わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土51 色土の技法3 練上手(練込)3 金太郎飴3

2013-12-04 22:56:26 | 陶芸入門(初級、中級編)

前回の続きです。

8) 埋め込み模様を作る。(一種の象嵌模様とも言える技法です。)

  金太郎飴風に作った色土の練込み模様を、作品に埋め込んで模様を付ける方法です。

  前回の貼り付ける方法ですと、作品より外に出っ張る感じに成りますが、埋め込む方法では、

  表面は凸凹しなくてすみます。

 ① 埋め込む為には、作品はある程度軟らかい状態になっている必要があり、逆に色土模様は

    ある程度乾燥しており、押し込む際の圧力で、模様が変形しない状態の時に行います。

 ② 作品として、皿の様な平たい物や、タタラから作る作品に向いています。

    即ち、タタラの状態では、練込み模様を安定して埋め込む事が出来ます。

 ③ 角皿を作る。

   ベースになる四角い皿を、タタラで作ります。土の種類は模様の外側の色(海苔巻きの海苔に

   相当する土の色)と同じにする方が、後の処理が楽です。

  ) 切り出した(スライスした)練込み模様の土を、上記四角い皿の上に並べます。

    隙間無く並べる事も可能ですが、ワンポイントとして一箇所のみに置く事も出来ます。

    模様の配置の仕方によって、出来上がりに差が出ますので、良く考える事です。

    置いた上に濡らして、きつく絞った布を掛けます。くっつき防止です。

  ) 足の付いた平たい板を逆さにして足を持ち、上記布の上から、体重を掛けて平行に押さえ

     ます。 面積の広い板ですと力が分散し、潜る量は僅かですので狭い板の方が有効です。

     但し、狭い板の場合には、押す位置によって若干の差(凸凹)が出ます。

  ) 上記の作業では十分に押し込める事は出来ないはずです。

     そこで更に、ローラーを掛けて押し込みます。但し数度に分け、四方八方に中心から外側へ

     転がし押し込めます。模様の高さとベースの土の高さ(厚さ)が均一であればOKです。

     若干模様の方が出っ張っていても、削り作業で平らにする事が出来ます。

  ) 上記の作業を行うと、ベースの土は伸びます。

     それ故、最初に設定した寸法に成る様にカッター等で切り取ります。    

  ) 角皿にするには、四辺と各角を持ち上げ形を作ります。

     又、模様入りの平たい板を乾燥後に組み立て利用し、色々の作品を作る事もできます。

     但し、模様の入った部分を急激に曲げない事です。

 ④ 直接練込み模様を貼り付けタタラを作る。

   上記方法はベースの土に練込み土を押し込む方法ですが、ベースの土を使わずに直接

    色土を並べ、互いに接着させて板状にする事も出来ます。

   ) 濡らした布の上に複数枚の模様土を並べます。

      基本的には、複数の色土を密着させて貼り合わせます。

      四角い模様であれば、比較的隙間を少なくして、並べる事が出来ますが、丸い模様であれば

      三枚の模様の中心には隙間ができます。

      又、海苔に相当する部分の土を切ったり変形させて、なるべく隙間を少なくします。

    ) 一枚毎に側面を押して隣の模様の土に圧着させます。同様にして必要の枚数をくっつけて

       いきます。乾燥が進んでいる場合には、海苔に相当する外側の土に、筆で水を引きやや

       軟らかくして変形と接着を助けます。

     ) 模様の形によっては隙間ができるかも知れませんが、少しの隙間であれば、次の作業で

        修正できます。大きく隙間が出来た場合には、海苔に相当する土を小さく丸めてその

        隙間に入れ、上から押さえて伸ばし、隙間を完全に埋めます。

    b) 濡らした布を上から掛け、上から圧力をかけ圧着します。更にローラーを掛けて均一に

      伸ばします。伸ばす方向によって模様も変化しますので、伸ばす行為より接着する事を

      優先させます。

    c) 模様同士が隙間無く密着すれば良いのですが、接着が不十分ですと、後から「割れや

      ひび」が入ります。

     d) 接着方法は、水のみの場合と、側面に傷(刻み)を付け「どべ」を使う事もできます。

        乾燥度合いでどの方法を取るかを考えます。

 ⑤ 鉢などの食器類に埋め込む。

以下次回に続きます。

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