ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

The Swine Flu

2009年04月27日 | 世界とわたし
豚インフルエンザのこちらでの名称です。わたしは英語アホなので、ついつい白鳥を思い浮かべてしまい、旦那にそれを言うとかなり呆れられてしまいました。
ちょっと話は逸れますが、英語アホ話のひとつとして、
2001/9/11に起きた同時多発テロのすぐ後に、国土安全保障という名目の機構が設立されたのですが、
そのニュースの中で『ホームランド・セキュリティ』とアナウンサーの方々が口にするたび、わたしはいつも、(なんか景気のええセキュリティやなあ)と心の中でいつも思っていたのであります。
だって……なんべん聞いても『ホームラン・セキュリティ』にしか聞こえへんのやもん……。

いやはや、今や、そんなしょうもないことを言うている場合ではありません。日に日に事態は深刻になってきています。
天変地異のようなこの突然の猛威には、人はなんて無力なんでしょうか。命を落としてしまった方々や遺族の皆さんの無念はいかほどのものであるか……。

ニューヨーク地区にも感染が見られ、まさに他人事では無くなってきました。
世界保険機構が警戒レベルをフェーズ4に引き上げ、フェーズ6(世界大流行=パンデミック)への移行を未然に防ごうと躍起になっています。
去年の暮れから、世界を巻き込む出来事が起こっています。お金の問題はアメリカが震源地でした。今回はメキシコです。

日記のつもりでわたしは毎日このブログ記事を書いています。
辛い写真ですが、充分年をとって、ゆったりと日々を暮らせるようになった自分が読み返す日記に、この出来事は残しておかなければなりません。

マスク姿だらけのメキシコ。町は封鎖され、学校も今のところ5月6日まで休校になっています。

 

でも、このままだと、どこの町でも同じような事態になりかねません。
各国はごぞって、それぞれのやり方で蔓延を防ごうといろいろ努力しているようです。
こんなことで、こんなに早く死んでしまうなんて思ってもいなかった人の数は、昨日から今日、今日から明日にと時が進むにつれ、じわじわと増えています。
一時も早い事態の収拾を心から祈ります。

丸9年、あなたにただいまを言いました

2009年04月27日 | お家狂想曲
高校の伴奏から家に戻ると、家の周辺の通りがえらいにぎわい!大型小型のトラックが道の両側に停まっていて、ドライブウェイの入り口では大家さんのジムが、業者の人となにやら話し込んでいます。
「あのねえ、急なことなんだけど、あの木を切り倒すことにしたんだ。なので、車を後ろに入れないで、道ばたに停めておいて」
ジムはなんだかちょっと寂しそうにそう言いました。

この木なんの木気になる木♪わたし達がこの家に引っ越して来た時には既に、こんなふうに全体にツタが絡まっていました。



もう完全に死んでいると聞いてから随分経っていて、今年に入ってすぐに上の枝がポキンと折れて、ケーブルに直撃したこともありました。
作業の準備が始まりました。すごく大きなクレーン車がドライブウェイに突っ込んできました。



ジムとわたしは、この木の最後を写真に残そうと外に出ました。遙か上空に、とてもきれいなひこうき雲が見えました。



クレーン車が傾かないように、足場を固めます。



クレーンの先を木の方に移動します。ものすごく高いです!いったい何メートルあるんだろ?



写真からは分かりませんが、この男性、とんでもない高さの所で木を切っています。この後、隣りの木にヒョイと飛び移るという仰天技を見せてくれました。
右側の写真の真ん中の下、木の左側に緑色のTシャツが見えますか?彼です。



切り取った部分をクレーンで吊り下げながら移動し、道路で待機している粉砕機にかけます。これが一番胸にきます。



真ん中辺りまで降りてきて、次の伐採にかかります。切られた木の胴体部分が空に吸い込まれていきます。



作業が終わりました。こんなにもうカラカラの命だった木。よく今日までちゃんと立っていてくれたことだと、ジムとふたりで何度も何度も撫でました。
穴の中には無数の細い根っこが、なんとか生きようともがいていました。穴の周りは、少し力を加えると簡単に剥がれてしまいます。



太い幹の部分を積み込む業者の車。これで本当にさよならです。バイバイ、また写真の中で逢おうね。




カメラを持って外に出たついでに、すぐ近所の、満開になった花水木と桜を撮りました。みずみずしい命が眩しいです。
今日この世から姿を消した木の供養になりますように。