わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(歩留まり2)

2011-03-02 23:01:04 | 轆轤の上達方法
前回に続き、歩留まり(ぶどまり)に付いて、お話します。

9) 歩留まりに付いて

 ③ 轆轤作業に於ける、土の目減り量

  ) 底の外周の土を取り除く際の目減り

   a) 轆轤作業が、最終段階に成り、土を轆轤上から、糸で切り取る前に、糸を入れる場所を

     しっかり固定する為に、切り口周辺の土を、削り取ります。

   b) この作業は又、切り口周辺の土が、薄くならない様にする、働きがあります。
   
     切り口周辺の土が薄いと、この薄い所から、乾燥が進み、「ひび」が入ります。

     この「ひび」は、底の中心方向に、伸びて行きます。放って置くと、底割れを起こします。

     この「ひび」は、塞ぐ事は出来ません。塞いだ傍から、又「ひび」が入ります。

     出来る事は、全て削り取る事です。

     この様な事が起きない様に、45度位の角度で、底の周辺の土を、削り取ります。

   c) 切り離す前に、全体の形を補正する為に、「竹へら」等で、作品を押さえ込んだり、

     余分な下部の土を、剥ぎ取る場合も有ります。ここでも、土は無駄になります。

     ここで、轆轤上より、作品を糸で、切離します。

   ・ ここまでの、目減りは10%以内でしょう。重量の減少が、意外に少ないのは、土が水を

     吸い込んでいる為です。

  ) 土が一番目減りするのは、底削りの時です。 

     削り易い程度に乾燥させますが、重量的には、7~8%程度、減少し、寸法的にも、

     縦横高さ共5%位、小さくなります。(轆轤製作終了直後が、一番寸法が縮みます。)

   a) 底削りは、作品を逆さに伏せて、「かんな」等で、削りますが、肉厚が厚い場合には、

     底のみでなく、腰の周辺まで、土を大量に、削り取ります。

     腰周辺は、上部に対して、必ず肉厚に成っています。それ故、腰周辺は、大なり小なり
   
     必ず削る事になります。

   b) 「べた高台」の場合は、底の周辺と、底から腰にかけて、削りますが、「輪高台」や、

     「碁笥底高台」の場合は、高台内も削り取ります。その分、土は目減りします。

   c) 初心者は、思い切って削るのに、躊躇(ちゅうちょ)して仕舞勝ちで、肉厚が厚めで、

     作品も、重くなります。尚、初心者が、削り過ぎて、穴が開く場合は、ほとんど見られ

     ません。ほとんどは、削り不足になります。

   d) 底削りの終わった段階で、最初に用意した土に対して、どの位の重さで、出来上がって

     いるかを、測定し「歩留まり」を、測ります。

   e) 一般には、輪高台の場合は、3割程度目減りしているのが、普通です。(歩留まり7割)

     この数字は、土の目減り量だけでなく、底削りまでに、乾燥し蒸発した水の重さも入った

     数字です。

以下次回に続きます。

   

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 続 電動轤上達法(歩留まり1) | トップ | 続 電動轤上達法(歩留まり3) »

コメントを投稿

轆轤の上達方法」カテゴリの最新記事