私は週3回の診療応援をしているから、ざっと言えば通常の半分の勤務時間でリハビリ病院の病棟業務をこなしていることになる。
これは時間的に見ると結構きつい状況にある、と言いうる。
しかしながら、実際には結構余裕もある。これは医師の労働改革の進展の結果である。
10数年前、中通総合病院の院長を担っていたときは、管理者として関連する会議等がとても多かった。これは当然のことでもあった。他に、診療業務がドックや健診業務などと多岐にわたっていたこと、担当していた入院患者数、外来患者数が多かったこと、直筆で処理すべき関連書類が、極めて多かったこと、が挙げられる。
私の場合、当時をざっと思い出すと、県医師会の副会長も担っていたので実に多忙であった。
もちろん例外の日もあったが、am2:00頃から自宅でドックや健診業務の書類処理、5:30-6:00頃出勤、6:30から病棟回診、8:45-13:30外来、その後は病棟業務、医師会関連業務、院内外の会議その他をこなしていた。帰宅は20:30頃であった。休祭日も出勤し、残務処理に充てていた。
当時のことを思い出すと身の毛がよだつ。過労死ラインは超えていた。しかしながら、私的な情報収集も、医師会業務も担っていたので病院業務との明確な区別はできようもなく、超過勤務を申請したこともない。
もう2度とは戻れない生活であった。
当時、医師は雑用に忙殺されて本来の診療業務に対応できていないことがクローズアップされ、そのことが我が国の医師不足に拍車をかけていた。要するに、「雑用が多過ぎて患者を診る時間がない」状態であった。
そのため、医師を診療業務に集中させるために厚労省の指導もあり医療クラークが多数採用されることになった。また看護師の担える業務も拡大されていった。
機を同じくして、電子カルテが導入され始め、医療業務が各職種間で互いに共有されることで効率化したことも大きな変化であった。
そのあと私は暫く入院業務から離れていたが、昨年リハビリ病院の入院業務に戻ってみて時代が大きく変わったことを再認識した。
すなわち、私の業務は看護師、ケースワーカーを含む事務職員、訓練士らのスタッフに多方面から支えられて大幅に軽減されていた。
一昔前と比較にならない状態であった。
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