天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2013初夏・北欧バルト海紀行 #024:エストニア・タリン街歩き 朝の旧市街散歩、教会巡り

2013-06-16 | 旅行

#023:エストニア・タリン街歩き 真夜中の旧市街を彷徨うからの続き

2013年5月2日

今日は一日中タリンに滞在します。ホテルに荷物を預けて、朝から旧市街を歩きましょう。
今回の旅を始めてエストニアに入国してからもう何日も過ぎましたが、タリンにはほんの少しの時間滞在しただけですぐに次の目的地、タルトゥやヘルシンキに移動していたので、一日じっくりとタリン旧市街を眺めるのはこれが初めてです。


先ずは、ホテルのお隣にそびえる聖オラフ教会(オレヴィステ教会)。
昨日の夕方にも尖塔を外から眺めましたが、今日は聖堂の中に入ってみます。


祭壇には大きなキリストの画があるだけで、とてもシンプル。


パイプオルガンとシャンデリア。
白い壁と天井が印象的で、外観同様にとてもすっきりとした聖堂内です。
それにしても、尖塔が元世界一高い建築物だっただけあって、聖堂も天井がとても高いですね。

聖オラフ教会を後にして、ライ(Lai)通りを旧市街中心部のラエコヤ広場方面に進んで行きます。


ラエコヤ広場の近くでピック(Pikk)通りに抜けると、壁に大時計が埋め込まれたゴシック様式の教会があります。
聖霊教会です。
この時計、1684年製だそうですが、どことなくプラハの天文時計「orloj(オルロイ)」に雰囲気が似ています。
タリンのオルロイ、といったところでしょうか。

そのままラエコヤ広場を突っ切り、どんどん進んで行くと坂道となります。
タリン旧市街の南西側はトームペアの丘と呼ばれる丘陵地となっていて、ここには城が築かれています。
3日前、タルトゥから列車でタリン駅に到着した時に駅前に見えていたのが、このトームペアの丘ですね。


トームペアの丘には、城と向かい合うようにして玉ねぎ頭のドームを持つロシア正教の教会が建っています。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂です。
このロシア正教教会が建てられたのは、帝政ロシアの消滅する僅か十数年前のこと。
当時、帝政ロシアへの反抗意識と民族運動が高まりつつあったエストニアに対して、最後の睨みを効かせたいという意図があったのでしょう。

トームペア城とエストニアの人々を威圧するかのように、帝政ロシアの支配とロシア皇帝の権威の象徴として、豪華絢爛たる威容を誇るこのアレクサンドル・ネフスキー大聖堂。
その後は幾度も取り壊そうという意見があがりますが、ロシア系住民の反対運動もあって命を繋ぎ、現在は民族対立の歴史を越えて建築学上非常に価値のある傑作として評価されるようになったそうです。

恩讐の彼方にあって、平和なタリンを見守るという素晴らしい役目を得たアレクサンドル・ネフスキー大聖堂。
聖堂内部もとても美しいイコンで飾られており、また丁度僕が訪れた時間は朝の礼拝が行われていて荘重で感動的な雰囲気が漂っていましたが、当然ながら異教徒が礼拝の様子を撮影するのは遠慮しました。


こちらはアレクサンドル・ネフスキー大聖堂からトームペアの丘を少し下ったところにある、聖ニコラス教会
ドイツ商人たちの多く住んでいた住宅地の中にあります。
聖ニコラス教会の聖堂内は現在では博物館とコンサートホールになっているようです。


聖ニコラス教会から再びトームペアの丘の方角へと向かう坂道を登ると、「太っちょマルガレータの塔」をスリムにして引き伸ばしたような高い塔があります。
15世紀後期に、トームペアの丘と城を守るために建てられたこの塔、「台所を覗く塔」と呼ばれています。
(タリンでは古い塔に妙な渾名を付けるのが流行ってたのかなぁ…(笑))
実際にこの塔に詰めていた兵士が、ふざけて近所の家の台所を覗き見していたのでいつしかこう呼ばれうようになったそうですが、イヴァン雷帝率いるロシア軍が襲来した際には塔の上層部を砲撃で吹き飛ばされ、今でも幾つもの砲弾が壁に埋まったままになっているとか。
呑気な渾名のわりには、激戦を闘い抜けてきたんですね。


路地の向こうに見える尖塔は、聖マリア大聖堂
トームペアの丘で最も標高の高い場所にあり、また西暦1233年以前からこの地に存在していたことが確認されているそうなので、事実上エストニアで最古の教会ということになります。
ちなみにこの聖マリア大聖堂、地元では単に「大聖堂」(トームキリク)と呼ばれていて、これがトームペアの丘の語源になっているそうです。

標高の高い聖マリア大聖堂近くの路地裏には、いくつかの展望スポットがあります。
ここからはタリンの旧市街と、その向こうに広がる新市街、さらにはバルト海までもを一望することが出来ます。
トームペアの丘からの眺めを、大きなパノラマ写真で是非ご覧下さい。


↑サムネイルをクリックすると大きな画像が開きます↑


そろそろ、トームペアの丘を降りて下町に向かいましょう。


トームペア城の裏手を通る、谷底のような坂道を下って行きます。


ラエコヤ広場まで戻って来ました。
昨夜も真夜中まで賑やかでしたが、昼間も賑わっていますね。


↑サムネイルをクリックすると大きな画像が開きます↑



タルトゥのラエコヤ広場の市庁舎は現役でしたが、タリンのラエコヤ広場の市庁舎は既に引退していて現在はコンサートホールや資料館として使われています。
教会のような旧市庁舎のバロック様式の尖塔の裏に廻って、昨日確認した道を通って新市街へと向かいます。

もうすぐお昼。
今日はこれから、新市街にあるエストニア国立オペラ劇場(Rahvusooper Estonia)でバレエのマチネ公演を観るのです。

#025:Ballet Matinee エストニア国立オペラ劇場“Rahvusooper Estonia”に続く