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2014初夏・スペイン鉄道音楽美術紀行 28:L'AUDITORIでユース・カタルーニャ管弦楽団を聴く

2014-06-29 | 旅行記:2014初夏 スペイン
Barcelona ~マリナ通りからサグラダ・ファミリアを望む~


27:バルセロナ街歩き サグラダ・ファミリアをぐるっと一回り!からの続き

サグラダ・ファミリアの「生誕のファサード」前を通るマリナ通りを歩いて、次の目的地へと向かいます。
地図によるとせいぜい数百メートルしか離れておらず、すぐに着けるはず…


マリナ通りからは、サグラダ・ファミリアがずっと見えています。
そびえ立つ尖塔は、この辺りでは一番の高層建築ですからね。


通りに面したこの巨大な建築物は…モヌメンタル闘牛場です。
闘牛といえば、スペインのシンボル!
スペインの国技であり、「カルメン」の悲劇的なエンディングの舞台ももちろん闘牛場でしたよね。

…しかし今では動物愛護の観点から、牛を殺して愉しむ闘牛はスペインでも否定されつつあり、既にここバルセロナを含むスペイン北部カタルーニャ州では闘牛は全面禁止となっているのです。
現在、このモヌメンタル闘牛場は閉鎖されて静まり返っています。ちょっと寂しい気もしますが、闘牛で散々弄ばれた挙句殺される牛に心を痛めていたのも事実なので、ここは闘牛の禁止を成し遂げた21世紀のカタルーニャの人々の勇気を讃えたいと思います。

さて、モヌメンタル闘牛場まで来たら、2ブロック先の角を左に曲がると目的地に到着…




やって来たのはここ、L'AUDITORI(ラウディトリ)
バルセロナでも最も近代的なコンサートホールで、最新の音響設備を備えています。

バルセロナといえば、ヨーロッパを代表する芸術の都の一つ。
もちろん音楽も盛んで、市内のコンサートホールやオペラハウスでは日夜、演奏レベルが高く素晴らしいコンサートが開催されています。
“なんちゃってクラシック音楽ファン” を自認する僕としても、バルセロナに来たらクラシックのコンサートに行くのが楽しみで、旅行前からコンサート情報を調べて滞在日に開催されるコンサートのチケットをネットで手配しておいたのです。

ボックスオフィスで、日本から持参した今夜のコンサートの予約バウチャーをチケットに引き換えてもらい、さぁホールの中へ…
と思ったけれど、ちょっと早く来過ぎました。まだ開演時間まで2時間もあります。
「しまった、もっとゆっくりサグラダ・ファミリアを見てから来れば良かったな…」などと考えながらL'AUDITORIの周辺を歩いていたら、裏口の前を通る道にトラム(路面電車)が走っているのを発見。


トラムを見たら乗りたくなるのが鉄道好きの哀しい性(笑)
停留所のチケット自販機もスペインらしく非常に使いやすくて、簡単に乗車チケットを買えたので、次に来たトラムの電車にふらっと乗車。


数十分で終点に到着。
バルセロナのトラムのことは全く調べていなかったので、ここはどこだかよく分かりませんが、スペイン国鉄renfeの近郊電車セルカニアスに接続する郊外の駅です。
「何だか雰囲気が、地元熊本の上熊本駅周辺とよく似てるなぁ…」などと呟きつつ、折り返し電車に乗車。
帰りのトラムの電車からは、夕陽に染まったサグラダ・ファミリアが遠くに見えます。
「ああ、何だか熊本電鉄の電車から熊本城を見てるみたいだなぁ…まさかバルセロナが熊本と似てるなんて本当に意外だなぁ」
(街ぐるみで芸術を愛好しているところや、古い因習に囚われず革新を恐れない基質もバルセロナに似てくれたら、もっと嬉しいんだけどね!)

L'AUDITORIの裏口の停留所に戻ってきたら、ちょうど午後8時。今夜のコンサートの開場時刻です。


近代的なホールにふさわしくコンクリート打ちっ放しのモダンな内装が印象的なホワイエ。






今夜のコンクリートが開催される、2200席を備えたシンフォニーホール「パブロ・カザルス」
カタルーニャが生んだ世界的チェロ演奏家であり、スペインの国民的英雄である巨匠カザルスの名を冠するホールです。
そう言えば日本にも「カザルスホール」があったけど、今はどうなっているのかなぁ…


今夜の演奏は…
マネル・バルディビエソ指揮のユース・カタルーニャ管弦楽団によるヒンデミット、スクリャービンなどの演目です。

ユース・カタルーニャ管弦楽団はその名の通り若い音楽学生によるオーケストラのようでしたが、大柄で熊を思わせる堂々たる体躯のマネル・バルディビエソの指揮で若々しい演奏を聴かせてくれました。
「画家マティス」の高揚感はやっぱりカッコイイなぁ…


演奏後はアンコールもなく実にあっけなく終演。
舞台の上で記念写真の撮影に興じたりして、実に微笑ましいユース・カタルーニャ管弦楽団の若き音楽家たちに拍手!
観客もオーケストラ団員の両親や家族が多かったようですね。「パブロ・カザルス」ホールに一人紛れ込んだ謎の東洋人は、実際かなり浮いていたようです。


L'AUDITORIの外に出ると、辺りはすっかり真っ暗。もう午後10時半を回っています。
素晴らしい音楽を聴いてすっかりいい気分になっていますが、ここは芸術の都であると同時に治安最悪の犯罪都市でもあるバルセロナ。夜になって危険度も増している筈、気を引き締めてホテルまで帰らねば…
やっぱりタクシーに乗った方がいいかな…
でも、コンサートホールの前で客待ちしてるタクシーでも安全とは限らないだろうしな…

などと逡巡していると、コンサートの観客たちは皆、平気な顔で夜道を歩いて帰るようです。あまり頑健には見えないご老人や女性も普通に歩いて行くので、地元の人達がこの調子なら安全だろうと思い切って、僕も歩いて地下鉄の駅まで行くことに。



「ああ、大通りのマリナ通りにはこの時間でも人通りが多いし街灯もあって明るいし、これなら地下鉄駅まで歩いても問題無さそうだ…
あっ、そうだ。地下鉄の駅まで行ったら…夜のサグラダ・ファミリアが見られるぞ!」

29:バルセロナ街歩き 夜のサグラダ・ファミリアに続く

昨日のSL人吉(平成26年6月28日・人吉行き)

2014-06-29 | 鉄道

昨日は朝から、熊本市現代美術館に「水戸岡鋭治からのプレゼント - まちと人を幸福にするデザイン展」 を観に行ったのですが、
その途中でちょうど人吉行きのSL人吉と遭遇する時間帯になったので、JR松橋駅近くの路上で待ち構えて撮影(最近、このパターンが多いな(笑))。

先週見つけた撮影場所で、今回は思い切って真横から見上げるような角度で狙ってみました。
うーん、ちょっと機関車ハチロクの顔が門鉄デフで隠れちゃってるのが気になるな…

また頑張ります(笑)


撮影地:鹿児島本線 松橋―小川間

水戸岡鋭治からのプレゼント - まちと人を幸福にするデザイン展 に行ってきました

2014-06-29 | 博物館・美術館に行く

JR九州の列車や駅のプロデュースをはじめ、全国各地の様々な公共デザインを手がける工業デザイナーの第一人者、
水戸岡鋭治先生の個展「水戸岡鋭治からのプレゼント - まちと人を幸福にするデザイン展」 が熊本市現代美術館で始まりました。
水戸岡先生の展覧会は既に数年前からJR博多駅の博多シティで何度か開催されており、僕も観に行ったことがあるのですが、熊本での開催はこれが初めてではないでしょうか。
地元の熊本で水戸岡ワールドが観られるチャンスということで以前から楽しみにしていたこの展覧会、昨日の会期初日の朝一番に早速観てきました!

※会場内の写真は許可・確認を得て撮影・掲載しています


水戸岡ワールドへの入り口は、水戸岡デザインではお馴染みの「暖簾」をくぐって入ります。
りんごは水戸岡先生率いるドーンデザイン研究所のシンボル。




これは圧巻!
水戸岡先生のイラスト作品数千枚が収められた数百枚ものパネルが会場を埋め尽くしています。
しかも、全てのパネルが床に近い高さまでびっしりとイラストが配置されていますが、これは小さな子供が見やすいようにとの配慮とのこと。
子供のためのデザインを大事にする水戸岡さんらしい展示手法です。




水戸岡先生の代表的な仕事であるJR九州の鉄道デザインの数々。
日本の鉄道の歴史に「美しいデザインの重要性」 という概念を初めて持ち込んだ水戸岡先生の功績は偉大です。


会場には何と、子供たちを乗せたミニSL「つばめ電車」も走ります!
大人も子供も、みんながビックリして、そして思いっきり楽しめる。これぞ水戸岡ワールドの真骨頂!!


展示の数々に見入って、少しくたびれてしまったら、カフェで「つばめ電車」を見ながら一休み。
飲食禁止が常識の美術館の展覧会場内に堂々と飲食コーナーがあるのも水戸岡先生のこだわりです。

ひときわ目を引く、JR九州デザインの集大成ともいうべきクルーズトレイン「ななつ星in九州」の展示。



「ななつ星」車内で実際に使用されている小物類の実物展示。


バスローブとサニタリーグッズ。
ああ、はやく僕もこのバスローブを着て「ななつ星」車内で寛いでみたい…


そして憧れの、食堂車の食器セット。
ああ、はやく僕もこの食器で食事をしてみたい…!

今回、会場が熊本ということで地元にちなんだ特別企画として、
熊本市にある江津湖の周辺をもっと楽しくするためのアイデア展示が行われていました。



水戸岡先生は実際に一度、江津湖に行ってみてから、これらのアイデア溢れるイラストを一気に描き上げられたそうです。
何という発想力…感嘆するしかありません!





昨日(平成26年6月28日)は、「水戸岡鋭治が語るデザインの極意」と題して水戸岡先生ご本人のトークライブも開催されました。

(残念ながらトークライブの撮影は禁止だったので写真はありません)

水戸岡先生の語るトーク自体は冒頭の数十分だけで、あとは水戸岡さんが会場内の観客を順番に当てて直接対話するという型破りなトークライブで、聴いている側もいつ自分が当てられるか分からないという緊張感と楽しさが一杯の、これまた凄い水戸岡流トークバトル!!
観客からは「九州新幹線の新800系のヘッドライトカバーが丸くなってしまったけど、平らな形状の方が良かったと思う」という子供の率直な意見が飛び出して水戸岡さんも思わずのけぞって苦笑いしたり、デザイナー志望の高校生とのちょっと厳しくも温かさにあふれた会話もあって、会場が一体となる素晴らしいトークライブでした。

また、「ななつ星は価格が高すぎて乗りたくても乗れない」という意見に
「実は、つばめ型787系電車をリニューアルして、親子で乗れるクルーズ列車にしたいと考えている。車内にはベッドなんか置かず、ハンモックを吊ってみんなで揺れながら寝るの。これを九州をいつもグルグル循環するように走らせっ放しにして、誰でもいつでも乗れるようにしたい…と考えています」という極秘最新情報も!
これは楽しすぎる!!絶対実現して欲しいですね!!

そしてトークライブの締めくくりは、水戸岡先生との大ジャンケン大会。
このジャンケン大会で何と!
僕は最後まで勝ち残って、水戸岡先生から賞品のサイン本を頂いちゃいました!!

水戸岡先生から本を直接手渡される時に「実は以前、博多シティの展覧会でも何度かお会いしてます」と挨拶したら
「おお、これからもよろしく!」と固く握手して頂けました。

水戸岡先生、ありがとうございます!

「水戸岡鋭治からのプレゼント - まちと人を幸福にするデザイン展」は9月15日(月・祝)まで、熊本市現代美術館で開催されます。
開催期間中には今後も何度か、水戸岡先生のサイン会やトーク・セッションが行われるようです(詳細は熊本市現代美術館の公式サイトで確認下さい)

皆さんもぜひ、水戸岡ワールドの楽しさを体感してみて下さい!