わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(歩留まり1)

2011-03-01 21:34:09 | 轆轤の上達方法
9) 歩留まりに付いて

  「歩留まり」とは、最初に有った、エネルギーや、物質がその完成時に、どの位残っているかと
  
  言う事です。その間に、何らかの事情により、失われたエネルギーや物は、「ロス」となります。

  この「ロス」が少ない程、「歩留まり」が良いと、言う事になります。

  轆轤技術が上達するとは、この「歩留まり」が、良くなる事とも言えます。

  (尚、エネルギーでは、一般に、「歩留まり」は、効率と言う言葉を、使います。)

 ① 陶芸の場合で言いますと、最初に用意した、土の量が、轆轤挽きや、底削りが終った段階で、

   正味どの位、残っているかと言う事に、なります。

   例えば、500gの土を用意して、轆轤作業を始めたとして、底削りが終わった段階で、

   300gの作品に、出来上がっていれば、歩留まりは6割(60%)と、言う事になります。

   4割(40%)が、「ロス」となります。

 ② 轆轤作業では、歩留まりが、100%と言う事は、有り得ません。

   逆に言うと、轆轤作業では、無駄な土が必要と、言う事です。

   色々な作業過程で、土は目減りして行きます。

 ③ 轆轤作業に於ける、土の目減り量

  ) 土殺しの際の目減り

    土殺しをする前に、土の表面を水で濡らし、必ず泥(どべ)を出す必要があります。

    この泥は、作品にくっつく事は出来ません。それ故、必ず「ロス」になる物です。

   a) 土殺しの最中にも、どんどん泥が発生します。手を滑らせる為には、必要な物とも言え

     ます。しかし、泥を次々に発生させる事は、「ロス」をどんどん、増やす事になります。

   b) 出来るだけ、泥を出さない様にするには、出た泥を、本体に塗りつける事です。

     出た泥を、水桶などで剥ぎ取り、泥を落してから、新たに水を付けて、更に、轆轤作業を

     する人を、見掛けますが、これでは、泥を量産する事になります。

   c) 水を使うよりも、泥を使う利点は、水よりも、手が滑る事と、土本体の水の吸収量が、

     少なくなる事です。轆轤作業では、時間が掛かるほど、土が水を吸収し、弱くなる事です

     それ故、積極的に泥を、使う事を薦めます。

   d) この段階での目減りは、人にもよりますが、5%以内でしょう。

 ) 上部を切る事による目減り

   轆轤作業をしていると、上部に凹凸が発生したり、所定の寸法より、大きくなった為、

   上部を切り取る事があります。これも、大きな目減りとなります。

   a) 前者は、なるべくなら、避けたい目減りですが、後者は、必要な目減りです。

     但し、後者の場合、最初の土の量が、多過ぎたのが問題で、少ない量ならば、切り取る

     必要のない土、とも言えます。

   b) 当然、初心者では、多くの量となり、上級者では、少ない量か、皆無の事も多いです。

 ) 底の外周の土を取り除く

以下次回に続きます。
    
   

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