福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

イソップ物語の「犬と肉」の犬は欲張りだったのか? 我が家のクロ猫を見て疑問に

2011年10月08日 05時28分26秒 | コラム、エッセイ
 有名なイソップ寓話に「犬と肉」がある。
 ある犬が肉をくわえたまま橋を渡っていた。ふと下を見ると、見知らぬ犬が肉をくわえてこちらを見ている。犬はその肉が欲しくなり、脅すために吠えた。すると、くわえていた肉が川に落ちて流されてしまった。犬は、水面に写った自分自身の姿だった。「欲張ると、元も子も無くす」、という教訓とされている。

 今朝、我が家のクロ猫がスズメを口にくわえて戻ってきた。最近、ネズミや小型の鳥を上手に捕獲する様になったらしく頻繁に捕ってくる。この時、不用意に家の中に入れると大変である。家の中で弄んだ後食べるが、あまりいい物でない。獲物をくわえていることに気付けばそのまま外に放り出すのだが必ずしもうまく行かない。

 今朝はクロ猫が「帰ってきたぞ、家に入れろ」と盛んに求めていたが、戸を開ける前にスズメをくわえていることに気づいたので気付かぬふりして観察していた。私と眼があった瞬間に今まで以上に大きな声で「こら、そこに居るじゃないか。早く入れろ!!」と叫んだ。その時,一瞬スキがあったのだろう、スズメがばたばたと暴れ、彼女の口から外れ,飛び去った。クロ猫は直ぐさま追ったがもう後のまつりであった。クロはそのままどこかに行ってしまった。 逃げたスズメがその後うまく生き延びられるかは分からないが,結構機敏で元気そうで,ちょっとうれしくなった。

 これを見ていて、イソップ物語の「犬と肉」を何10年振りかで思いだした。
 我が家の猫も「ニャー」と大きく鳴いた途端に獲物を失った。犬の場合は欲のために,とされているが、両者は共通していると思った。猫は食習慣として捕獲した場所で食べず、飼い主に見せた後に安心して食べられる場所に移動して食べる。飼い主にしてみれば迷惑なのだが、これは欲でなく習性である。イソップ物語の犬は「欲張ったから吠えた」とされているが,そうだろうか?犬は見知らぬ犬がいれば威嚇するために吠えるのは当然である。その習性のために肉を失った、と私は考えたい。

 そう考えれば、我が家のクロ猫の今朝の行為はイソップ物語の「犬と肉」と等価であり純粋である。欲張りとレッテルを貼られたイソップ物語の犬が気の毒でならない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« AppleのS.Jobs氏が死去された... | トップ | AppleのS.Jobs氏が死去された... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

コラム、エッセイ」カテゴリの最新記事