Photo:ウィーン美術史博物館
←その3:喫茶だけではない、お食事も…魅惑のカフェ巡りからの続き
ウィーンの大晦日。
街はホリデーシーズンの最後を飾る年越しイベントの準備で盛り上がるが、ここ美術史博物館ではいつもと変わらぬ時間が流れる。
地元の住人も観光客もはしゃぐ街の雑踏を離れて、ウィーンに来たらいつも観に来るブリューゲルやアルチンボルドの“ルドルフ2世コレクション”を眺めて静かなひと時を過ごす…
美術ファンのウィーン住人や観光客に大人気でいつも前に人だかりができているこれらの名作も、展示室のソファに腰掛けてじっくり待っていれば時々誰もいなくなり、大好きな絵を独り占めできる瞬間が結構あるのだ。
名画に没頭する贅沢な時間を過ごして、閉館時間になり外に出るともう日が沈んで真っ暗…
これからホテルに戻って、正装に着替えて今夜はオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を観に行こう。
ケルントナー通り界隈に行ってみると、華やかに飾り付けられた目抜き通りには多くの人々が繰り出して賑やか。
僕も国立歌劇場からリング大通りを渡り、ウィーン分離派(セセッション館)の金色のタマネギ…いや、キャベツだったか?の先にあるアン・デア・ウィーン劇場を目指す。
お洒落して綺羅びやかな街を歩く、大晦日の楽しい夜…
オペラがはねたら、もう真夜中近く。
このままシュテファンプラッツで派手に騒いで年越しを…といきたいところだが、生憎最近のヨーロッパでは大晦日の夜は物騒だ。
昨年の大晦日の夜に隣国ドイツのケルンをはじめとする多数の都市で、アフリカや中東からの難民を含む者たちによって引き起こされた女性への集団暴行事件はまだ記憶に新しい。
今夜は、おとなしくホテルに帰って静かに過ごすことにする。
という訳でプラーター公園のライトアップされた大観覧車を横目にまっすぐホテルに戻り、シャワーを浴びたりしているともう日付が変わる時間。
オーストリアでもTVで日本の「紅白歌合戦」的な大晦日の歌番組をやっていて、日付が変わる頃にはカウントダウンもある。
…TV画面に2017年の表示が出た瞬間、ホテルの窓の外では花火や爆竹を打ち鳴らす凄まじい爆音が響いてきた。皆で花火を打ち上げて夜明け頃まで大騒ぎして新年を祝うのがヨーロッパの年越しの流儀だ。今頃、シュテファンプラッツやプラーター公園では花火の燃え殻が降り注ぐ中で乾杯をし合って大変な騒ぎだろう。今年は暴行事件などが起きていなければいいが…
当分止みそうにない窓の外の爆音と歓声を聴きながら、ベッドに入った。
おやすみなさい…明けましておめでとう!ああ、日本ではもう8時間前に新年になっているんだっけ。
翌朝は、再び正装して今度はウィーン・コンツェルトハウスのニューイヤーコンサートに繰り出す。
コンサートの前に、聖ペーター教会に立ち寄って初詣で。
僕は旅先で新年を迎えたら、寺院でも神社でもモスクでも教会でも拘り無く祈りの場に出向いて必ず初詣でをするようにしています。
今年は、平穏無事な穏やかな年でありますように…!
→その5:鉄道版LCC ウェストバーンに乗ってみるに続く
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