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2013初夏・北欧バルト海紀行 #017:フィンランド・ヘルシンキ街歩き トラムに乗って鉄道巡り

2013-06-04 | 鉄道

#016:OPERA NIGHT フィンランド国立オペラ劇場“Ooppera”からの続き

2013年5月1日


ヘルシンキでの一夜が明けました。
今日は夕方の船に乗るまで、ヘルシンキの街歩きを楽しもうと思います。
ホテルをチェックアウトしたら荷物をフロントに預けて、国立オペラ劇場前の停留所からトラム(路面電車)に乗って出発です!

ヘルシンキのトラムは、街中をくまなく網の目のように結ぶいくつもの系統の路線が複雑に組み合わさっていて、慣れればトラムどうしを乗り継いでヘルシンキの街のどこにでも行くことが出来そうです。
でも慣れない旅行者は、路線図を見ながらどの系統の路線に乗ればいいのか確認するだけで一苦労かも…

迷路のような路線図を見ていると僕も頭がこんがらがってきたので、適当に停留所にやって来たトラムに乗り込みました。
行く先は決めずに、トラムで自由気ままなヘルシンキ散歩と洒落こむことにしましょう。




トラムの一番前にある運転席。
僕は昨日買ったヘルシンキ市内エリアの公共交通2日間乗り放題パスを持っていますが、もしチケットを持たずに乗ったら先ずはここで運転士さんからチケットを買いましょう。


トラムの車内はこんな感じ。
トラムの車輌には新旧様々な形式がありますが、どの車輌もきれいに整備されていて快適です。
ヨーロッパ諸国の公共交通では時たま見かける、不愉快な落書きや設備の破損が一切無いのが気持ちいいですね。フィンランドの人々の心の豊かさの現れでしょうか。
ちなみにヘルシンキの公共交通は日本と同様にICカード乗車券が導入されていて、車内には読み取り機も設置されています。通路右側にある、0~3の数字が並んだ機械がそれです。


そして、こちらがトラムの一番後ろ。運転席も何もありません。
実はヘルシンキのトラムの車輌は、全て一方通行。編成の一番前にしか運転席が無いのです。
それでは、終点の停留所に着いたらどうやって折り返すの?
それは、後ほど解ります…

ともあれ、運転席の無い最後尾の窓は街の景色を眺めるのに最適です。
ここに立って、ヘルシンキのトラムの車窓を楽しみましょう。



国立オペラ劇場前から乗ったトラムは、街の西側へと向かう4系統の路線でした。
4系統はヘルシンキの郊外をバルト海の入り江に沿って走り、海に行き当たる場所で終点となり折り返します。

さあ!一方通行のトラムが折り返しますよ。どうやって車輌の進行方向を逆向きにするのか、その一部始終をご覧あれ!



わかりましたか?
終点に着いたトラムは、路地裏の区画をぐるっと一周りして元来た線路と合流しています。
ループ線で進行方向を変えたのです。
ヘルシンキのトラムは終点は全てループ線になっているので、街中あちこちでトラムが路地裏をぐるぐる廻っている光景が見られるという訳です。何ともユーモラス!


海の近くでぐるっと廻って、街の中心に戻ってきた4系統のトラムから、街の北側を横切る7A系統のトラムに乗り換えます。
ヘルシンキは街の中でも、空がこんなに広いんですね。青く突き抜けた透明感のある空がとにかく爽快です。

路線図を見ると、この先でフィンランド鉄道のヘルシンキ近郊線の駅の近くを通るようです。
僕の持っている公共交通2日間乗り放題パスは、トラムだけでなくフィンランド鉄道の近郊線にも乗ることが出来ます。
せっかく乗れるのだから、フィンランド鉄道にも乗ってみましょう。
トラムの走る道路の先の橋の向こうに鉄道駅らしき建物が見えたので、そのまま停車した停留所で7A系統のトラムから降ります。


鉄道駅へと向かう橋は、どうやら昔の操車場の跡地をそのまま跨ぐ陸橋だったようです。
橋の下では、広大な操車場跡地を整地して再開発する工事の真っ最中のようですね。


橋の上からヘルシンキ中央駅方面を望むと、わずかに残された線路と機関区の跡と思われる扇状の建屋、そして置きっ放しの鉄道車輌が見えます。
しかし、そこにあった車輌を目を凝らしてよく見ると何と…

蒸気機関車です!!西部劇に出てくるような古典的なアメリカ風スタイルの蒸気機関車がいます!



蒸気機関車の他に、丸っこくて可愛らしいレールバスも何輌もいます。
保存車輌…にしては雨ざらしで状態が悪いですね。放置されていると言った方がいいような…
一体何のためにここに置かれているのでしょうか?
ひょっとしたら、機関区跡の建物を鉄道博物館として整備する計画があるのかもしれません。
このまま朽ち果てるようなこと無く、この次にヘルシンキに来た時にはピカピカに磨き上げられて博物館に納まっている蒸気機関車やレールバスたちと再会できるといいのですが…

何となく心配で心残りですが、蒸気機関車たちに別れを告げて駅に向かって歩き出します。
橋の向こうから、さっき降りた7A系統の逆方向を走る7B系統のトラムがやって来ました。



走り去るトラム。さっきまで、あの最後尾の窓から悠々と街を眺めていました。


橋の下の線路を、ヘルシンキ近郊線の電車が通過します。
この橋からはトラムと近郊線の両方が見られるので、鉄道好きにはたまらない「見る鉄」スポットだなぁ(笑)

駅に着きました。ヘルシンキ中央駅のすぐ隣りのPasilaという駅です。
駅舎のすぐ前にもトラムの停留所があったので、どうやら一つ手前で降りてしまったようですね。でも、そのおかげで謎の蒸気機関車たちにも出会うことが出来ました。



Pasila駅にはひっきりなしに近郊線の電車がやってきます。トラムの親玉のような、近代的で軽快な低床電車です。


わずか数分でヘルシンキ中央駅に到着。ほんの僅かな時間でしたが、フィンランド鉄道の列車にも乗れたので満足しました。
ヘルシンキ中央駅には近郊線の快適電車がずらりと並び壮観です。

#018:フィンランド・ヘルシンキ中央駅で国際列車を眺めるに続く