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今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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配信で見た映画3本と劇場で見た映画1本の感想をまとめてアップします。
午後10時の殺意 私は殺される! (Death Sentence, 1974)
1974年のサスペンス映画。「刑事コロンボ」と同じく、最初に犯人が明かされる倒叙形式で展開されますが、本作がテレビ向けに作られた作品と知って納得しました。この手法だと放送時間が短縮できますものね。
瞳さんにご紹介いただいて観ましたが、「陪審員2番」と似たテイストですごくおもしろかったです。物語は、ある殺人事件の陪審員に選ばれたスーザンが、裁判を傍聴していくうちに、自分の夫が犯人だと気づいてしまうという衝撃的な展開です。
不倫の末の殺人事件という背景に加え、夫の正体に気づいたスーザンの苦悩も深く描かれていて胸が痛みました。しかしそれ以上に、妻を愛していながら裏切られ、さらには殺人の容疑までかけられてしまった被害者の夫が気の毒でならなかったです。
砂上の法廷 (The Whole Truth, 2016)
キアヌ・リーブス主演の法廷サスペンス。「午後10時の殺意」を観た後、Amazonプライムのオススメに出てきて、何気なく見たのですが、これが思いがけない掘り出し物でした。
父親を殺した容疑で逮捕された高校生マイクの弁護を引き受けた弁護士リチャードが、事件の真相に迫ります。殺された父親ブーンやその妻ロレッタとも旧知の仲であるリチャードが、マイクを無罪に導こうと奮闘するなかで、思いがけない事実が明らかになります。
勘のいい人はすぐ真相に気がつくかもしれませんが、私はただ映画の展開に身を任せて見ていたので、最後までわからず、心地よくだまされました。マイク役は「ヒルビリー・エレジー」でヴァンスを演じたガブリエル・バッソ。本作での演技も印象的でした。
アマチュア (The Amateur, 2025)
ラミ・マリック主演の最新スパイ・サスペンス。ロンドンで起きた無差別テロで妻を亡くしたCIAの分析官チャーリーが、ド素人ながらもテロリストへの復讐に挑むというストーリーです。
予告を見て「これは絶対に私が好きな作品!」と確信して、久しぶりに映画館に足を運んだのですが、正直、期待ほどではなく、少し退屈してしまいました。
全体的にストーリーも映像も単調で、エンターテイメントとして物足りなさを感じました。もう少しビジュアルに華があれば、引き込まれたかもしれないと思うと残念です。
グリース (Grease, 1979)
オリビア・ニュートン・ジョンとジョン・トラボルタが主演した、1979年の青春ミュージカル。Amazonプライムのオススメに出てきて、軽い気持ちで観たのですが、すごく楽しかったです。
清楚なお嬢様サンディと、不良グループのリーダー、ダニーの凸凹カップルの恋模様が描かれます。ダニーの運動音痴ぶりに大笑い。一方サンディは、ダニーと仲直りしようとして、不良ファッションで卒業パーティに登場します。
John Travolta And Olivia Newton John - You're The One That I Want
お互いのために変わろうとする姿が愛おしくて、二人が歌う「You're The One That I Want」に不覚にも涙してしまいました。恋愛は、お互いに歩み寄ってこそ成り立つものだという当たり前のことにあらためて気づかされました。
3月に息子が帰省した際に、代官山のTex-Mexレストラン「ZEST CANTINA DAIKANYAMA(ゼスト キャンティーナ 代官山)」へお昼を食べに行きました。
Tex-Mex(テックス・メックス)とは、アメリカ・テキサス州で発展した、アメリカナイズされたメキシコ料理です。アメリカでは隣国メキシコの料理はとてもポピュラーで、たくさんのメキシコ料理店がありますが、その多くがTex-Mexスタイルといってよいかもしれません。
私もメキシコ料理が大好きで、代官山にはお気に入りの「Hacienda del Cielo(アシエンダ・デル・シエロ)」というメキシコ料理店がありますが、今回訪れたZESTは、よりアメリカ色が強い印象でした。店内の飾りつけにもオーナーのアメリカ愛が感じられました。
お料理は、メキシコの伝統料理にテキサスらしいグリル料理が組み合わさったような感じで、とてもおいしく、楽しくいただきました。
まずはドリンクで乾杯。私はお店オリジナルの「ハマイカテキーラ(Jamaica Tequila)」をいただきました。ハイビスカスとテキーラを使った華やかなカクテルです。隣はハイネケン、そしてレモンチェロを使ったサワーです。
自家製トルティーヤを使った「チーズ・チキン・ティンガ(Cheese Chicken Tinga)」。
お店のスタッフが「チキン・ファヒータ(Chicken Fajita)」を運んできたと思ったら、目の前でアルコールに火をつけるパフォーマンスがあり、大迫力でした。「カメラのご用意は大丈夫ですか?」と声をかけてくれたのも、SNS時代ならではですね。
チキンの皮がパリッとしておいしそう!
こんなふうにトルティーヤに具材をのせて、自由に巻いていただきます。
ハラペーニョ・チキン(Jalapeno Chicken)」のケサディーヤ(Quesadillas)。ケサディーヤは、トルティーヤを使ったホットサンドのような料理で、私の大好きな一品です。
ボリュームたっぷりのチーズバーガー。アメリカのダイナーでは、このように必ずテーブルの上にハインツのケチャップとマスタードがあったことを思い出し、懐かしい気持ちになりました。
配信で見た映画6本の感想をまとめてアップします。
僕らの世界が交わるまで(When You Finish Saving the World, 2022)
ジェシー・アイゼンバーグの監督デビュー作です。以前観た彼の監督作「リアル・ペイン 心の旅」がとても良かったので本作を鑑賞しましたが、こちらも期待通りにおもしろかったです。ジェシーの監督としての才能を再認識しました。
中二病的な息子ジギーの痛々しさはあるあるですが、それ以上に母親エヴリンの「意識高い系」な大人ならではの痛々しさが心に刺さりました。エヴリンの「善意」が、無意識に人を傷つけ、周囲とのすれ違いを生んでいく様子がシニカルでした。
人のためと思って自分の価値観を押し付けることは、年長者にありがちなので、私自身も気をつけなくてはと肝に銘じました。等身大の母親を演じるジュリアン・ムーアのリアルな演技も見事でした。
ありふれた教室(Das Lehrerzimmer / The Teachers' Lounge, 2023)
ドイツの中学校を舞台に、盗難事件をきっかけに校内の秩序が崩れていく様子を描いた心理劇です。「セプテンバー5」に出演していたレオニー・ベネシュがすばらしくて、彼女目当てで観ましたが、本作の彼女もとてもよかったです。
新任教師カーラの熱意と真面目さが、逆に彼女を追い詰めていく展開は胸が痛みました。人種的偏見やプライバシー、モラルなど、さまざまなテーマが交差し、勉強を教えるだけではない、学校という教育現場での対応の難しさについても考えさせられました。
ドリーム・ホース(Dream Horse, 2020)
実話をもとにしたハートウォーミングな作品。ウェールズの小さな町に暮らすジャン(トニ・コレット)が、地域住民と協力して競走馬を育て、ダービーでの勝利を目指す物語です。
同じく競走馬を題材にしたハリウッド映画の「シービスケット」とはまた違う、素朴で温かい雰囲気が魅力でした。登場人物たちの熱意や議論好きなキャラクターに、同じくウェールズが舞台の「パレードにようこそ(Pride)」を思い出しました。
かつて訪れたウェールズの雄大な自然の美しさも心に残りました。
マイ・オールド・アス 2人のワタシ(My Old Ass, 2024)
タイトルからコメディを想像していたら、思いがけず深くてさわやかな青春映画でした。幻覚キノコをきっかけに未来の自分が現れ、人生のアドバイスをしてくれるという、ちょっと風変わりな物語です。
カナダの田舎町の風景がとても美しく、森の中の湖や、クランベリーの収穫風景など、ニューイングランド地方にも似た印象を受けました。
私だったら若い頃の自分にどんなアドバイスをするだろうかと考えながら観ていましたが、結局アドバイスすることは何もないという結論に落ち着きました。なぜなら、失敗も成功も、すべてその後の自分にプラスになっていると信じているから。
強いていえば「歯を大切に」かな?と思ったら、映画のラストで未来の自分も同じことを言っていたのでおかしくなりました。
ナイトスイム(Night Swim, 2024)
ホラーが苦手な私ですが、本作は“ほどよい怖さ”がよかったです。亡霊の女の子がアジア系だったこともあり、日本のホラーを思わせる雰囲気もありました。「仄暗い水の底から」のハリウッドリメイク「ダーク・ウォーター」を思い出しました。
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(The Killing of a Sacred Deer, 2024)
ヨルゴス・ランティモス監督作品は、唯一「女王陛下のお気に入り」を見ているものの、少々苦手でこれまで避けていましたが、本作は気になっていたので思い切って鑑賞しました。でも結果的にはやはり相性が合わなかったです。
前半のサイコスリラー的な展開には惹き込まれたものの、後半の展開は理解に苦しむことばかり。正直つらさが勝ってしまいました。
昨日は銀座方面に出かけ、「Roof Park Fes & Walk」というイベントに参加してきました。
このイベントは、首都高速道路・日本橋区間の地下化と、新たな都心環状ルート「新京橋連結路(地下)」の整備に伴い、2025年4月5日にクローズした首都高速KK線を、一日限り歩くことができるというものです。
(ブルーのところを歩きました。)
首都高速KK線は、新橋・日比谷・銀座の区間を通る高速道路で、西銀座デパートの上を通っているため、東急プラザ銀座やマロニエゲートの上階からご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。私も以前記事にしたことがあります。
東急プラザ銀座 (2016-05-23)
イベントでは、新橋の蓬莱橋交差点付近が入口、銀座1丁目の新京橋交差点付近が出口となっていました。これまで車でしか通れなかった道路を徒歩で歩くのは不思議な感覚でしたが、とても貴重な体験でした。
イベントのスタート地点は、KK線の新橋出口です。
土橋交差点付近。右手に見えるユニークな建物は静岡新聞東京支社、正面に見える茶色のビルは新橋第一ホテルです。
ここからはJRの線路沿いを歩きます。ちょうど東海道新幹線がやってきたところをパチリ。この辺りは終点の東京駅が近いため、新幹線がスピードを落としていて写真も撮りやすかったです。
左に見える茶色い建物は帝国ホテル、その右奥に見えるのは東京ミッドタウン日比谷です。
奥に見えるのは東急プラザ銀座、手前に見える蔦の絡まるクラシックな建物は、泰明小学校の校舎です。
途中、高速道路上ではクラシックカーの展示も行われていました。写真は名車として名高い「スバル360」(1969年式)。てんとう虫を思わせるフォルムが愛らしかったです。実物を見るのは初めてだったかもしれません。
こちらは「いすゞ ベレット1600GT」(1966年式)。いすゞは現在トラック専門となりましたが、かつてはジェミニをはじめ、数々の名車を生み出していました。
そして「日産 スカイライン 2000GT」(1974年式)。通称ケンメリ。「ケンとメリーのスカイライン」のCMが大ヒットし、社会現象にもなった一台です。
こちらは1984年開業の有楽町マリオン。今も現役で活躍している、昭和の代表的な商業施設です。
晴海通り。左に不二家、右に建築家レンゾ・ピアノが設計したエルメス、そして新しくなったソニービル。銀座らしいおなじみの風景です。
銀座1丁目から見る外堀通り。右手には、私たちが歩いてきたイベント会場が見えます。
視線を右に移すと、東京交通会館が見えます。上の回転レストランがトレードマークですね。
この日歩いたエリアは、将来的に歩行者中心の公共空間として生まれ変わる予定で、現在再生プロジェクトが進行中とのこと。どのような姿になるのか、今から楽しみです。
最近、週末ランチで訪れた3軒のお店です。
SAVOY とまととちーず店 @麻布十番
麻布十番で人気のピッツェリア「SAVOY(サボイ)」に行く予定でしたが、数組待ちだったため、系列店の「SAVOY とまととちーず店」を訪れました。小さなビルの中2階にあり、カウンターのみのこぢんまりとしたお店です。
メニューは、店名通りトマトとチーズを使ったシンプルなピッツァが中心。その潔さが好印象でした。
ピッツァは1枚にするか2枚にするか迷いましたが、持ち帰りもできるとのことで2枚注文しました。1枚はそれほど大きくなく、結果的に2枚ともぺろりとおいしくいただきました。
最初に頼んだ「きのこのアンチョビ・ガーリックソテー」。きのこの風味が生きていて、シンプルながら絶品でした。
マルゲリータ(モッツァレラチーズ・トマトソース・バジル)。縁がもちもちで、王道のおいしさでした。
たまねぎ・にんにく・オレガノのピッツァ。たまねぎのピッツァとはめずらしいですが、たまねぎの甘みがなんともいえない味わい。大好きなお味です。
↑ そういえば以前自分でも似たようなのを作ったことがあります。
お店の入り口に積まれた薪が印象的でした。薪窯で焼くピッツァは火加減が難しそうですが、焼き目も香ばしく、とてもおいしくいただきました。
以前から車で通るたび気になっていたベーカリー&カフェ。平屋建てのモダンな洋館風の建物で、入口には世田谷区の保存樹木でもある大木がそびえ立っています。
ランチはパスタなどの軽食が中心で、どのメニューにも3種類のパンが付くのがうれしい。パンがとてもおいしかったので、帰りにバゲットなどをお土産に購入しました。
この日は、普段はクリーム系のパスタはあまり選ばないのですが、メニューの写真がとてもおいしそうだったのでめずらしくカルボナーラ を注文しました。生ハムときのこが入り、上にのった卵黄をからめながらいただきます。
定番ながらハンバーグもおいしかったです。
あいにくの雨でしたが、濡れた裏庭の緑が瑞々しく、とても美しかったです。
CANTINA SICILIANA Tutto Il Mare @東銀座
歌舞伎座のすぐ裏にあるシチリア料理のレストラン。店内の雰囲気に見覚えがあると思ったら、以前訪れた銀座の姉妹店と同じ系列でした。
この日は、前菜・パスタ・フォカッチャ・デザートのセットを注文。写真を撮り損ねてしまいましたが、前菜はハム、ニシンのマリネ、サラダの盛り合わせでした。
茄子とリコッタチーズのトマトソーススパゲッティ。こちらは大盛です。伝統的なシチリア料理だそうですが、大好きな組み合わせでもあり、おいしくいただきました。
ベーコンとそら豆のシチリアンレモンクリーム フェットチーネ。最近お気に入りのクリーム系のパスタです。旬のそら豆とレモンの組合せで、クリーム系でありながらさっぱりといただけました。
デザートは、ぽってりとした素朴な器に入った パンナコッタでした。
ジュード・ロウとニコラス・ホルト共演による、実話に基づいたクライム・スリラーです。Amazon Prime独占配信。
オーダー (The Order) 2024
ジュード・ロウは過去に部下を危険にさらし、命を落とさせた苦い経験を持つFBI捜査官ハスクを、ニコラス・ホルトは白人至上主義カルト集団「The Order(ジ・オーダー)」のカリスマ的リーダー、マシューズを演じています。
物語の舞台は、一見のどかで平和なアメリカ北西部の田舎町。ハスクは心の傷を癒すためこの地に赴任しますが、そこには白人至上主義団体「Aryan Nations(エイリアン・ネイションズ)」が根を張っており、さらに町では連続強盗事件も発生していました。
ハスクが、現地の警察官ボウエン(タイ・シェリダン)と捜査を進めていく中で、強盗事件の背後に、Aryan Nationsから分離した過激派集団「The Order」の存在があることが明らかになります。
そして、The Orderのリーダーであるマシューズが、資金獲得と武装強化のために犯罪を重ね、ついにはユダヤ人のラジオ司会者アラン・バーグを暗殺するという凶行を起こします。
ニコラス・ホルトは、先日見た「陪審員2番」(Juror #2)に続いて、テロ組織のリーダーという難役に挑戦していました。繊細で静かな外見とは裏腹に、内に秘めた狂気とカリスマ性が伝わってくる演技は圧巻でした。
Aryan Nationsの集会で、突如として人々をひとつにまとめてしまうシーンには、鳥肌が立ちました。
一方、FBI捜査官としての責任感と自責の念に葛藤するハスクを演じるジュード・ロウもまた、感情の機微をていねいに表現していて、心を引き付けられました。
正義感から任務にのめり込むあまり、またしても部下を危険に巻き込んでしまうというドラマチックな展開に、胸を衝かれました。
これまで白人至上主義組織を扱った映画といえば、南部を舞台にした「プレイス・イン・ザ・ハート」や「ブラック・クランズマン」などが思い出されますが、本作は北西部が舞台ということに意表を突かれました。
比較的自由な思想の地域だと思っていたこの地にも、極右思想が根付いているという実態を知り、恐怖を感じました。
トランプ政権下の今のアメリカにも通じるテーマが描かれていて、見応えがありました。あまり知られていないのが惜しいですが、是非とも多くの方に見ていただきたい作品です。
1960年代から長きにわたり活躍された映画俳優、リチャード・チェンバレンが、2025年3月29日に90歳の生涯を閉じました。
この訃報をSNSで知り、とても懐かしい気持ちになりました。というのも、私が初めて友達と子ども同士だけで見に行った映画が、チェンバレン主演の「シンデレラ」(The Slipper and the Rose: The Story of Cinderella)だったからです。
懐かしさに駆られてYouTubeで探してみたところ、なんとフルバージョンがアップされていました。飛ばし飛ばし観ながら「ああ、こんな映画だったんだ」と、記憶が少しずつ蘇ってきました。
The Slipper and the Rose: The Story of Cinderella | 1976 | IN FULL
この作品はイギリスで製作されていて、チェンバレンも当時はアメリカからイギリスに活動の場を移していたようです。映画の舞台は重厚感があり、ミュージカル仕立てになっているとともに、本格的なクラシックバレエも堪能できました。
上映時間は2時間半近くあり、今見ると子どもには少し長かったのではないかと思いましたが、当時の私はお姫様と王子様のきらきらした世界が大好きだったので、きっと夢中で観ていたのでしょう。
ストーリーはおおよそ原作に忠実でしたが、結婚式の場面でまさかの“略奪婚”が描かれていて驚きました。映画「卒業」の影響もあったのでしょうか。ただ、王子をシンデレラに取られた花嫁にも新しいパートナーが現れて、めでたしめでたしという展開に安心しました。
***
チェンバレンは俳優だけでなく歌手としても活動していました。
カーペンターズの名曲「Close to You」も、もともとチェンバレンのために作られた曲なのだそうです。曲を作ったのは、以前ブログでも紹介したバート・バカラックとハル・デヴィッドで、このことにも驚きました。
Richard Chamberlain sings Close To You
チェンバレンの歌声は、カーペンターズに比べると少々スローですが、のびやかで味わい深く、心にしみ入るものがありました。
この日は、久しぶりに友人と会うことになり、仕事の後に自由が丘の小さなイタリア料理店「Trattoria motomu.N」(トラットリア モトムN)を訪れました。
友人と会うといえば、子育て中はママ友との平日ランチが定番でしたが、最近は仕事帰りに同じく働く友人と夜に会う機会が増えました。なんだか大人になったような、くすぐったい気分です。(とっくに大人ですが。)
このトラットリアには以前ランチで訪れたことがあり、こじんまりとした落ち着く空間と、ワインに合う料理が気に入って「いつか夜にも来たい」と思っていました。
Trattoria motomu.N 自由が丘の小さなトラットリア (2024-03-09)
そんな時、友人から「このお店はどう?」と連絡があり、その偶然にびっくり。そういえばこの友人とは昔から何かと好みが合ったことを思い出しました。
金曜日の夜でしたが、お客様は私たちを含めて3組ほど。予約時間も「7時過ぎ頃」とゆるく設定できるのが助かりました。
さて、この日のお料理は、壁の黒板に書かれたメニューから好きなものを4品選び、それぞれ2人分ずつ取り分けてコース仕立てにすることができるとのこと。それならばと、迷いに迷いながら、野菜・魚・パスタ・肉料理の4品を選びました。
まずは、お店のスタッフおすすめのスパークリングワインで乾杯。お通しとして提供されたのは、旬のカブを使ったポタージュと、あやめ蕪のマリネ。
野菜料理「ウドと新ごぼうのかきあげ」
イタリア料理で「かきあげ」というのが面白いですが、フリットに近いイメージ。天ぷらつゆではなく、洋風のおだしにひたしてあります。
魚料理「ブリと金柑のマリネ」
これまでに経験のない新鮮な組み合わせでした。金柑のほのかな甘みとブリの旨みが絶妙でした。友人はここで白ワインにし、私はスパークリングワインをおかわりしました。
パスタ「フキノトウのオレキエッテ」
フキノトウのほろ苦さが、大人の味わい。貝殻の形をしたオレキエッテによく絡みます。これは家でも真似して作ってみたい一品でした。
肉料理「三元豚のロースト」
絶妙な火入れが光る三元豚は、プロの技を感じる仕上がりでした。柔らかく、一口ごとに豚肉の旨みが広がります。友人は赤ワインと合わせて楽しんでいました。
私はコーヒーとビスコッティをいただきました。食事の余韻を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしました。
ゆっくり話をしながら食事を楽しんで、気がつけば3時間経っていました。これまでなかなか会えなかったけれど、これを機会にまた会おうねと約束して別れました。
クリント・イーストウッド監督、ニコラス・ホルト主演の重厚な法廷ドラマです。
陪審員2番 (Juror #2) 2024
日本でも人気の高いクリント・イーストウッド監督の最新作ですが、劇場公開はなく配信のみだったことに驚きました。約1か月前に鑑賞しましたが、当時はUNEXT限定配信だったため、トライアル登録して視聴しました。
近年のイーストウッド監督は、比較的肩の力を抜いた作品が多かった印象ですが、本作はコミカルな要素を排除し、骨太な法廷ドラマとして仕上げられています。人間の本質を問うテーマが描かれ、観終わった後も考えさせられる作品でした。
物語の主人公は、念願の子どもを迎えようとしているジャスティン(ニコラス・ホルト)。彼はある殺人事件の陪審員に選ばれます。しかし裁判が進むにつれ、「もしかすると自分こそが真犯人なのではないか」と疑念を抱くようになります。
というのも、事件当夜、彼はバーからの帰り道で車が何かにぶつかった感触を覚えていました。当時は何を轢いたのかわからなかったものの、後になって事件の発生日時や現場とぴったり一致することに気づきます。
過去に飲酒運転で逮捕歴があるジャスティンは、子どもの誕生を前に葛藤します。真実を告白すべきか、それとも黙っているべきか...。
裁判では、被告人が恋人と頻繁にトラブルを起こしていたこと、事件当夜にもバーで派手な口論をしていたことから、陪審員たちはほぼ全員が有罪と考えていました。ただひとり、ジャスティンを除いて。
彼は「もっと調べるべきだ」と主張し、無罪を主張します。しかし、なぜ彼はそうしたのでしょうか。もし有罪に投票すれば、自分が疑われることなく裁判は終わったはずです。それなのに、なぜ自らを追い詰めるような行動をとったのでしょうか。
私はこの場面で、自分ならどうするかと何度も考えました。決して聖人ではない私ですが、それでも「何もなかったことにして生き続ける」ことはできないだろうと思いました。いずれ自分自身に耐えられなくなり、精神的なバランスを崩してしまうかもしれません。
ジャスティンも同じだったのではないでしょうか。彼は、被告人が有罪になることで安心しようとしながらも、どこかで「自分の罪が明るみに出ること」を望んでいたのかもしれません。
この映画は、陪審員制度の在り方についても問いかけている、と私は思いました。作中の陪審員たちは真剣に議論していましたが、それでも「人間の良心に頼る制度」に限界があることを感じさせます。
日本でも、選挙などで「自分の考えを持たずに、声の大きい人に流される」場面が見られます。同じように、陪審員が十分な捜査ではなく「一般市民の主観」によって有罪を決めてしまうことには、危うさがあるのではないでしょうか。
本作は、そんな「正義のあり方」について考えさせる映画でした。