わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土49 色土の技法3 練上手(練込)3 金太郎飴1

2013-12-02 20:25:49 | 陶芸入門(初級、中級編)

七五三の千歳飴の中に入っている、棒状の金太郎飴は切り口が常に金太郎の顔が出てくる様に

作られています。即ち同じ模様を多数作りたい場合には、この方法が役にたちます。

太巻きと言われる海苔巻きにも、同様に切り口が常に同じに成った物があります。

それぞれ材料は異なりますが、作り方はほぼ同じと見て良いでしょう。当然色土を使ってもこの様な

表現技法は可能です。金太郎飴は丸い模様で、太巻きは丸又は四角形ですが、好みの形にする

事は不可能では有りません。勿論、具象的な物だけでなく、抽象的な模様であってもかまいません。

但し、作った模様をどの様に使うかが問題に成りますが、一般的には作品の一部に取り込んで使い

ます。薄くスライスした模様を作品に貼り付ける方法や、やや肉厚に切り出した模様を、刳り貫

(くりぬく)いた作品の一部に嵌め込む技法などがあります。

その他、模様をどの様に生かすかは作者次第です。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

1) どの様な模様にするかを考える。(準備)

   模様の種類、模様の大きさ、使う色土の種類と数などですが、重要なのは、海苔巻きの海苔に

   相当する色を決める事です。基本的には、作品の土の色と合わせます。合わせる事で、貼り

   付けたり、嵌め込んだ際に、繋ぎ目の処理が楽に成ります。

2) 必要な色土と海苔に相当する土を用意します。

  ① 海苔に相当する土は、一般的には四角形ですが模様の大きさや形状に合わせて厚みや

    大きさを決めます。

  ② 良く菊練された色土を棒状にします。模様によっては太い物や細い物、丸い物、四角い物

    更には三角形や不定形の物など、模様に応じて様々な棒に成ります。但し、棒の長さは統一

    する必要があります。

3) 巻き取って模様を作る。

  ① きつく絞った布や蚊帳の上に、海苔に相当する土を載せます。その上に、上記の色土を並べて

    いきます。当然、意図的な模様にするには、それに適した色の配列が必要です。

    準備の段階で紙などに配置図を描いておくと作業が早いです。

    又、実際に色土片を寄せ集め、模様を作って試作し状態を確認する事です。

  ② 海苔巻きの様に巻き取る。

    下に敷いてある布や蚊帳ごと丸め込みます。

    巻き取る際、各々の色土同士が圧着する様にきつく締ます。巻き取りは一周以上にし、  

    重なり部分もしっかり接着します。巻き取りは円形の方がやり易いです。もし四角が必要ならば

    丸くしてから四角や楕円などの形に変えます。当然模様のバランスは変わります。

  ③ 巻いた太さを調整する。

    太さを細くしたい場合には、回転させながら手を左右に広げます。逆に太くするには左右の手を

    近づけます。尚、次の模様の確認の際にも、全体を大きくしたり小さくしたりする事が可能です。

4) 模様を確認する。

  ① 海苔巻き状の両端を切れる刃物や細い糸で切断し、切り口を見て模様を確認する。

    両端は模様が崩れている事が多いですので、切り取りますが、その際その切断面を見て

    模様を確認できます。

  ② 模様を微調整する。

    棒状のままで微調整する事も可能ですが、棒状の物をスライスして薄くしてからの方が調整

    し易いです。微調整は色土の位置と形、色土の面積の増減、及び模様全体のバランス等です。

5) スライスし微調整が終わった土を、上下を板で挟み圧を掛けて、よりしっかり土を締めます。

  スライスする厚みは、模様を作品に使う方法によって異なります。

以下次回に続きます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 化粧土と色土48 色土の技... | トップ | 化粧土と色土50 色土の技... »

コメントを投稿

陶芸入門(初級、中級編)」カテゴリの最新記事