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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ギャングの果て

2022-09-29 | 北米映画 15~21
 「カポネ」
 40年代半ばのフロリダ。長い服役を終えて家族と隠棲生活を送るアル・カポネは、進行する認知症により現在と過去、現実と妄想の区別がつかなくなり…
 世界一有名なギャング、アル・カポネがまさかあんな晩年を送っていたなんて。裏社会を牛耳り悪逆の限りを尽くし、魔王のように人々を恐れさせ支配した男が、認知症!になって介護生活、せん妄や徘徊、便失禁!まるで悪行の罰のような悲惨な末路でした。でも、見るも哀れなボケ老人って感じでは全然ない。驚いたことに、この映画のカポネってまだ40代後半!なので悪い意味ですごい元気なんですよ。いっそ寝たきりになってもらったほうが、家族にとっては楽だったはず。

 現実と過去の自分、妄想が混濁,交錯して主人公も観客も惑わす構成は、アンソニー・ホプキンスがオスカーを受賞した「ファーザー」を彷彿とさせます。ファーザーほど脚本にも演出にも凝った複雑さや緻密さはなく、どれが現実か過去か妄想かははっきりしてました。お話よりも、カポネ役のトム・ハーディの怪演が圧巻かつ笑えて楽しかったです。トムハ、いくら何でもやりすぎ!風貌といい演技といい、ほとんどアメコミ映画のヴィランモンスターです。そのままご自身の「ヴェノム」シリーズに出ても違和感ないほどに。

 笑わせようとしてるとしか思えない、トムハの過激で豪快なボケ演技。血走った目、ダミ声のイタリア語でわけのわからないことを喚いて暴れたり、タバコだと騙されてニンジンくわえてたり、都合が悪いことを聞かれると沈黙してウンコもらしたり、大金をどこかに隠してることは覚えてるけど隠し場所は忘れてたり、周囲を困らせ翻弄する因業な痴呆っぷりは、ほとんどコメディ。ラスト、おむつはいたままでマシンガンぶっぱなすシーンは狂笑!

 トンデモなイロモノ役、完全にイケメン隠しをしてるトムハですが、バケモノ顔でもやっぱ男前なトムハがチラホラと見え隠れ。もったいないので、たまには素のイケメンを活かした役も演じてほしいものです。
 FBI捜査官役は、お気にの英国俳優ジャック・ロウデン。彼とトムハの共演も、二人のファンである私には驚喜でした。

 ロウデンくん、やっぱカッコカワいいですね~。優しそうで賢そう。小顔で背がスラ~っと高くて、スーツが似合う。でも、別に彼じゃなくてもいいような役で、出番も少なかったのが残念。共にイギリス人のトムハとロウデンくんが、あえてアメリカ人役というのも不思議なキャスティング。ロウデンくんなんかやっぱすごく英国っぽいので、アメリカ人役には向かないと思った。
 晩年のカポネの住んでたフロリダの邸宅が、すごい豪奢でビツクリ。宮殿のような家、石像が立ち並ぶ広い庭、湖みたいな池にはワニまでいたり。維持費や生活費、どうしてたんだろ。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (セレンディピティ)
2022-10-02 15:54:29
たけ子さん、こんにちは。
マフィアものが好きで一時期よく見ていたのですが
この作品のことは知りませんでした。2020年の作品なのですね。
アル・カポネといえば、ロバート・デ・ニーロがカポネを演じたアンタッチャブルを思い出しますが、
本作はトム・ハーディがカポネの晩年を演じているとは!
しかもカポネ、すいぶんと壮絶な晩年だったのですね。
トム・ハーディのこんな姿、ちょっと見たくないかも...。
ロウデンくんはかっこいいですね☆
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ケヴィン・コスナー大好きでした (松たけ子)
2022-10-02 20:59:45
セレンディピティさん、こんばんは!
私もマフィアもの、やくざものが大好きです!アンタッチャブル!懐かしい!デニーロのカポネ、強烈でしたよね~。いぶし銀のショーン・コネリー、若くて爽やかなケヴィン・コスナーも最高でした。また観たくなってきました!
トム・ハーディのカポネ、ちょっとやりすぎ感が無きにしも非ずです。ほとんどギャグ。コントみたいでした。ジャック・ロウデンみたいなブリティッシュ彼氏がほしいです!
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