福田の雑記帖

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高齢者問題(7)   問い、「高齢者達よ、貴方達はどう生きたいのか!!!」(3) 事前指示書とACP

2023年11月16日 10時46分28秒 | コラム、エッセイ
 内閣府の調査によると、病気や怪我によって命の危機にさらされたとき、高齢者の91.1%が「延命のみを目的とした医療は行わず、自然に任せてほしい」と回答している(出典:内閣府「平成25年版 高齢社会白書」)。

 しかし、現在の高齢者医療の実態とは全く様相が異なっている。高齢者は事前に上記の旨を表現しておかないと、意に沿わない延命医療を受ける可能性が大きい。それを回避するためには元気なうちに、不治の病気や事故の際にどうするか、認知症が進んで意思表示ができなくなった時にどうするか、などに分けて自分の考えを記載しておくべきと考える。

 2018年頃からその意思決定の過程を補助する考え方が生まれて来た。それがAdvance Care Planning(ACP)の動きである。
 ACPは、人生の最終段階で受ける医療やケアなどについて、患者本人と家族、医療従事者などが事前に繰り返し話し合う取り組みのこと。

 ACPの以前から、一部の先駆者などの間では「事前指示書」と呼ばれる文書による意思表示が行われてきた。事前指示書は、将来病気やけがなどで自分が意思決定できない状態に陥った場合に、判断を委ねる人物、受けたい医療・ケア、受けたくない医療・ケアなどについて文書化した書類のことである。

 事前指示書とACPの大きな違いは、意思決定の際に家族や医療従事者との話し合いを行うか否かにある。

 「事前指示書」では誰とも話し合いを行う必要性はないため、事前指示書に記載された内容と家族の意見が大きく異なることもありうる。この場合、基本的に指示書に記載されている内容が優先される。また、事前指示書の内容が医療的に実施不可能であれば拒否される場合もある。

 ACPは家族・医療従事者との話し合いをもとに本人の意思決定が行われるため、患者の希望が家族・医療・ケアの関係者からも受け入れやすい。
 
 人はいつ、どんなときに人生の最終段階を迎えるか分からないため、誰しもACPを検討しておく必要がある。

 しかし、中には人生の最終段階について事前に考えること自体に嫌悪感を持つ方もいる。また、自分のことを他人と相談することに耐えられない人もいる。その場合は、まずは自分がどうしたいのか考えてみることが大切である。

 私はすでに事前指示書は作成済みであり公開している。
 私は自分の「いのち」は自分のものと考えている。だから、死に際のありようについては、家族を始め他人に相談することなどは考えられない。だから、ACPはより理想的とは理解しているが、自分のためのACPなど無用である。

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