ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

イースターディナーと洪水

2009年04月12日 | 家族とわたし
今日は旦那とわたしだけで、フィラデルフィアまで行ってきました。
旦那のいとこが住む家に皆が集まって、ポットラックイースターディナーをいただきました。
皆というのは、旦那の両親、旦那姉一家(夫婦と4才娘)、旦那叔母家族(両親と息子&ガールフレンド、娘&ボーイフレンド)という構成です。
旦那のおばあちゃんは筋金入りの敬虔なクリスチャンで、ふたりの娘達はそれぞれその意思を受け継ぎ、クリスチャンのイタリア人と結婚しましたが、
息子(旦那の父)だけはちょいと外れて、もちろんクリスチャンではあるけれど教会には行かないと決め、旦那も教会とは全く縁がありません。
食事がテーブルに揃い、2年前まで、98才のおばあちゃんが先導していたお祈りを娘のジョアンが引き継ぎ、十字を切ってさあいただこうという時に、我が親族ではお馴染みの「いただきまぁ~す!」が大声で合唱されます。

さあて、食べるぞぉ~と手作りハムにナイフを入れたところに、わたしの携帯がやかましく鳴り始めました。
無視しようとしたのだけど、こんな休日にかけてくるのはTかKぐらいだし、それもなにか困った時が多いので、心配になって旦那に出てもらいました。
スピーカーフォンにして、皆とひとしきり「ハッピーイースター!」と言い合った後「ほんでなに?」と旦那が尋ねると、

「あのさ、さっき起きてキッチンに行ったら洪水になってた」
「はぁ~~~!?」

Kの話では埒があかないので、二階の大家さんに電話をかけてみると、洪水ではないけれど、かなりの量の濁水が天井から流れ落ちたそうな。
「まあ、こっちでちゃんとしとくから、食事楽しんできてよ」とジム。

この台所天井からの水漏れは、ここに住んでいる9年の間に少なくともこれで5回目です。
大したことのないものから、掃除に半日かかったものまでいろいろですが、今回のは大したことのないバージョンとは違うようないや~な予感が胸いっぱいに広がりそうなのを抑え、とにかく楽しく食事をいただこうと思いました。

オーガスタのマスターズ・トーナメントの最終戦を観戦しながら、皆のそれぞれの近況やら面白いエピソードやらに花が咲き、
4才の姪っ子の「マウミィ~、ウミィ~」(←彼女はわたしを原則的にウミと呼びます)の可愛いコールにホイホイついて行き、
気がついたらもう夕方?!ねえねえ、ちょっと早めに戻って掃除せんとあかんやんと旦那の脇腹をこっそり突きました。

ところがところが、帰りの道はどこも渋滞。3時間半(ほとんど倍)もかかってしまい、家に着いた頃にはもうくたくた。
キッチンは、まあ大体は予想していた程度だったけれど、テーブルの下のごっついラグは半分ドロドロ、カウンター周りのあらゆる物と所に水跳ねの痕。
なんでこんなもんまで……と思う物にまで点々と痕がついていました。
がっくり肩を落としながら掃除をし始めたわたしに、「今夜はちょっとだけにするんやろ」と旦那が一言。
いつもこういう状況に陥ると、いつもこの台詞を言う旦那。なぜか?
疲れているのに、こんな時に掃除なんかしたくない。けど、意地になってし始める者がいて、そうすると大人的に手伝った方がいいような状況なのだけど、
でもやっぱり自分はしたくないので、やってる者に一言、そんなにしたかったらしたらいいけど、ちょっとだけにしといたら?と声かけしておく。
まあ、いわゆる自己弁護と擁護っつう感じでしょうか?

このパターンで、今までどぉ~んだけの重労働や力仕事をわたし独りでやって、フツフツと沸きたつ怒りを押さえきれずに大喧嘩してきたことか……。
でもね、もうわたしも50過ぎました。だいぶ丸くもなりました。悟りも開きました。諦めもしました。
これはわたしがしたいと思ってやることだからと、自分で自分を嗜めることもできるまでに成長もしました(ほんまかいな?)。

天井から濁水が落ちてきたのは誰のせいでもありません。まあ、前に水漏れした時に、もっときちんと直しといてよ大家さん!と言えないこともないけれど、
大家さんだって、築200年の家のオーナーとして、毎月のようにあちこち修理しなければならないのだから、仕方が無いっちゃあ仕方が無い。
薄茶色のテンテンがいろんな所や物にダァ~ッとついてても平気な旦那と、それがどうにもイヤで、スポンジと布巾持って鬼のように磨くわたし。

水の汚れってほんとにすごいです。どんな細かい所にまでちゃんとついてます。包丁立てのちっちゃな隙間にも、食器置きの網にも。
炊飯器も浄水器も包丁もお箸も、たまたま出してあったお鍋や薬缶も、ガスコンロやオーブンや引き出しの表面も、そしてシンクの前の窓ガラスも?!

やっとついさっき終わったのでありました……とぉ~っても疲れました。

旦那の寝室からは、健やかでデカいイビキが聞こえてきます。
んにゃろぉ~!あ、そうだった、怒らない怒らない。ひとやすみひとやすみ