福田の雑記帖

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安倍政権の経済政策(3) 国民生活への波及効果は?

2013年01月20日 07時35分29秒 | 政治・経済 国際関係
 安倍首相の言う経済政策はアベノミクスと呼ばれている。
 内容的には、国債の発行、金融緩和策、公共工事中心の大型予算執行が中心で、これらについてはよく説明されているが、この政策の中で恩恵を売るのはあくまでも大企業であって、中小企業の活力や一般国民の生活はどうなるのか、については言及が不十分である。私は無責任ではないかと思う。

 この新政権が掲げる経済政策によって、恐らくは物価は2%は上昇するだろうと予想され、数字上は景気は回復し、デフレからの脱却の方向も期待出来る、とされる。
 しかし、国民の生活は一層厳しくなる可能性がある。

 本日夜のニュースで、日本経団連の春闘に対する姿勢が報じられていた。それによると、春闘によるベースアップはこの不景気の中では論外であり、それどころか、定期昇給の見直し、給与体系の見直しさえ必要になろう、と言っていた。少なくとも今年は、アベノミクスのもとでは、物価は上昇するが実質賃金は低下する状況が生まれると予想される。

 企業経営の面から見ると、物価が2%上昇することは仕入れ価格が上昇することになるから、余力のある強い企業しか対応できないと思われる。それで生じた経営上の困難な部分は下請け企業への締め付けという形が取られるだろう。中小企業は価格への転嫁が困難である。要するに、日本の産業の中の90数%締める中小企業にとってはアベノミクスによって大変な事態となる事が予想される。

 要するに、デフレから脱却して景気が改善しても企業の活力が低下する厳しい自体が生じうる。小泉構造改革路線において自由競争の旗印の下、確かに株価はほぼ倍になった。即ち景気は回復したのであるが、この間、企業は新しい戦略で国際社会に切り込むことなく内部留保の拡大に努め、安全生の確保に努めた。結果として、大企業の役員報酬は約2倍に、配当金は3倍に増加しているが、労働者の報酬は押さえられ、リストラ等でむしろ低下している。

 今回も同じことは生じうるこのとが危惧される。アベノミクスは上記の如く、強い一部の企業を一層伸ばすことになり、国民生活を一層厳しくする可能性がある。また、景気改善効果すら一過性である可能性がある。これに、更に、消費税が重くのしかかる。

 日本の経済を持続的に活性化する次の手として、政府や企業が何を打ちだすかにかかっている、と思う。
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