見学しました

2017-10-22 | 博物館・美術館に行く

先週末、ちょっとした休暇が取れたので2泊3日で北海道に行ってきました。
新千歳空港からJRの快速エアポートに乗り、札幌駅から向かった先は…


北海道大学総合博物館
昭和4年に完成した北海道大学の旧理学部本館であるレトロな建築で、現在は大学付属の博物館となっています。



北海道大学総合博物館の膨大な展示物から、特に興味をそそられたものをいくつかご紹介します。


やっぱり北海道といえばCAMUI(カムイ)ロケット!


CAMUI(カムイ)ロケットは北海道大学をはじめ、北海道工業大学や民間企業の植松電機によって開発が進められています。
基本的にポリ袋と同じ成分(ポリエチレン)を固体燃料として使い、液体酸素の酸化剤を併用するハイブリッドロケットで、
圧倒的な低コストで高性能、さらに推進剤の毒性が低く環境に優しいロケットを目指しています。


北海道発のアマチュア衛星であるHIT-SAT
2006年にMVロケット7号機で太陽観測衛星「ひので」に相乗りして打上げられたので、
このキューブサットの打上げを僕は内之浦で見ているなぁ…


かつて苫小牧にあった北海道大学の11m電波望遠鏡で実際に使用されていた装置類。


…苫小牧に北大の電波望遠鏡があったなんて知りませんでした。
しかし、残念ながら老朽化により昨年3月に運用を終了しているそうです。

そして、北大総合博物館で宇宙ファンにとって一番の目玉とも言える展示がこちら!


小惑星探査機はやぶさ2のサンプラーホーンかき上げ部の試作品です!
これは本当に初めて見ました!


より確実に小惑星の地表の砂粒を確保できるように、はやぶさ2のサンプラーホーン底部には“返し”が付けられているのは知っていましたが、
なるほどこのように北海道大学の研究室で試行錯誤しながら開発されたのですね…
来年の小惑星リュウグウへの到着とタッチダウンがますます楽しみになってきました!

ちなみに、北大総合博物館には展示品以外にもこんな面白いものもあります。




重力基準点「札幌GS」です!
…国土地理院が相対重力測定に用いる基準点の一つで、非常に重要なものなのですが、
なぜか階段下の物置のような場所の床下に設置されています(笑)


最後に、総合博物館のシンボルである吹き抜け「アインシュタイン・ドーム」
なぜアインシュタインなのかはよく分からないそうなのですが、どうやら東京三鷹の国立天文台にある太陽分写真儀室「アインシュタイン塔」と何らかの関わりがあるらしい…

かくして、駆け足で観て周った北海道大学総合博物館、見応え充分で全然時間が足りませんでした。
北海道大学のキャンパスも公園のように気持ちがよく、ライラックの花が咲くシーズンには構内の散策や北大名物ジンギスカン鍋パーティが最高だそうです。
またいつか、もっと時間を確保して再訪したいですね!


北海道大学から札幌駅に戻り、旭川行きの特急「ライラック」と稚内行きの特急「サロベツ」を乗り継いで、この日は稚内へ移動して一泊。

翌日は日本最北端のプラネタリウムである稚内市青少年科学館のプラネタリウムを見学しました。




昭和レトロなプラネタリウム室入り口。


こちらがご本尊、日本国内ではおそらく二番目に古いという1974年式の五藤光学研究所GX-10T投影機
…僕より歳上の五藤投影機は初めて見ました!
現在でも元気に稼働中ですが、最近ベテルギウスの光度が薄くなってきているのでリアルに心配だとか。
そのうち、ある日突然ものすごく明るくなってそのまま消えたりしないでしょうね?(笑)


稚内市青少年科学館のプラネタリウムのすごいところは、投影番組を自館オリジナルで作成しておられるところ。
全て手作りだそうで、手描きの味のある絵とナレーションを楽しむことが出来ます。

日本一北にあるプラネタリウムでの温かなひと時、楽しかった。おすすめです!