先月26日のTV討論会はバイデン氏の劣勢だけが強調されているが、実際にはトランプも失態を犯してしまった。
トランプの発言は極端である。誇張も嘘も多い。彼の信奉者には心地よく届くだろうが、そのような有権者だけをターゲットにしているだけでは票が伸び悩む。TV討論会では中間層向けの、ソフトな口調での取り込みも計画されていたようであるが、トランプは終始極端な自説を展開してしまった。中間層の取り込みに失敗した、と評価されている。
さらに、トランプは副大統領候補にバーンス氏を指名した。バーンス氏はミニトランプと揶揄されるような強硬な意見を展開する政治家である。中絶問題などについてはトランプ氏よりも遥かに強硬な意見を吐いている。
バーンス氏の指名も結果的に中道派の取り込みに失敗する要因となりそうである。トランプvsバイデンの戦いなら差が歴然としていたからそれでもよかったであろうが、ハリス氏の登場で目算が狂った。穏健中間層の取り込み、女性票の獲得も難しくなった??
一方では、ハリス氏は非白人であること、若いこと、移民の家系であること、女性であることから、彼女には語らずしても備わっている資質がある。「銃規制」、「人権問題」、「移民問題」、「人種問題」などが進展する可能性がある。
いま人工妊娠中絶の権利をめぐるアメリカ国内の対立は、半世紀続いた規範を覆した最高裁判決を機に、女性がいきりたっている。共和党は中絶に厳しく対応しようとしている。共和党支持者の女性票をもハリスに流れる可能性がある。
インフレを中心とする経済問題はハリスにとってバイデン政権から引き継ぐ負の遺産になりうるが、副大統領であった以上、バイデンの考えを否定することはできないし、前政権の問題を引き受けるしかない。
最終的に、世界で最強の米軍の最高司令官として軍を統率できるのか問われるだろう。
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