ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

まだちょっとふらついているのに、

2009年04月06日 | お家狂想曲
いきなりですが、もしかしたら家を買うことになるかもしれません?!

4月1日のエイプリルフールの日に、エージェントのデブラから送られてきた、いつもの家物件リストにあった1軒の家。
レンガ造りの3階建て、100年前に建てられたコロニアル調の家で、12部屋のうちの6部屋が寝室、1階と2階にキッチンがあります。
地下も家の大きさ分だけあるのだけれど、まさに100年前からの空気を漂わせている、陽が暮れてからは下りたくないな~の雰囲気満載!
とりあえず、値段も手頃だし、中を一度見せてもらおっか~と、とても軽~い気持ちで家見物をしたのが3日前の金曜日。
その次の日の夜は、デブラの家に遊びに行って、彼女の手料理をご馳走になり、すでに多分風邪気味だったわたしはその晩からダウン。
日曜はただただ休息に勤め、旦那も久しぶりに予定の無い休日をゆっくり過ごし、

そして今日、いきなり、デブラからこんな電話がかかってきました。
「急な話なんだけどね、あの家をどうしても買いたいっていう人が現れたので、あなた達がどうしたいか決めて欲しいんだけど」
「えぇ~?」
そりゃね、いいサイズだし、近所だって夜の散歩も大丈夫っぽいし、マンハッタン行きの電車の駅は歩いて5分もかからないし、
なによりも、その家の周りは庭、庭、庭、他所のお家の庭も含めて、三方全部、立ち木以外なんの障害物もありません。
うちはなにせ騒音作りにかけてはどこのお家にも負けないので、これはとってもありがたい環境です。
「どうする?」
「どうしよう」
それからふたりであ~でもないこ~でもないと話し合い、でもとりあえずこちらからの希望価格を決めようということになり、オファー金額の1割引いた金額で売ってもらえるんなら買おうということに決めました。
そしてふたりは各々の仕事に。わたしはまだ本調子ではなかったけれど、初めての出張レッスンを待っている女性のお宅に出かけて行きました。

レッスン直後に行く予定だったヨガのクラスは、まだそこまで回復していないので、大事をとってキャンセル。
そしてそのヨガのすぐ後にあるクラリネットの男性のレッスンは向こうからのキャンセルでお休み。そしてそのすぐ後にある予定の出張レッスンが、向こうの都合で1時間遅れに。
あらら
実は、わたし達がその家を買うチャンスをもらうための書類作りに行く時間が、旦那の仕事の合間とわたしのそれが合わないので困っていたのですが、
どういうわけか、丁度旦那の空き時間にわたしもすっぽり入り込むことができそうな気配むんむん。
とにかく、ふたりでもうちょっと落ち着いて話そうということで、旦那のオフィスのあるビルの1階にあるギリシャ料理店でランチをしました。

そして今日から丁度9ヶ月前に行ったその不動産会社の事務所にわたし達は出向き、10枚以上もの用紙×4枚にサインをし、金額をしっかり書き込み、この金額が低過ぎてダメだったら潔くあきらめようと腹を決め、再び各々の仕事に出かけました。

そして……3人の生徒を教えているところに携帯が鳴り……1回目は無視……またすぐかかってきたのでこりゃ緊急か?と番号を見ると、旦那でした。
「あの金額じゃ低過ぎて話にならんって」
「そう、じゃ、残念やったってことで」
「それが、そうじゃなくて、どっちかっていうと僕らに売りたいっぽくて、けど、その金額じゃもう一方を納得させられへんとかなんとか」
「なんじゃそれ?」
「僕もそう思うけど」
「あのさ、今話されへんから、また後で」

レッスンが終わり、家に戻って頭を整理していると、旦那も戻ってきました。
この状況をどう考えるのか。

とてもいい方に考えた場合。
デブラが売り手に、わたし達のことをかなり強くアピールしてくれたので、金額が異常に低いけれども、売り手はわたし達に売りたいと思った。
けれども、なんぼなんでもその金額ではなあ……と渋りに渋る売り手を見て、デブラがせめて売値で買うことはできないか?と聞いてきた。

とても悪い方に考えた場合。
それらの話はいろいろと作られていて、売値で買わそうとした。

でも……デブラはわたし達の友人です。いくらなんでもそんなことは無いと信じています。
こういう時の緊張は凄まじくて、普段なら絶対に出てこない猜疑心がムクムクと発生してしまいます。なかなかに情けない心境です。

結局、売値で出ていた金額と同じ数字で申し出ることにしました。それでもまあ、その家の周りの家々の評価価格よりう~んと低いのですが……。

さて、明日中に結果が出ます。家を買う権利を得た後は、3日の猶予をもらって、本当に買いたいかどうかを決めます。
買うと決めたら、10日の間に、インスペクターに家の隅から隅まで調べてもらい、問題の有無を書類にまとめてもらいます。
それをもとに、弁護士が、最終的な家の価格と、もし修理が必要ならその費用をどう折半するか、などについて相手側の弁護士と交渉に入ります。

前回は、ここの段階でもめにもめ、夏のバカンスなども重なって、手続きが延びに延びている間に、ドカ~ン!金融危機が勃発したのでした。

かなりの修行を積んだ旦那とわたし。
お家狂想曲、第二章の始まりです。って……まだ風邪がちょっと……なんでこんな日に……でも、人生、こんなもんっすかね