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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国反原発ミーティング事情

2011年07月29日 | 米国○○事情
余談

EVO Gaming Tournament 2011

ただ今、息子が参加しているゲーム大会。
うちの次男が東海岸代表で参加してるんやけど、その大会の様子がUstreamで放映されていて、それを4~5万人が視聴してて、ほんでそれを、長男と旦那も観てる我が家。

今日の夕方、こちらの原発廃炉を要求するグループのミーティングに、マンハッタンまで出かけたわたし。
もちろん旦那も別の用事で同行。
丁度長男が働いてる会社の近くを走ってたので電話して、「一緒にラーメン(長男はラーメン狂で美味い店を知ってる)でも食べへん?」と誘ったら、
「まだもうちょっと仕事終わらへんし、恭平のゲームも観なあかん」と言う。
「え?そやのん?今やってんのん?」
「すごいで、専門の解説者がふたりいて、何万人も観てるねんで。世界大会やもんな」

やっぱマジやったんや……。
ということで、ミーティングからさっき戻ってきて覗いてみると……、
金デブ……え?
ようわからんけど、日本人の男の子、ちょいと太り気味の子がやってる。
ゲームのことは全然わからんから、画面観ててもさっぱりさっぱりやけど、強いらしい……。
次のペアもウメハラやのマゴやの、日本人多っ!
次男は確かにアメリカでは強いらしいけど、日本人がどどっと押し寄せてきたら……あかんらしい……。

一向に画面に出てくる気配がないので電話してみたら、「え、今ご飯食べてんねん。ぼく、今日は試合無いで、明日やで」……なんや……。

それにしても、やっぱりようわからんわ、あんたの世界……応援はしてるけどな。


さて、真面目な話。
福島第一と全く同じ構造の原発、インディアン・ポイント原子力発電所。
もう40年もの間稼働していて、これまでに起きた事故は数えきれず……。
ハドソン河の汚染もやり放題。
今、定期点検中のんを、再稼働させるにあたり、あと20年よろしぃでっせ~という許可が下りそうな気配が濃厚らしい。

福島の事故後、原発保有国でありながら廃炉を決めたドイツやイタリアに続け!とばかりに、
今まで闘うても闘うてもまるで相手にされんかった反核のメンバーは盛り上がってる。

6月11日のマンハッタンアクションで、一緒に行進した縁で、今日のミーティングの知らせをもろたわたしは、アメリカの反核運動の様子を知るいいチャンスでもあるので行ってみた。

街に着いてしばらくしたら大雨と雷の嵐。
すっかりビショビショになった通りを歩く。


ここがミーティング場所。


「このメンバーで運動を始めた頃は、ボク達も若かったんだよ」と、熟年を迎えた司会者がしみじみと言う。


マンハッタンから40キロしか離れていない所に原発がある。それもすごく古くて故障だらけの。
40年と、わたし達はつい一言で片付けてしまうけど、40年ってよく考えてみたらとんでもない時間の長さ。
急に、祝島のおじいさんおばあさんの姿が思い浮かんだ。
あのおじいさんおばあさんだってきっと、30代そこそこの、まだ独身だったり、赤ちゃんを抱えた若い夫婦やったんやなあ……。
人の人生の大半を、悶々としながら闘う日々に変えてしまう原発という物の存在。それに集る人間の欲。
やっぱりいらん、絶対にいらん。

8月の11日に、また大きなデモがある。
名付けて『原発が爆発したので避難してますデモ』
なにやら、マンハッタンのあちこちの通りを、信号を無視して、大勢で渡るらしい。
車は当然止まる。怒ってクラクションを鳴らす。そうしたらこう言うらしい。
「インディアン・ポイント原発が爆発したら、こんなふうに人が街にあふれて、一気に動きがとれなくなりますよ」とニッコリ笑いながら。

ニューヨーク州の知事が、福島第一と同じ型の原発を再稼働させることに難渋を示しているのがせめてもの救い。
けれども、ニューヨーク市の市長とニューヨーク・タイムズは、反反核のキャンペーンに総力を上げているらしい。
『インディアン・ポイントを廃炉なんかにしたら、夏の一番暑い時に絶対に大停電が起こる。それでもいいんですか?』
うん?どっかで聞いたなあ~この台詞。

「菅総理が脱原発を宣言したことは励みになる!」
それを聞いた時、もう黙ってられへんようになって、声を上げてしもた。
「彼は確かにその言葉を口にはしたけど、政府はそれを、なんとかして、意味の無かったことにしようと必死です。
彼をまずは総理の席から引きずり下ろし、原発推進の路線に戻したい人が多過ぎます。
アメリカは、原発廃炉の話の前に、電気の使い方に対する感覚をせめて普通になるまで教育するべきです。
冷房ひとつとっても、寒いぐらいに冷やしている。贅沢が骨の随までしみ込んでいる国民性をまず、常識的なものにするべきです。
反原発を心の中で考えている人も増えてはきているけれど、まだまだ一部の人間でしかありません。
政府はわざと情報を隠匿し、作業を遅らせ、放射能汚染区域に人々を縛り付けています。
汚染度が低い所からわざわざバスに乗せて、汚染度の高い所にある幼稚園に子供達を通わせています。
食物も飲み物も、農作物や園芸用の土も、セメントも、汚染された物がごちゃまぜになって、全国に広がっています。
原発は国の宝だから、国はなにもしません。宝がどんなに愚かで恐ろしい物か、それをわかりたくないのです。
だから、必死で守ります。国民なんて二の次三の次です。
お年寄りも子供も、誰もかれもまんべんなく、徹底的に無視されています。
原発を持っている国は、どこも同じようなものだと、覚悟した方がいいと思います。
そんな覚悟などしたくない、というのなら、原発をすべて廃炉にするしかありません」

あ~もっと英語がうまくしゃべれたら……しゃあない、とりあえず言える範囲のことは伝えたんやから。

一瞬ワァ~ッと歓声が上がった部屋が、シーンと静まり返ってしもたけど、すぐに拍手とともに、「よっしゃ、がんばろ!」という声が上がった。ホッとした。

どこもしんどい。ほんで、すごく辛抱してる。
けど、あきらめたり止めたりしたらあかんことも知ってはる。
今度のミーティングは1ヶ月後。それまでに、反核、広島&長崎の追悼、反フレーキングのためのデモが目白押し。

世界は変わるのやろか。
世界を変えられるのやろか。