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2017年夏休み セルビア・ブルガリア旅行記 2日目(2017年8月13日)

2017-10-09 | 旅行記:2017 セルビア・ブルガリア
1日目(2017年8月12日)からの続き


昨夜は雨が降っていたブルガリアの首都ソフィアの朝。
どんよりとした雲の下に緑の多い街並みが見える。

今朝はすぐにソフィア空港に引き返して、イスタンブール行きの飛行機に乗らなければならない。

…当初の予定では、これからホテルの目の前の中央駅から昼行の国際列車に乗って丸一日かけてセルビアの首都ベオグラードへと向かい、
ベオグラード滞在後は夜行の国際列車で再びソフィアに戻って来るつもりだったのだが、
何と夏季のダイヤ改正でソフィア-ベオグラード間の夜行列車が突然廃止されてしまった。

「往復とも昼行列車だとさすがに飽きるなぁ…客車にエアコンも付いていないだろうから暑いだろうし体力的にもキツイな」という訳で、
急遽往路を飛行機利用に切り替えたのだ。そしてイスタンブール経由のターキッシュエアラインズ(トルコ航空)が一番、航空券が安かった(笑)
航空券が安いのには当然理由があり、何と途中のイスタンブールで乗り継ぎ待ち時間が7時間以上もあるのだが、その間に街に出てイスタンブール観光が楽しめると思えば逆にラッキー!

ちなみにソフィア-ベオグラード間の鉄道切符も以前はドイツ鉄道DBの代理店を通して日本国内で事前に予約できたのだが、
これも突然、代理店での事前予約がブロックされてしまい現地の鉄道駅でしか購入手配できない状態になってしまった。
この区間の国際列車は完全予約制の全席指定だ。もし事前に指定席券が売り切れてしまえば乗車できない!

やむを得ず、今回の復路のベオグラード発ソフィア行き国際列車が万が一にも満席だった場合を考慮して、同区間の航空券も購入しておいた。
もっともこれは、国際列車の指定席券が現地で無事に購入できたら払い戻すつもりである。

…このように、少ない休暇日数を駆使して無理やり詰め込みの旅程を組み、帰国日時が厳密に決っているジャパニーズ・リーマンパッカーには、色々と気苦労が多いのだ。
ああ、時間を気にせずのんびりと旅する“深夜特急のバックパッカー”が羨ましい!


かくして、昨夜遅くに到着したばかりのソフィア空港にすぐにまた舞い戻って来てしまった(笑)
ソフィア発イスタンブール行き、ターキッシュエアラインズ1028便は日本でもお馴染みの小型機B737。主翼の先端が大きく反り返った、最新型のB737-800だ。
東欧の航空会社の飛行機は中古機ばかりという印象があるのだが、ターキッシュエアラインズは新しくて良い機材を惜しみなく投入しているようだ。


搭乗ゲートの目の前で、預け荷物が積み込まれる様子が見える。海外では概ね荷物の扱いが乱雑で、平気で放り投げたりするので見ていてヒヤヒヤする。
僕の愛用のトランクは壊されたり行方不明になったりせず、無事に目的地の空港に届きますように…


ターキッシュエアラインズ1028便は真夏のバルカン半島南部を飛んで一路イスタンブールを目指す。
いにしえのオリエント急行の欧州最終区間であるこの辺り、地上を列車で走ると面白そうだ…いつかまた、今度は鉄道でイスタンブールまで行ってみたい。


ターキッシュエアラインズでは欧州域内の短距離便でもしっかり機内食が出る。
まぁ、サンドイッチと飲み物だけの簡単なものなのだが嬉しい。

ソフィアから1時間ちょっとでイスタンブールに到着。
アタチュルク国際空港の滑走路が混雑していたようで、30分近くもマルマラ海の上空で旋回しながら待機して着陸。
その後は今度は空港の入国審査が大混雑で、ここでも1時間近く待たされてからようやく、トルコに入国!




イスタンブールに来たら、空港に乗り入れている地下鉄とトラムを乗り継いで、先ずはここへ。
旧市街と新市街が金角湾を挟んで向かい合うガラタ橋のたもとで海とガラタ塔を眺める。


それにしても、暑い!!
気温40度はあるな…真夏の熊本より暑いかも知れん!
目の前の金角湾に飛び込んで泳ぎたいくらいだ。

本当はここで名物の鯖サンド(エキメッキ)を頬張るつもりだったのだが、この暑さでは鯖も傷んでしまうのか、
日本人を見つけると「へい旦那!鯖だよ鯖だよ、食って行きな~」と妙に流暢な日本語でしつこく声をかけてくるエキメッキ売りの屋台も見当たらない。
残念…


アヤ・ソフィアは観光客で大混雑。
内部の装飾が素晴らしく、特に大聖堂の壁に掲げられたイスラームの言葉が刻み込まれた巨大な銘板の美しさは今でも忘れられず、是非また見たいところだが…
暑さと人混みに負けて近寄ること無く退散。
いつかまた来ます…


アヤ・ソフィアの向かいにあるスルタンアフメット・モスク(ブルーモスク)も僕にとっては思い出深い場所(内部の見学中あまりの見事さに感動して見入っていたら礼拝が始まって施錠されてしまい、やむを得ずそのまま礼拝に同席してしまった)だが、この時点で暑さと歩きまわった事による体力の限界が…


真夏のイスタンブールは街歩きには過酷すぎる…
今度また涼しい時期に来て、ゆっくり散策しよう。




イスタンブール発ベオグラード行きのターキッシュエアラインズ1083便は午後7時前に離陸。
眼下に夕陽に照らされたイスタンブールの街並みが広がる。


ベオグラード便でもしっかり機内食が出た。


チーズとトマトの簡単なサンドイッチだが(確かハムも選べた気がする)、ちゃんと加熱してあるのでチーズがとろけて美味しい。


そして、何とデザートにヨーグルトが!
ターキッシュエアラインズのオリジナルのはちみつ入りヨーグルト。

トルコとセルビアでは時差があるので1時間繰り上がって、午後7時半にベオグラードのニコラ・テスラ空港に到着。
僕が大好きな天才発明家の名前を戴く空港なのでテンションが上がる…(笑)
ここで、事前に打ち合わせしておいた通りにタクシーにピックアップしてもらう。
今回の旅で世話になった、地元ベオグラード在住の方に紹介してもらった運転手さんと握手を交わし、今夜の宿泊先へ。


今夜の宿泊先…って何だこの室内インテリアの派手派手さは!複製画とかまで飾ってあるし。
ベオグラード駅前のアストリアホテル、数年前に一度予約なしの飛び込みで泊まったことがあるが、あの時は薄暗くてボロい安ホテルだったのにいつの間にこんなことに(笑)
ホテル名がクイーンズ・アストリア・デザインホテルと仰々しいものに変わっていたが、ちょっと気合い入れてリニューアルし過ぎた印象。


以前は薄汚かったバスルームも、バスタブは無いがすっかりきれいになっていたのは嬉しい。


無事にホテルにチェックインして、運転手さんと明日の予定を打ち合わせして別れてから、ホテルの目の前のベオグラード駅へ。
ここでソフィアへの帰りの国際列車の切符を無事に購入出来た。よかった、航空券を払い戻せば差額でかなり旅費が安上がりになった。

せっかくなので、ちょっと夜のベオグラード駅の構内を見ていくことにする。






ちょうど列車が到着したところで、大勢の乗客が降りてきた。
…それにしても、ベオグラード駅の独特の雑然さとプラットホームの暗さは相変わらずだなぁ。


そんなベオグラード駅にもピカピカの新型車両の姿が。
スイスのシュタッドラー社製の底床電車。この他にロシア製の新型気動車も導入されているらしいが、この日は姿が見えなかった。


チェコスロバキアのプラハ製のメーカーズプレートを掲げていた構内入換用の小型ディーゼル機関車。
これとよく似たプラハ製の小型DLを、以前ベトナムのハノイ駅で見た記憶がある。


出発準備を整えたブダペスト・ケレティ駅行き国際寝台列車。


リュブリャナ経由スイス方面行き国際寝台列車に連結されていたチェコ鉄道のクシェット(簡易寝台車)。
近年バルカン半島でも夜行列車が減っている傾向にあるが、夜のベオグラード駅はそれでもまだまだ国際色豊かな鉄道車両を見ることができて楽しい。


プラットホームの片隅にあった洗面・水飲み台。
蒸気機関車の煤煙の洗い落としと夜行列車明けの朝の洗顔に欠かせない設備。日本でも門司駅や下関駅、肥薩線の大畑駅にもこれと同じものがまだあった筈…


そろそろホテルに帰ろうか…


ホテルで今日の「家計簿」をつけて財布の整理をしていたら、
ベオグラード駅の切符売り場の窓口でおつりに貰ったニコラ・テスラの100ディナール札が出てきた。
こんばんはテスラ博士。僕はまたあなたの祖国にやって来ましたよ…
もっともテスラ自身はセルビア人とはいえ生まれも育ちもクロアチアだし、ベオグラードには一晩滞在した事があるだけらしいけどね。

明日はいよいよ、旧ユーゴスラヴィアの残り香のような「チトーのブルートレイン」を見に行く
おやすみなさい…。

3日目(2017年8月14日)に続く


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