わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土52 色土の技法3 練上手(練込)3 金太郎飴4

2013-12-05 20:25:30 | 陶芸入門(初級、中級編)

前回の続きです。

 ⑤ 鉢などの食器類に埋め込む。

   表面に貼り付けるのとは違い、埋め込む為表面に凸凹が出来ません。

   それ故、食器の内外に模様を埋め込む事も出来ます。

  ) 石膏型などを使う場合には、前回と同じ方法でタタラに練込み模様を埋め込みます。

     これを石膏型に押し付けて、鉢などの形にしますので、さほどの困難はありません。

  ) 形作られた作品に練込み模様を埋め込むのは、容易ではありません。

     作品はある程度乾燥していますので、容易に押し込む事が出来ません。

     どうしても模様を埋め込みたい時には、次にお話する刳り貫き(くりぬき)の方法をとる事に

     なります。

9) 刳り貫きにより練込み模様を嵌め込む。

   壷や鉢、花瓶、茶碗などの立体的な作品に練込み模様を取り付け、表面に凹凸を付けないと

   すれば作品の側面に孔を開け、模様土を嵌め込む方法になります。

   この場合、内外の模様が同じになります。

  ① 金太郎飴風に作った練込み模様を切り出します。若干作品本体より肉厚は厚めにします。

     土を締めたり、削り代を残す為です。 切り出した模様の外形を型紙に写し取ります。

     複数個の模様を嵌め込むには、各々型紙を取った方が良いでしょう。

     型紙の外周を切り取ります。

  ② 作品本体に孔を開けます。

   a) 上記型紙を作品に押し当て、全体のバランス(配置)を見ます。

   b) 取り付ける位置が確定したら、型紙を当てて、針で当たりを付けます。

     作品が曲線の場合には、型紙に霧を吹いて軟らかくして、曲面に貼り付けます。

   c) 全ての型紙で当たりが出来たら、作品の表面を型紙に沿って、針などで刳り貫きます。

     作品の乾燥が進んでいると、土は「もろい」ですので、慎重に輪郭に切れ目を入れます。

     針は時々水で濡らし、土が切れる様にします。又、乾き過ぎた作品には、霧吹きで水を掛け、

     やや軟らかくして作業を行います。

   d) 刳り貫く面積は型紙の寸法よりやや小さめにします。

     大きく切り取った方が、嵌め込み易いですが、繋ぎ目に亀裂や隙間が出来易いです。

     若干小さめの孔に模様土を嵌め込む方がより強固に嵌り(はまり)ます。

     模様の土をやや軟らかにし、外周を縮めながら嵌め込み、嵌ったら模様の内外から圧縮し

     面積を増やして、孔に密着する事も出来ます。

   e) 孔の切り口の断面は、平行、「ハの字」、「逆ハの字」の三通りあります。

    ・ 平行が一般的です。「ハの字」は外側が広く内側が狭い孔で、「逆ハの字」はその逆です。

    ・ 「ハの字」の場合は、作品の外側から模様土を嵌め込みます。この方法は作業が容易ですが

      内側から外側に働く力に弱くなります。即ち花瓶の様に水を入れ物では、常に外側に水圧が

      掛ますので、水漏れの恐れが生じ易いです。

    ・ 「逆ハの字」は内側から外側への力に対し強いですが、外側から内側への力には若干

      弱いです。但し作業は難しくなり、口径が大きくなければ内側から嵌め込む事は出来ません

    ・ 嵌め込む際には、模様が崩れ無い様に、丸や平たい「当て木」を両側から当てます。

   f) 模様の外周と作品の土は同じ物を使っていますので、竹へらや指で繋ぎ目をよく撫ぜれば

     繋ぎ目は目立ちません。

     嵌め込む際、模様の外周と孔の内側に「どべ」を塗っておくと、よりしっかり接着できます。

   g) 仕上げ。嵌め込んだ模様が、不自然に感じ無い様にします。

     即ち、丸い曲線の作品に嵌め込んだ模様も、同じ様に丸みを持たなければ違和感がでます。

以下次回に続きます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 化粧土と色土51 色土の技... | トップ | 化粧土と色土53 色土の技... »

コメントを投稿

陶芸入門(初級、中級編)」カテゴリの最新記事