わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(力を有効に使う2)

2011-02-28 21:49:31 | 轆轤の上達方法
大きな作品などは、体力勝負の面がありますが、単に自分の力のみでなく、轆轤の遠心力を、有効に利用

出来れば、自分の力は、さほど必要としません。

実際、轆轤の上級者は、大きな力を入れずに、作品を作っています。

8) 電動轆轤の、回転エネルギーを、有効に使う

   轆轤上で、土が回転していると、必ず遠心力が働きます。

 ① 遠心力の大きさ(強さ)は、角速度(回転速度)の二乗に、比例します。

   即ち、速度が二倍になると、遠心力は四倍に、なる事になります。

 ② 轆轤は、ただ回転し、綺麗な形を作る為だけに、使用している訳では、ないのです。

   回転による遠心力を、上手に使う事によって、作り手のエネルギーを、少なくしてくれています。

 ③ 回転を速くすれば、遠心力はどんどん、大きくなりますが、この力を有効に、使えなければ、

   遠心力と回転スピードに負けて、作品が「振れ」る等の、弊害が起こります。

 ④ 遠心力を上方の力に、変換するのが、外側の手(右回転では、左手)です。

   それ故、この遠心力を、「がっちり」受け止め、径が大きくならない様にする、必要があります。

   (この事に付いては、何度も、お話していますので、「耳にタコ」かも知れませんが、悪しからず)

 ⑤ 初心者は、自分の力だけに、頼ろうとし勝ちです。又、回転が速くなる事に、恐怖感を持っています。

   それ故、かえって不用意な力が、入り易く、作業も「ぎこちなく」なります。

 ⑥ 遠心力を、上手にコントロールする方法は、手と土の速度を一定にする様に、回転速度を制御する事

   です。即ち、回転速度が、一定であれば、外径が大い程、土のスピードは、速くなり、逆に径が

   小さいほど、土のスピードは遅くなります。

   手と土のスピードを、一定にするとは、即ち、径が大きくなったら、回転を落しなさい、径が細く

   成ったら、回転を上げなさいと、言う事です。

   こうする事によって、手と土とが、安定的な関係になり、指の力も安定して、使える様になります。

 ⑦ 轆轤で使う土は、滑らかの物とは、限るません。「はぜ石」の入った、粗目の土を使う事もあります。

   その際、素手で作業をすると、指の皮を傷つける場合があります。(特に女性は敬遠しがちです。)

   その為、回転を落し気味に、して仕舞い勝ちになります。

   大きな作品は、目の細かい土よりも、やや粗目の土のほうが、軽く丈夫に作れる、利点があります。

   恐々(おそる、おそる)しながらの、轆轤作業では、上手く行くはずはありません。

   この場合、手や指に、布切れや、皮などを巻き付けて作業すると、手が傷つかないと伴に、水切れを

   防ぐ効果もあります。回転も速くできます。

・ 轆轤作業で、特に力が必要なのは、土を薄く上に伸ばす時です。

  この際には、回転スピードを、速くします。 形作りに入ると、少しの力で変形しますので、回転は若干

  遅くした方が、作業し易いです。

以上にて、「力の有効な使い方」の話を終わります。

以下次回に続きます。

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