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セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

Roof Park Fes & Walk

2025年04月20日 | おでかけ

昨日は銀座方面に出かけ、「Roof Park Fes & Walk」というイベントに参加してきました。

このイベントは、首都高速道路・日本橋区間の地下化と、新たな都心環状ルート「新京橋連結路(地下)」の整備に伴い、2025年4月5日にクローズした首都高速KK線を、一日限り歩くことができるというものです。

(ブルーのところを歩きました。)

首都高速KK線は、新橋・日比谷・銀座の区間を通る高速道路で、西銀座デパートの上を通っているため、東急プラザ銀座やマロニエゲートの上階からご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。私も以前記事にしたことがあります。

東急プラザ銀座 (2016-05-23)

イベントでは、新橋の蓬莱橋交差点付近が入口、銀座1丁目の新京橋交差点付近が出口となっていました。これまで車でしか通れなかった道路を徒歩で歩くのは不思議な感覚でしたが、とても貴重な体験でした。

イベントのスタート地点は、KK線の新橋出口です。

土橋交差点付近。右手に見えるユニークな建物は静岡新聞東京支社、正面に見える茶色のビルは新橋第一ホテルです。

ここからはJRの線路沿いを歩きます。ちょうど東海道新幹線がやってきたところをパチリ。この辺りは終点の東京駅が近いため、新幹線がスピードを落としていて写真も撮りやすかったです。

左に見える茶色い建物は帝国ホテル、その右奥に見えるのは東京ミッドタウン日比谷です。

奥に見えるのは東急プラザ銀座、手前に見える蔦の絡まるクラシックな建物は、泰明小学校の校舎です。

途中、高速道路上ではクラシックカーの展示も行われていました。写真は名車として名高い「スバル360」(1969年式)。てんとう虫を思わせるフォルムが愛らしかったです。実物を見るのは初めてだったかもしれません。

こちらは「いすゞ ベレット1600GT」(1966年式)。いすゞは現在トラック専門となりましたが、かつてはジェミニをはじめ、数々の名車を生み出していました。

そして「日産 スカイライン 2000GT」(1974年式)。通称ケンメリ。「ケンとメリーのスカイライン」のCMが大ヒットし、社会現象にもなった一台です。

こちらは1984年開業の有楽町マリオン。今も現役で活躍している、昭和の代表的な商業施設です。

晴海通り。左に不二家、右に建築家レンゾ・ピアノが設計したエルメス、そして新しくなったソニービル。銀座らしいおなじみの風景です。

銀座1丁目から見る外堀通り。右手には、私たちが歩いてきたイベント会場が見えます。

視線を右に移すと、東京交通会館が見えます。上の回転レストランがトレードマークですね。

この日歩いたエリアは、将来的に歩行者中心の公共空間として生まれ変わる予定で、現在再生プロジェクトが進行中とのこと。どのような姿になるのか、今から楽しみです。

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週末ランチ SAVOY / RITUEL / CANTINA SICILIANA

2025年04月11日 | グルメ

最近、週末ランチで訪れた3軒のお店です。

SAVOY とまととちーず店 @麻布十番

麻布十番で人気のピッツェリア「SAVOY(サボイ)」に行く予定でしたが、数組待ちだったため、系列店の「SAVOY とまととちーず店」を訪れました。小さなビルの中2階にあり、カウンターのみのこぢんまりとしたお店です。

メニューは、店名通りトマトとチーズを使ったシンプルなピッツァが中心。その潔さが好印象でした。

ピッツァは1枚にするか2枚にするか迷いましたが、持ち帰りもできるとのことで2枚注文しました。1枚はそれほど大きくなく、結果的に2枚ともぺろりとおいしくいただきました。

最初に頼んだ「きのこのアンチョビ・ガーリックソテー」。きのこの風味が生きていて、シンプルながら絶品でした。

マルゲリータ(モッツァレラチーズ・トマトソース・バジル)。縁がもちもちで、王道のおいしさでした。

たまねぎ・にんにく・オレガノのピッツァ。たまねぎのピッツァとはめずらしいですが、たまねぎの甘みがなんともいえない味わい。大好きなお味です。

↑ そういえば以前自分でも似たようなのを作ったことがあります。

お店の入り口に積まれた薪が印象的でした。薪窯で焼くピッツァは火加減が難しそうですが、焼き目も香ばしく、とてもおいしくいただきました。

RITUEL 等々力店

以前から車で通るたび気になっていたベーカリー&カフェ。平屋建てのモダンな洋館風の建物で、入口には世田谷区の保存樹木でもある大木がそびえ立っています。

ランチはパスタなどの軽食が中心で、どのメニューにも3種類のパンが付くのがうれしい。パンがとてもおいしかったので、帰りにバゲットなどをお土産に購入しました。

この日は、普段はクリーム系のパスタはあまり選ばないのですが、メニューの写真がとてもおいしそうだったのでめずらしくカルボナーラ を注文しました。生ハムときのこが入り、上にのった卵黄をからめながらいただきます。

定番ながらハンバーグもおいしかったです。

あいにくの雨でしたが、濡れた裏庭の緑が瑞々しく、とても美しかったです。

CANTINA SICILIANA Tutto Il Mare @東銀座

歌舞伎座のすぐ裏にあるシチリア料理のレストラン。店内の雰囲気に見覚えがあると思ったら、以前訪れた銀座の姉妹店と同じ系列でした。

この日は、前菜・パスタ・フォカッチャ・デザートのセットを注文。写真を撮り損ねてしまいましたが、前菜はハム、ニシンのマリネ、サラダの盛り合わせでした。

茄子とリコッタチーズのトマトソーススパゲッティ。こちらは大盛です。伝統的なシチリア料理だそうですが、大好きな組み合わせでもあり、おいしくいただきました。

ベーコンとそら豆のシチリアンレモンクリーム フェットチーネ。最近お気に入りのクリーム系のパスタです。旬のそら豆とレモンの組合せで、クリーム系でありながらさっぱりといただけました。

デザートは、ぽってりとした素朴な器に入った パンナコッタでした。

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オーダー

2025年04月06日 | 映画

ジュード・ロウとニコラス・ホルト共演による、実話に基づいたクライム・スリラーです。Amazon Prime独占配信。

オーダー (The Order) 2024

ジュード・ロウは過去に部下を危険にさらし、命を落とさせた苦い経験を持つFBI捜査官ハスクを、ニコラス・ホルトは白人至上主義カルト集団「The Order(ジ・オーダー)」のカリスマ的リーダー、マシューズを演じています。

物語の舞台は、一見のどかで平和なアメリカ北西部の田舎町。ハスクは心の傷を癒すためこの地に赴任しますが、そこには白人至上主義団体「Aryan Nations(エイリアン・ネイションズ)」が根を張っており、さらに町では連続強盗事件も発生していました。

ハスクが、現地の警察官ボウエン(タイ・シェリダン)と捜査を進めていく中で、強盗事件の背後に、Aryan Nationsから分離した過激派集団「The Order」の存在があることが明らかになります。

そして、The Orderのリーダーであるマシューズが、資金獲得と武装強化のために犯罪を重ね、ついにはユダヤ人のラジオ司会者アラン・バーグを暗殺するという凶行を起こします。

ニコラス・ホルトは、先日見た「陪審員2番」(Juror #2)に続いて、テロ組織のリーダーという難役に挑戦していました。繊細で静かな外見とは裏腹に、内に秘めた狂気とカリスマ性が伝わってくる演技は圧巻でした。

Aryan Nationsの集会で、突如として人々をひとつにまとめてしまうシーンには、鳥肌が立ちました。

一方、FBI捜査官としての責任感と自責の念に葛藤するハスクを演じるジュード・ロウもまた、感情の機微をていねいに表現していて、心を引き付けられました。

正義感から任務にのめり込むあまり、またしても部下を危険に巻き込んでしまうというドラマチックな展開に、胸を衝かれました。

これまで白人至上主義組織を扱った映画といえば、南部を舞台にした「プレイス・イン・ザ・ハート」や「ブラック・クランズマン」などが思い出されますが、本作は北西部が舞台ということに意表を突かれました。

比較的自由な思想の地域だと思っていたこの地にも、極右思想が根付いているという実態を知り、恐怖を感じました。

トランプ政権下の今のアメリカにも通じるテーマが描かれていて、見応えがありました。あまり知られていないのが惜しいですが、是非とも多くの方に見ていただきたい作品です。

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リチャード・チェンバレンと「シンデレラ」

2025年04月05日 | +映画のよもやま

1960年代から長きにわたり活躍された映画俳優、リチャード・チェンバレンが、2025年3月29日に90歳の生涯を閉じました。

この訃報をSNSで知り、とても懐かしい気持ちになりました。というのも、私が初めて友達と子ども同士だけで見に行った映画が、チェンバレン主演の「シンデレラ」(The Slipper and the Rose: The Story of Cinderella)だったからです。

懐かしさに駆られてYouTubeで探してみたところ、なんとフルバージョンがアップされていました。飛ばし飛ばし観ながら「ああ、こんな映画だったんだ」と、記憶が少しずつ蘇ってきました。

The Slipper and the Rose: The Story of Cinderella | 1976 | IN FULL

この作品はイギリスで製作されていて、チェンバレンも当時はアメリカからイギリスに活動の場を移していたようです。映画の舞台は重厚感があり、ミュージカル仕立てになっているとともに、本格的なクラシックバレエも堪能できました。

上映時間は2時間半近くあり、今見ると子どもには少し長かったのではないかと思いましたが、当時の私はお姫様と王子様のきらきらした世界が大好きだったので、きっと夢中で観ていたのでしょう。

ストーリーはおおよそ原作に忠実でしたが、結婚式の場面でまさかの“略奪婚”が描かれていて驚きました。映画「卒業」の影響もあったのでしょうか。ただ、王子をシンデレラに取られた花嫁にも新しいパートナーが現れて、めでたしめでたしという展開に安心しました。

***

チェンバレンは俳優だけでなく歌手としても活動していました。

カーペンターズの名曲「Close to You」も、もともとチェンバレンのために作られた曲なのだそうです。曲を作ったのは、以前ブログでも紹介したバート・バカラックとハル・デヴィッドで、このことにも驚きました。

Richard Chamberlain sings Close To You

チェンバレンの歌声は、カーペンターズに比べると少々スローですが、のびやかで味わい深く、心にしみ入るものがありました。

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Trattoria motomu.N (2025・早春)

2025年03月30日 | グルメ

この日は、久しぶりに友人と会うことになり、仕事の後に自由が丘の小さなイタリア料理店「Trattoria motomu.N」(トラットリア モトムN)を訪れました。

友人と会うといえば、子育て中はママ友との平日ランチが定番でしたが、最近は仕事帰りに同じく働く友人と夜に会う機会が増えました。なんだか大人になったような、くすぐったい気分です。(とっくに大人ですが。)

このトラットリアには以前ランチで訪れたことがあり、こじんまりとした落ち着く空間と、ワインに合う料理が気に入って「いつか夜にも来たい」と思っていました。

Trattoria motomu.N 自由が丘の小さなトラットリア (2024-03-09)

そんな時、友人から「このお店はどう?」と連絡があり、その偶然にびっくり。そういえばこの友人とは昔から何かと好みが合ったことを思い出しました。

金曜日の夜でしたが、お客様は私たちを含めて3組ほど。予約時間も「7時過ぎ頃」とゆるく設定できるのが助かりました。

さて、この日のお料理は、壁の黒板に書かれたメニューから好きなものを4品選び、それぞれ2人分ずつ取り分けてコース仕立てにすることができるとのこと。それならばと、迷いに迷いながら、野菜・魚・パスタ・肉料理の4品を選びました。

まずは、お店のスタッフおすすめのスパークリングワインで乾杯。お通しとして提供されたのは、旬のカブを使ったポタージュと、あやめ蕪のマリネ。

野菜料理「ウドと新ごぼうのかきあげ」

イタリア料理で「かきあげ」というのが面白いですが、フリットに近いイメージ。天ぷらつゆではなく、洋風のおだしにひたしてあります。

魚料理「ブリと金柑のマリネ」

これまでに経験のない新鮮な組み合わせでした。金柑のほのかな甘みとブリの旨みが絶妙でした。友人はここで白ワインにし、私はスパークリングワインをおかわりしました。

パスタ「フキノトウのオレキエッテ」

フキノトウのほろ苦さが、大人の味わい。貝殻の形をしたオレキエッテによく絡みます。これは家でも真似して作ってみたい一品でした。

肉料理「三元豚のロースト」

絶妙な火入れが光る三元豚は、プロの技を感じる仕上がりでした。柔らかく、一口ごとに豚肉の旨みが広がります。友人は赤ワインと合わせて楽しんでいました。

私はコーヒーとビスコッティをいただきました。食事の余韻を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしました。

ゆっくり話をしながら食事を楽しんで、気がつけば3時間経っていました。これまでなかなか会えなかったけれど、これを機会にまた会おうねと約束して別れました。

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陪審員2番

2025年03月29日 | 映画

クリント・イーストウッド監督、ニコラス・ホルト主演の重厚な法廷ドラマです。

陪審員2番 (Juror #2) 2024

日本でも人気の高いクリント・イーストウッド監督の最新作ですが、劇場公開はなく配信のみだったことに驚きました。約1か月前に鑑賞しましたが、当時はUNEXT限定配信だったため、トライアル登録して視聴しました。

近年のイーストウッド監督は、比較的肩の力を抜いた作品が多かった印象ですが、本作はコミカルな要素を排除し、骨太な法廷ドラマとして仕上げられています。人間の本質を問うテーマが描かれ、観終わった後も考えさせられる作品でした。

物語の主人公は、念願の子どもを迎えようとしているジャスティン(ニコラス・ホルト)。彼はある殺人事件の陪審員に選ばれます。しかし裁判が進むにつれ、「もしかすると自分こそが真犯人なのではないか」と疑念を抱くようになります。

というのも、事件当夜、彼はバーからの帰り道で車が何かにぶつかった感触を覚えていました。当時は何を轢いたのかわからなかったものの、後になって事件の発生日時や現場とぴったり一致することに気づきます。

過去に飲酒運転で逮捕歴があるジャスティンは、子どもの誕生を前に葛藤します。真実を告白すべきか、それとも黙っているべきか...。

裁判では、被告人が恋人と頻繁にトラブルを起こしていたこと、事件当夜にもバーで派手な口論をしていたことから、陪審員たちはほぼ全員が有罪と考えていました。ただひとり、ジャスティンを除いて。

彼は「もっと調べるべきだ」と主張し、無罪を主張します。しかし、なぜ彼はそうしたのでしょうか。もし有罪に投票すれば、自分が疑われることなく裁判は終わったはずです。それなのに、なぜ自らを追い詰めるような行動をとったのでしょうか。

私はこの場面で、自分ならどうするかと何度も考えました。決して聖人ではない私ですが、それでも「何もなかったことにして生き続ける」ことはできないだろうと思いました。いずれ自分自身に耐えられなくなり、精神的なバランスを崩してしまうかもしれません。

ジャスティンも同じだったのではないでしょうか。彼は、被告人が有罪になることで安心しようとしながらも、どこかで「自分の罪が明るみに出ること」を望んでいたのかもしれません。

この映画は、陪審員制度の在り方についても問いかけている、と私は思いました。作中の陪審員たちは真剣に議論していましたが、それでも「人間の良心に頼る制度」に限界があることを感じさせます。

日本でも、選挙などで「自分の考えを持たずに、声の大きい人に流される」場面が見られます。同じように、陪審員が十分な捜査ではなく「一般市民の主観」によって有罪を決めてしまうことには、危うさがあるのではないでしょうか。

本作は、そんな「正義のあり方」について考えさせる映画でした。

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ぴょんぴょん舎 GINZA UNA(2025・早春)

2025年03月23日 | グルメ

丸の内ピカデリーで映画を観た後、盛岡冷麺の「ぴょんぴょん舎 GINZA UNA」でお昼をいただきました。このお店については、以前にもご紹介しているのでよかったらご覧くださいね。

ぴょんぴょん舎 GINZA UNA(2023-03-14)

相変わらず人気が高く、特に女性客が多いお店です。訪れたときは先に5組ほどいましたが、それほど待つことなく席に案内していただけました。前回と同じく、半個室の広々としたテーブルに通され、窓からの眺めもよく、ゆったりとくつろげました。

夫は盛岡冷麺と焼肉のセットを注文。私は、この日は晴れていたものの気温がやや低かったので、純豆腐チゲ(スンドゥブチゲ)をいただくことにしました。

まずは、みずみずしい野菜がたっぷりのチョレギサラダと3種のナムル。

次に運ばれてきたのは、十穀米と純豆腐チゲ。

十穀米には大きな黒豆が入っていて、お赤飯のような味わいです。純豆腐チゲは、模様の入った蓋付きの鉄鍋で運ばれてきました。お店の方が蓋を開けてくださると、中には熱々のスープがたっぷり。

「純豆腐」とは柔らかいお豆腐のことで、「チゲ」は韓国風のスープ料理を指します。お豆腐のほかに、お肉やあさり、白ネギ、玉ねぎなどの野菜もたっぷり入っていました。真っ赤なスープですが、辛さはほどよく、体がぽかぽかと温まりました。

焼肉用のカルビとハラミ。

テーブルのグリルで焼いていただきます。私も少し味見しましたが、脂ののりがちょうどよく、柔らかくてとても美味しかったです。

そして、盛岡冷麺。

日本人向けに小麦粉を使用した麺は、つるつるもちもちとした食感で、とても美味しい。あっさりとした冷たいスープともよく合います。美しく巻かれた盛り付けも印象的で、暑い夏はもちろん、冬に食べても美味しいと改めて実感しました。

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フライト・リスク

2025年03月22日 | 映画

メル・ギブソン監督、マーク・ウォールバーグ主演のアクション・スリラーです。

フライト・リスク (Flight Risk) 2025

本作は、映画館で見るのにまさにぴったりの作品! 前から5列目で鑑賞したこともあり、迫力と臨場感に思わず身体が動いてしまうほどで、スリリングな展開に大満足でした。

物語の登場人物はわずか3人。保安官補のハリス(ミシェル・ドッカリー)は、重要参考人ウィンストン(トファー・グレイス)をアラスカからニューヨークへ輸送する任務を担います。

まずはアンカレッジまで小型機で向かうのですが、その時のパイロットのダリル(マーク・ウォールバーグ)が実は黒幕に雇われた刺客だったという設定です。

逃げ場のないアラスカ上空、小型飛行機の中で繰り広げられる命がけの死闘と心理戦は見ごたえ抜群。飛行時間は上映時間とほぼ同じ90分、見ている私もまた極限状況の緊迫感を味わいました。

ハリスはダリルを拘束することに成功したものの、飛行機の操縦は未経験。自動操縦や無線指示を頼りにどうにか乗り越えようとしますが、何度も危険な状況に襲われます。

雪山に激突しそうになったり、雪の塊に突っ込んで機体が雪まみれになったり、スリリングな展開が続きます。また、ダリルはなぜかハリスの過去の過失を知っていて、心理的にも追い詰めようとするのです。

そんなダリルを演じるマーク・ウォールバーグは、髪を剃って禿げ頭にしているし、終盤では機体から放り出されるという、大スターらしからぬ散々な扱い。^^; メル・ギブソン監督とは過去作で何度か共演している間柄なので、彼のために一肌脱いだのかもしれません。

一方、どんな状況でも屈しない強さを見せるハリスを演じるミシェル・ドッカリーは、堂々とした佇まいがかっこよく、とても魅力的でした。

着陸が最も難しいと言われる飛行機操縦ですが、クライマックスでは燃料が尽きるという絶体絶命のピンチに襲われます。でもそれゆえに、着陸時に炎上の危険を回避することができたというのは、なかなかうまい設定でした。

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奈良・山焼き(2025・冬)仏蘭西料理 ラ・テラス

2025年03月21日 | +奈良

奈良・山焼き旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・山焼き(2025・冬)粟 ならまち店
2.奈良・山焼き(2025・冬)若草山焼き
3.奈良・山焼き(2025・冬)囲炉裏と地酒 大和乃山賊
4.奈良・山焼き(2025・冬)志賀直哉旧居

志賀直哉旧居からささやきの小径を通って奈良公園へ。七草山の麓にあるフレンチレストラン「仏蘭西料理 ラ・テラス (La Terrassse)」で、私のバースデイランチをいただきました。

緑の森の中にあるレンガ造りの一軒家レストランは、サンルームやテラス席もある開放的な空間。自然の中でいただくフランス料理は、ほどよくモダンで洗練された一皿。広々としたお席も居心地よく落ち着けました。

温かみのあるテーブルセッティングが素敵でした。

私はスパークリングワインで乾杯。テーブルには自然の実を使った素敵なオブジェが飾られていました。

右は息子のワイン、左は夫がいただいた柑橘系のピールを使ったカクテル。

フォアグラを使ったアミューズ。

黒いシックなカップに入ったコンソメスープ。

芽キャベツを生ハムで巻いたアミューズ。

それぞれのお皿に取り分けていただきました。

「サーモン / 紫カリフラワー / 柚子」と言う名前の前菜その1。サーモンのたたきに紫カリフラワーやエディブルフラワーを散らした愛らしい一品。下に柚子のソースが敷いてあります。

「アオリイカ / 大和橘 / ピスタチオ」と言う名の前菜その2。イカソウメンのような前菜ですがピスタチオとの組み合わせが斬新。食感の違いが楽しめました。

この後、「鰆 / チーマディラーパ / 発酵トマト」という魚料理がありましたが、写真を撮り忘れてしまいました。。チーマディラーパというのは、カブの葉に似た葉野菜のようです。

自家製パンとバター。パンは私の好きなカンパーニュのようなハードブレッドでした。

「奈良・郷ポーク / 春巻 / 黒にんにく」という名の肉料理。ポークもきのこもおいしかったのですが、ユニークなのが春巻。きっちり巻いた葉巻のような洋風春巻でした。

お店のスタッフがバースデイプレートを用意してくださっていました。左のお花はドライフラワー(食べられません)。右の絵は、スタッフの方が描いてくださったそうです。もったいなくて食べられない!

「紅玉 / トンカ豆 / カルバトス」という名のデザート。カルバトス (りんごのお酒) を効かせたりんごのコンポートとトンカ豆のアイスクリーム。

トンカ豆も見せてくださいました。華やかで甘い香りのスパイス。ポスト・バニラになるかもしれませんね。

こんな風に素敵にサーヴしてくださいました。

大阪・TERRA COFFEE ROASTERSさんのスペシャルティコーヒー。

小菓子は、テリーヌショコラとクグロフ。

焼菓子大好きです。どちらも濃厚な風味があっておいしくいただきました。

お店のスタッフの方が、屋内外でたくさん写真を撮ってくださった上に、真っ赤なバラまで用意してくださって、そのお心遣いに感動しました。

これで、奈良・山焼き旅行記はおしまいです。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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奈良・山焼き(2025・冬)志賀直哉旧居

2025年03月18日 | +奈良

奈良・山焼き旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・山焼き(2025・冬)粟 ならまち店
2.奈良・山焼き(2025・冬)若草山焼き
3.奈良・山焼き(2025・冬)囲炉裏と地酒 大和乃山賊

山焼きを見た翌日は、朝から志賀直哉旧居を訪れました。春日大社にほど近い、高畑 (たかばたけ) という町の閑静な住宅街にあります。ホテルからのんびり歩いて30分ほどで、よいお散歩になりました。

志賀直哉といえば、私は「城崎にて」の入った短編集しか読んだことがなく、それほど馴染みがないのですが、旅先で何度も不思議と縁がありました。

志賀直哉が長逗留した城崎温泉、かつて宿泊した蒲郡クラシックホテル、伊豆の起雲閣、そしてかつて住んでいた尾道の旧居など、旅の途中で何度も彼の足跡に触れる機会がありました。

今回改めて調べてみると、彼は生涯に23回も転居しているのだとか。旅好きで、家族が多く、交際範囲も広かった彼の人生は、きっとにぎやかで華やかだったのだろうと想像しました。

志賀直哉が家族とともにこの家で暮らしたのは、昭和4年から13年のわずか9年間ですが、建物は数寄屋風を基調に、洋風の食堂やサンルームを備えた和洋折衷の造り。彼自身の構想をもとに、京都から数寄屋大工を呼び寄せて建てたそうです。

住宅の一部は二階建てになっており、一階と二階それぞれに書斎がありました。写真は、志賀直哉が『暗夜行路』を執筆した二階の書斎です。

こちらは、小林多喜二が宿泊した客間。贅沢な暮らしぶりの志賀直哉と、プロレタリア文学を代表する小林多喜二に交友があったことは意外でしたが、多喜二は直哉の文学に惹かれるものがあったのでしょう。

直哉は「高畑サロン」と呼ばれる集まりを主宰し、この家で多くの文化人たちと交流していました。

客間からは七草山が望めました。前夜に山焼きをしたばかりの七草山ですが、思ったより焼き残っています。このような年はめずらしいそうです。

一階の書斎は洋風で、北向き。主に夏の間に使っていたそうです。

この茶室は、家を建てた数寄屋大工の希望で造られたもの。直哉自身はあまり茶の湯には興味がなかったため、最初は友人を招いて将棋を指す場として使われていましたが、後に家族のお茶のお稽古に使われるようになったそうです。

浴室には、当時としては珍しい冷水シャワーが付いていました。

中庭に面した廊下。

食堂。洋風の造りで、家の中でもっとも広い部屋です。端にはソファが設えられています。

料理は、台所との間にあるカウンターを通じて運ばれました。台所には、氷を入れて冷やす仕組みの冷蔵庫も備えられています。食堂は、窓側へと続くサンルームとともに、家族の憩いの場となっていました。

日本式の中庭のほか、南側には子どもたちが遊べる広い庭もありました。

庭の隅にはプールも!(浴槽より小さいですが)

さらに、バックヤードから玄関へと回る途中にも池のある庭がありました。贅を尽くし、工夫が凝らされた、すてきな住まいでした。

志賀直哉旧居からは、「ささやきの小径」と呼ばれる森の小道を通って春日大社へとつながっています。森の中を歩いていると、ときおり鹿がひょっこり顔をのぞかせました。

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