福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

過疎地の交通(2) 少子高齢化の当然の結果だが放置できない問題

2021年10月05日 09時35分09秒 | 秋田の話題
 私は昨年夏に運転免許を返納した。
 早期に返納した背景には、バスやJRなどの公共交通、タクシー、自転車あるいは歩行など、私が選べる移動手段が色々残っていることを前提としてであった。家内は車で通勤している。私は今も公共交通、主として路線バスを利用しながら仕事を続けている。帰路は家内とともに帰ることが多い。だから、あまり不便を感じていない。

 数日前に行われた路線バスの運行改訂で、私が利用する路線バスのダイヤを上りの便で見てみると、平日は30本→25本に、土日祭日、盆暮の時期は20本→14本に減便となった。

 私が利用する路線は1日20本もあるからまだいい。秋田市内では一日一往復、あるいは数往復しかない地域が少なくない。ここまでくると移動手段としての価値は極めて少ない。
 私は日常、高齢者を中心とした患者の診療を続けているが、「バスの便がなくなったので近所のクリニックに転院したい。長い間ありがとうございました・・・」と申し出る方が少なくない。

 鉄道をはじめ、バスやタクシーも撤退したり、運行を減らしたりしている過疎地の交通をどう確保するか。これは手をこまねいていれば不可逆的になりうるから早急に対策を考えていかなければならない。解決には国の政治、地方政治の関与が必要であるが、今のところ積極的介入の姿は見えない。

 大袈裟なことを言えば我々には「移動の自由、移動の権利」が認められている。地域公共交通は、地域経済、生活を支える重要な社会インフラであるだけに、事業者の経営難の
問題として矮小して捉えることなく、地域全体でそのあり方を考えていくことが重要である。

 一般的に人口減少や高齢化は、通勤・通学需要の減少などから、鉄道やバスの利用客数の減少につながる。そんなことは数十年も前から予測されてきていたが誰も責任を持って考えてこなかった。身近に影響が出てから考える。
 特に、車利用を前提に郊外に進展していった秋田市でも、高齢化が進み、昨年4.000人以上の高齢者が免許証の自主返納を行っている。
 さらに、若い世代の人はそもそも自動車を保有しなくなっている。

 人口減少の中でも、高齢者の増加や免許の自主返納、若者の自動車離れにより、地域公共交通の潜在的な利用ニーズは高まっている可能性がある。この辺の視点を重視した社会インフラの構築を考えなければならない。

 交通関連事業者は、人口減や需要の減少から「路線網や運行本数の縮小による利便性の低下がさらなる利用者の減少を招く」という悪循環環を断ち切り、増収に向けた方策の検時を深めていくことが重要である。



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