ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

おめでとう日本!マンハッタンが心よりお祝いします!

2011年07月18日 | 日本とわたし



普段、この彼女達の手は、レジ打ちを、お茶碗運びを、農作業を、事務作業を、生活を成り立たせるために働いている。


逆境に耐え、不遇を忍び、それでも夢を追いかけて歯を食いしばってきた女達。

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月と真珠

2011年07月18日 | ひとりごと

 
『昔々、ひとりの老人が森の中に入って行った。
小径をてくてく歩いて行くと、小さな池があった。
池の淵に立った老人は、とても美しい、大きな真珠を見つけた。
彼は喜び勇んで、両手でその真珠を抱えようと、手を水の中に入れた。
ところが、どうしても抱えられず、彼の手は水を左右に掻き出すばかり。
水面が揺れると、真珠のまぁるい線もゆらゆらとうごめいた。
老人は空を見上げた。
するとそこに、見事な満月が浮かんでいた。

老人は、その美しさに心を満たされた。
と同時に、大きな真珠が手に入らなかったことにがっかりした』

という物語をもとにした、気功の自己治癒のための動作を学びました。

老人が興奮して、水面を掻いている動作では腎臓を、
こぶしを軽く握り、上を見上げ、あぁ~と言いながら腕を腰の辺りまで下げる時は心臓を肺を、
うつむいて、がっかりとした表情で、はぁ~と言いながら肘を曲げて後ろに引く時は腸と肝臓を、
それぞれの臓器を意識しながら、そこに感情も加えての動作をくり返します。

いつもより少し、物語性があって楽しかったのですが、ひとつだけ疑問に思ったので、クラスが終わってからミリアムに尋ねました。
「がっかりしているままで終わるって珍しいね。たいていは、いいエネルギーを取り入れて、体の中にたまっているイライラや問題、負の感情を外に出す練習をしているでしょ?」
「なるほどね。でも、人間の感情はそれぞれで、自然でいる限り、楽しさや嬉しさと同時に戸惑いや失望や哀しみがあるでしょう?」
「確かに」
「いつもプラスばかりがいいとは限らない。マイナスの中にもきっと意味や意義がある。そういうことだと思う」
「その、真珠と思ったものがただの幻影だった。けれども実際には、本当に美しい月が空に浮かんでいて、それを見て老人は癒されたってことかなあ」
「そして、がっかりした。あんなおっきな真珠が手に入ったらと、とても興奮したんだものね。
でも、それが自然の心の動きだと思う。そんな時に無理矢理聖人みたいに物事の在り方を分析したり、正しい大人としての思考はどういうものか、なんて考えたりする必要なんて無いと思う。
けれども、だからといって、がっかりしたことをいつまでもグズグズとため込まないこと。
感情の正直な現れを抑え込んではいけないし、それを長い時間同じ所に留めるのもよくない。そういうことだと思うの。
がっかりしたり悲しかったり辛かったり、そういうことは生きていると必ずやってくる。
けれども、いいことが起こるのは必ず、そういうことの後なのね。
そういうことを経験することなく、そして、そういうことを心の中にため込んでいたりしたら、幸せや喜びや癒しは得られない」
「そっか、プラスもマイナスも、多過ぎたり沈滞したりすると、どちらも問題になるってことか」
「そうね、心をあるがままに、けれども過剰は禁物、ため込むのはもっと禁物。楽しい一週間になりますように!」


クラスの終わりに、皆が、「昨日はおめでとう!」と拍手をしてくれました。
「あの粘りとあきらめない気持ち、日本の女性はなんてすごいんだと思ったよ」
「今の日本には、本当に必要だった力強さだったよね」
「あんなちっちゃい人ばかりで……。でも、目に見えることだけで物事の勝負はつかないと教わったよ」
「まうみもきっと、もの静かに見えるけど、やっぱ強いんだろうなあ」

えへへ。
わたしはよく猫を被っているのと、パッと見、地味で目立たない外見のため、すご~く大人しいと思っている人がいっぱいいます。
なので、応援で三軒向こうまで聞こえるぐらいギャーギャー叫んでいた、だなんて言えません、もちろん。
でも、皆の言葉はとても嬉しくて、心からお礼を言いながら、
(そやで、日本のこれからの復興は、日本の女が主になってやっていくんやで!そやし男はしっかり支えたってや!)と叫んでいたのでした。

(↑上に掲載した写真は、わたしが撮ったものではありません。今日のお話に合うものをGoogleの画像から拝借させていただいたものです)