わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(削り作業4)

2011-03-08 22:36:16 | 轆轤の上達方法
4) 削り作業の注意点。

  今まで述べて来ました様に、轆轤の中心に置く事や、轆轤や「シッタ」に、しっかり止める事の

  他に、注意すべき事は、以外に多いです。

 一般には、電動轆轤で、削りますが、抹茶茶碗の様な作品は、手回し轆轤の上で、削る事も、

  多いです。電動轆轤では、綺麗に削り過ぎ、茶陶としての、趣が出せない為です。
 
  それ故、「かんな」等の、金属製ではなく、赤松を刀状に、薄く割って使用する場合もあります。

 ① 「かんな」類は、刃物ですので、常に切れる状態に、して置きます。

    砥石や、(鉄鋼、ダイヤモンド)ヤスリで、研ぐ様にします。

 ② 「かんな」類の形は、色々あります。それ故、一つの作品を削る際にも、数種類の「かんな」を

   用意する必要が有ります。

   即ち、直線的な刃の物、丸い曲線的な刃の物、刃の部分が長い物や短い物、三角状の物など、

   削りたい形状に拠って、使い分ける必要が有ります。垂直な面は、直線的な「かんな」を

   使いますが、曲線部分は、丸い「かんな」の方が良いでしょう。

   特に、内側に出っ張っている、曲面は丸い「かんな」が、必要です。

 ③ 一般的に削る所は、器の外側です。しかし、練り込みや、マーブル模様にした場合、器の

   内側を削り、泥(どべ)で隠れている、模様を露出させます。

   この場合、削る事により、模様もどんどん、変化します。何処で止めるかも、決断がいります。

 ④ 削り作業に慣れていない方は、削る事によって、作品の表面に線条の傷を、付けて仕舞う事が

   有ります。これは、「かんな」の刃の部分の角が当たり、深く削ってしまった結果です。

   角が当たらない様に、刃は作品の曲面に沿って、やや回転気味に、移動させます。

 ⑤ 刃物である「かんな」は、上手に刃を立てる事によって、削る事が出来ます。

   それ故、「削りカス」が一番多く出る様に、作品に対して、刃の角度を微調整します。

 ⑥ 削り作業は、前出のマーブル模様以外は、器の外側の高台脇から、胴に掛けて削ります。

   狂いの無い作品ですと、問題が無いのですが、狂いが有ると、削った境目が、はっきり出て

   段違いに成り易いです。そこで、この段差を無くす為に、「ボカシ」を入れます。

   即ち段差近辺で、片手で持った「かんな」を上下させます。片手の為、「かんな」の位置が、

   不安定に成り、作品の凸凹に、「かんな」が追従し、段差が無くなります。

 ⑦ 高台を削る際には、まず、底全体を水平に、削ります。これを怠ると、高台の高さが、場所に

   よって、高低差が出ます。

   高台の、外側の円を描き、円を消さない様に、その外側を削ります。

   高台内を削る際には、刃の短い物を使います。内側に円を描きますが、外側の円との隙間は、

   やや広めに取ります。仕上げ作業で、適正な寸法に仕上げます。

 ⑧ 高台内は、水平かやや中央が盛り上がった、兜巾(ときん)にします。

   中央が、下に落ち込まない様にします。

 ⑨ 最後に、削った面を、掌(てのひら)で撫ぜて、表面の凸凹の有無を、感知します。

   良ければ、高台の畳付(たたみつき)の内外の角を、面取りして、描いた線を消して、

   終わりに成ります。

 ⑩ 削り終えた作品は、轆轤や「シッタ」から、取り離しますが、止めている土を針で、上下で、

   二分し、その上の部分を、取り除きます。この際、作品を傷つけ無い様にします。

   又、大皿の様に、伏せて有る物を、上に取上げる事は、困難です。それ故、轆轤面に沿って、

   滑らせて移動し、轆轤面からやや外に出した所を、下から支え傾けてから、内側に手を入れて

   起します。その際、手板を高台に載せておくと、作業がし易いです。

以上にて、「続 電動轤上達法」の話を、終わります。
  

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