「Sisi & Ich」
オーストリア皇帝の皇后エリーザベトの侍女に選ばれた伯爵家の娘イルマは、家族と離れ公務を放棄しギリシャのコルフ島で隠棲生活を送っているエリーザベトのもとへ。自由奔放で気まぐれな皇后に翻弄されるイルマだったが…
シシーの愛称で知られる皇后エリーザベトは、フランスのマリー・アントワネットと並ぶ有名な人気王室ヒロインなのでは。シシーが登場する映画やドラマ、舞台はあまたありますが、やはりシシーといえばロミー・シュナイダーですよね~。「プリンセス・シシー」三部作と、ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ」でのロミーasシシーの美しさ、高貴さは他の女優の追随を許さぬものです。シシーといえばロミーと完全にインプットされてるので、この映画のシシーにはちょっと面食らってしまいました。
この映画のシシーも美人なんですけど、気品とか高貴とかいった感じは全然なくて、かなりワイルド。見た目もキャラも柔らかなフェミニンさがなくて、かなり豪快というか粗野というか。皇后というより酒場の女主人みたい。こんなのシシーじゃない~!イメージ壊さないで~!と、ロミーのシシーに魅せられた人なら違和感や憤懣も覚えるかもしれません。実際のエリーザベトの肖像画や人柄、生涯をググってみると、ひょとしたらロミーのシシーよりもこっちのシシーのほうが史実に近いのかな?と思いました。宮廷から逃げて自由で贅沢な外国暮らし、体型を異常に気にしての厳しいダイエットと食生活、過食と嘔吐の繰り返し、衝動的で不安定な情緒…シシーのメンヘラぶりが、かなり克明に描かれていました。
宮廷でどんな苦労や悲しみがあったかは説明されていないので、何もかもうっちゃって外国で遊び暮らしてるシシーは、こんな皇后はイヤだ!と庶民からしたら思わずにはいられません。国民が納めた税金があんなふうに浪費されてるとか、私がオーストリア人なら許せんわ~。我が国の皇室とカブって、あらためて某宮家に対する不信感と不快感が募りました。悲劇的な最期を迎えるシシーですが、マリー・アントワネットと同様に国民を蔑ろにしたバチが当たったかのような末路でした。ラスト近くのシシーは完全に精神コワレ人になっていて、まるで自殺のような死に方が新解釈でした。
男装の美しい娘たちを小姓にして愛しんでたり、イルマとの親密すぎる関係など、直接的な性愛シーンなどはないけど、かなり同性愛色の濃ゆい内容でした。大好物のBLと違い、女性同士の恋愛はちょっと苦手なので、見ていて心地悪くなることもありました。まるで女子高生同士のように仲良くなっていくシシーとイルマ、それがコミカルに描かれているのですが。いい年をした熟女たちが、と冷めた目で見てしまい笑えませんでした。
イルマ役は、「落下の解剖学」で今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされてるザンドラ・ヒュラー。ザンドラさん、やっぱユニークな女優ですね。「ありがとう、トニ・エルドマン」での衝撃的なまでの名演(珍演?)で強烈なインパクトを残した彼女、今回もなかなか独特な味わいでした。大真面目に珍妙な、グロテスクになるギリギリ手前の演技が絶妙。いい女優!
ギリシャのコルフ島やアルジェリア、イギリスなど、シシーとイルマが滞在する国々の風景や屋敷、衣装などがそれぞれ美しく、イビツなメンヘラ熟女のお話の薄気味悪さを薄めてくれました。使われてる音楽が現代のポップミュージックだったのが、ちょっと斬新でした。
オーストリア皇帝の皇后エリーザベトの侍女に選ばれた伯爵家の娘イルマは、家族と離れ公務を放棄しギリシャのコルフ島で隠棲生活を送っているエリーザベトのもとへ。自由奔放で気まぐれな皇后に翻弄されるイルマだったが…
シシーの愛称で知られる皇后エリーザベトは、フランスのマリー・アントワネットと並ぶ有名な人気王室ヒロインなのでは。シシーが登場する映画やドラマ、舞台はあまたありますが、やはりシシーといえばロミー・シュナイダーですよね~。「プリンセス・シシー」三部作と、ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ」でのロミーasシシーの美しさ、高貴さは他の女優の追随を許さぬものです。シシーといえばロミーと完全にインプットされてるので、この映画のシシーにはちょっと面食らってしまいました。
この映画のシシーも美人なんですけど、気品とか高貴とかいった感じは全然なくて、かなりワイルド。見た目もキャラも柔らかなフェミニンさがなくて、かなり豪快というか粗野というか。皇后というより酒場の女主人みたい。こんなのシシーじゃない~!イメージ壊さないで~!と、ロミーのシシーに魅せられた人なら違和感や憤懣も覚えるかもしれません。実際のエリーザベトの肖像画や人柄、生涯をググってみると、ひょとしたらロミーのシシーよりもこっちのシシーのほうが史実に近いのかな?と思いました。宮廷から逃げて自由で贅沢な外国暮らし、体型を異常に気にしての厳しいダイエットと食生活、過食と嘔吐の繰り返し、衝動的で不安定な情緒…シシーのメンヘラぶりが、かなり克明に描かれていました。
宮廷でどんな苦労や悲しみがあったかは説明されていないので、何もかもうっちゃって外国で遊び暮らしてるシシーは、こんな皇后はイヤだ!と庶民からしたら思わずにはいられません。国民が納めた税金があんなふうに浪費されてるとか、私がオーストリア人なら許せんわ~。我が国の皇室とカブって、あらためて某宮家に対する不信感と不快感が募りました。悲劇的な最期を迎えるシシーですが、マリー・アントワネットと同様に国民を蔑ろにしたバチが当たったかのような末路でした。ラスト近くのシシーは完全に精神コワレ人になっていて、まるで自殺のような死に方が新解釈でした。
男装の美しい娘たちを小姓にして愛しんでたり、イルマとの親密すぎる関係など、直接的な性愛シーンなどはないけど、かなり同性愛色の濃ゆい内容でした。大好物のBLと違い、女性同士の恋愛はちょっと苦手なので、見ていて心地悪くなることもありました。まるで女子高生同士のように仲良くなっていくシシーとイルマ、それがコミカルに描かれているのですが。いい年をした熟女たちが、と冷めた目で見てしまい笑えませんでした。
イルマ役は、「落下の解剖学」で今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされてるザンドラ・ヒュラー。ザンドラさん、やっぱユニークな女優ですね。「ありがとう、トニ・エルドマン」での衝撃的なまでの名演(珍演?)で強烈なインパクトを残した彼女、今回もなかなか独特な味わいでした。大真面目に珍妙な、グロテスクになるギリギリ手前の演技が絶妙。いい女優!
ギリシャのコルフ島やアルジェリア、イギリスなど、シシーとイルマが滞在する国々の風景や屋敷、衣装などがそれぞれ美しく、イビツなメンヘラ熟女のお話の薄気味悪さを薄めてくれました。使われてる音楽が現代のポップミュージックだったのが、ちょっと斬新でした。
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