セレンディピティ ダイアリー

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蒲郡クラシックホテルと、竹島散策

2020年10月21日 | +静岡・愛知

浜松~蒲郡旅行記の続きです。

うなぎパイファクトリーを出てから、海沿いのバイパスを通って一気に愛知県蒲郡へ。この日の宿泊先である蒲郡クラシックホテルに向かいました。

蒲郡クラシックホテルは、「日本クラシックホテルの会」に加盟する9つのホテルのうちの1つで、以前愛知在住の方から教えていただいて以来、レトロな洋館好きな私が、いつか訪れたいと願っていた憧れのホテルです。

1934年に建てられた城郭風建築のホテルで、三河湾を見下ろす高台にあります。スロープを上っていざなわれる車寄せのクラシックな佇まいに、時間が遡ったかのような感動を覚えました。

入口の右側は一段高くなっていて、2階の客室に面したところに芝生の庭があるというのがおもしろい。ホテルの敷地は起伏に富んだ広大な庭園となっていて、料亭やグリルレストランなど、小さな建物が点在しています。

重厚なロビーは古めかしく、しっとりと落ち着いた雰囲気です。

チェックインしてお部屋に荷物を置いてから、眼下に見える竹島まで散策することにしました。ホテルからは坂を下って歩いて5分ほど。竹島と海岸とは橋でつながっています。

橋の向こうに見えるのが竹島です。鬱蒼とした木々に覆われた円い小さな無人島で、島全体が神社(竹島弁天)となっています。

橋の途中で振り返ると、高台にホテルが見えます。海岸沿いに見える白い洋館は「海辺の文学記念館」です。蒲郡は昔から景勝地として知られ、菊池寛の「火華」をはじめ小説の舞台としてしばしば登場してきました。

神社への階段を上って島の向こう側に下りると、そこから遊歩道が続いていて、島の周囲に沿って約半分を歩いて回れるようになっています。そろそろ日暮れが迫る中、寄せては返す静かな波の音だけが聞こえました。

島の周囲をぐるりと歩くと、もと来た橋が見えてきました。

再び橋をわたってもどろうとすると、ちょうど明かりが灯りました。この時、私の頭を流れたのは、ライアン・ゴズリングが口笛を吹きながら歌う La La Land の "City of Stars"

LA LA LAND 「City of Stars」英語歌詞付き日本語字幕版

神社の鳥居というのが、ロサンゼルスの桟橋とはちょっとばかり違いますが^^;

お部屋の窓からも、三河湾と竹島、渥美半島と島影の風景が見渡せました。

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マーティン・エデン

2020年10月20日 | 映画

ジャック・ロンドンの自伝的小説を、舞台をアメリカからイタリアに変えて映画化。主演のルカ・マリネッリは本作で、ヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞しました。

マーティン・エデン (Martin Eden)

ナポリで生まれ育った貧しい船乗りのマーティン・エデンは、良家の令嬢エレンに出会って恋に落ち、彼女の聡明な美しさに惹かれて、彼女にふさわしい男になりたいと、独力で勉強をはじめ、文学の魅力に目覚めます。

独学で詩や小説を書いては出版社に送り続けますが、返送されるばかり。しかし、絶望して倒れた時に、雑誌に小説が連載されることが決まります。それを機に、徐々に作家として名をあげ、押しも押されぬ人気作家となりますが...。

昔からよくある ”身分違いの恋” を描いた作品と思いきや、一筋縄ではいかないストーリーと結末に、人生の真実を突き付けられた思いがしました。レトロで粗削りの映像や、詩情あふれる人間模様に、イタリア映画ならではの味わいを堪能しました。

主演のルカ・マリネッリも実に魅力的。ハンサムだけど影があり、腕っぷしが強いだけでなく知性がある、野心あふれる青年を好演していました。音楽も好みでした。序盤からヒロインが弾くドビュッシーの「パスピエ」にぐぐっと心をつかまれました。

マーティンは、エレンの美しさだけでなく、彼女を取り巻く知的な世界に惹かれていたのだと思います。エレンは自分で学ぶことには限界があり、教育を受けるべきだと諭しますが、圧倒的に教養の足りないマーティンは、小学校からやり直せと言われてあきらめ

自分で本を読んで猛勉強し、とにかく小説を書いて、書いて、書き続けます。マーティンが書く小説は、自分が生まれ育った貧困地区を舞台にした、シビアな世界を描いたもの。

最愛の姉にも「あなたの書く小説はあまりにつらすぎて、読みたいとは思わない」と言われてしまいますが、それが理由かどうかはわかりませんが、どこの出版社からもなかなか採用の返事がもらえません。

心から愛し合っていたマーティンとエレンですが、2人の違いが決定的になったできごとがありました。2人がデートで恋愛映画を見た後、エレンは「すてきな映画だった」とうっとりしますが、マーティンには作りものの世界としか思えません。

小説を書いていく中で、社会的な問題に目を向けるようになっていたマーティンは、聡明だと思っていたエレンが物足りなく思え、彼女を取り巻く世界にも疑問を感じるようになるのでした...。

どちらが正しいとか、正しくないとかではなく、エレンの愛を求め、距離を縮めるために努力してきたはずなのに、いつの間にか2人の間の隔たりが取返しがつかないほどに大きくなってしまった悲劇に、人生の皮肉と残酷さを思いました。

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うなぎ料理 あつみ &うなぎパイファクトリー

2020年10月14日 | +静岡・愛知

浜松名物といえば、浜名湖のうなぎ。数ある名店の中、浜松駅近くにある1907年創業の老舗「うなぎ料理 あつみ」さんでお昼をいただくことにしました。

秋野不矩美術館から市の中心部まで南へ約1時間。お店近くのパーキングに車を止めると、甘いたれの香りがしました。人気のお店とあって、着いた時には既に満席でしたが、13時の予約票をいただいたので、30分ほど街をぶらぶらしてから再訪しました。

浜名湖で漁師をしていた初代が天然うなぎの蒲焼をはじめて以来、伝統を受け継ぎ、現在は五代目が老舗を守っていらっしゃいます。戸を開けると手前にテーブル席がありますが、私たちは奥のお座敷に案内していただきました。

注文はうな重と決めていましたが、大きさが3段階あり、こちらは1.5匹強入っています。私は1匹にしましたが、量としては十分すぎるほどでした。うな重には、お吸い物か肝吸い、お漬物、フルーツがつきます。

どーんと大迫力。肉厚のうなぎが、お重の隅々までしっかり入っています。肉厚といっても決して大味ではなく、柔らかく、むっくりとしておいしかったです。濃いめのたれで、しっかりとした味付けでした。

うなぎの蒲焼に関東風と関西風があることは、以前大阪に行った時に知りましたが、浜松といえばちょうど関東と関西の中間。お店によって違うようですが、こちらのお店は、関東風と関西風のよいところを併せ持っていて、中は柔らかく、外はパリッと仕上がっていました。

静岡といえば野菜や果物の農業もさかん。デザートのメロンもさっぱりとしておいしかったです。

***

おいしいうなぎを堪能したあとは「うなぎパイファクトリー」に向かいました。市の中心部から西に約30分。ここはうなぎパイで有名な「春華堂」さんの工場ですが、観光用に作られたものではなく、工業団地にあるガチの工場です。^^

とはいえ、中にはシアターやショップ、カフェなどが併設されていて、うなぎパイのことがいろいろ学べるようになっています。工場の横にはスケルトンのうなぎパイのトレイラーがお出迎え。

ガラス窓越しに、工場のラインが見えました。この日は金曜日でしたが、ラインが動いていなくて、うなぎパイを作る様子を見ることができなかったのが残念。その代わりにシアターでうなぎパイの作り方ビデオを見ました。

この後、ギフトショップでおみやげを買いました。ナッツをまぶしたミニタイプのうなぎパイは、香ばしくて目新しく、おみやげにもぴったりです。

外にはうなぎパイジェラートのトラックが。左に見えるのはうなぎパイのキャラクター、うなくんです。ビデオにも登場していましたが、いたずらっこですごくかわいいんですよ。女の子とのかけあいがおもしろくて最高でした。

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浜松市秋野不矩美術館

2020年10月13日 | +静岡・愛知

9月にお休みをとって、1泊で静岡~愛知と旅行してきました。浜松と蒲郡にそれぞれ長年行きたかった憧れの場所があり、訪問の夢がようやく実現しました。

ひとつは、浜松市秋野不矩美術館。この美術館のことは、8年前に赤瀬川原平さんの「個人美術館の愉しみ」という本で知りました。秋野不矩 (あきの ふく) さんは浜松出身の女性の日本画家で、6人の子どもを育てながら創作活動を続け、大学で後進の指導にもあたりました。

インドの大学に日本画の客員教授として着任して以来、インドに魅せられた不矩さんは、帰任後も何度もインドに長期滞在を重ね、インドの自然や風土をテーマにした作品を描きました。

地元天竜杉の板壁、鉄平石で葺いた屋根、藁を混ぜた壁、と自然素材を取り入れた建物は、緑豊かな周囲の風景によくなじむ素朴さをもちながら、すっきりと洗練された佇まいです。設計は、赤瀬川原平さんの路上観察仲間でもある藤森照信さんです。

入口を入るとまずはスリッパに履き替え、展示室に入る時は、そのスリッパも脱ぎます。細長い展示室の右側に初期の作品、左に後期の作品、その奥には四角く白い、大きな展示室があります。天井は吹き抜けになっていて、形は違いますが、モンゴルのゲルを思い出しました。

天竜川 1988

不矩さんの故郷、浜松を流れる天竜川。アメリカのホースシューベンドみたいですが、山の緑を映した川、深々とした山並みは、まぎれもなく日本人の心のふるさとともいえる美しい風景です。

アフガニスタン風景 1972

アフガニスタンが舞台の小説「君のためなら千回でも」(The Kite Runner) を思い出しました。そのせいか見たことのない風景なのに、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

帰牛 1995

ここからは奥の四角い展示室の作品です。どれも大作で、展示室のタイルの床に直接腰を下ろして鑑賞すると、雄大さ、おおらかさ、生命力、そして不矩さんの情熱が伝わってきます。画像では作品の大きさ、迫力が伝えられないのが残念です。

上は、雨が降って畑も道も水浸しになった中を、悠々と帰る水牛の群れを描いた作品です。

廃墟II 1989

廃墟と題する作品が3点ありましたが、特に心に残ったのがこの作品。水辺の風景だと思ったら、地平線の向こうに見えるのは空だそうです。荒涼とした風景に心がざわつきます。

渡河 1992

一番大きな作品です。インドの濁った川が、夕日を浴びて黄金色に輝いている様子を思い浮かべました。手前に見えるのは水牛の群れ。悠久の時の流れを感じさせるダイナミックな作品でした。

沼 1991

沼に集まった水牛たちの様子を、上からの視点で描いた作品。デザイン性も感じられ、なんとなくユーモラスにも感じます。なぜか奈良の鹿たちを思い出しました。

小さな美術館で、展示室が2つなので、一度に見ることができる作品の数は少ないのですが、不矩さんたっての希望で藤森氏が設計された特別な空間の中、時間をかけて作品とじっくり向き合うことができました。

2021年3月31日まで、4回に分けて秋野不矩展が開催されますが、この美術館では不矩さん以外の企画展が開催される場合もあるので、おでかけになる前には美術館の公式サイトをご確認ください。

この美術館は建物自体も魅力的です。写真は、2階の吹抜けからロビーを見下ろしたところです。りっぱな柱は古材を使っているのでしょうか。インテリアはどことなく北欧風です。

1階のベランダ。

屋外には、藤森照信さんが設計したお茶室「望矩楼」があります。藤森さんは、こうした高床式?のお茶室を多数設計したことでも知られています。以前、清春芸術村でも拝見したことがあります。

道路から美術館へは、長い坂道を上ります。下から見るとどことなく要塞のようで、古城の風格も感じられました。

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新亜飯店の小籠包と、増上寺

2020年10月10日 | グルメ

小籠包がおいしいとまだ~むさんに教えていただいて、芝大門にある中国上海料理の老舗「新亜飯店」にお昼を食べに行きました。

この日は六本木ヒルズでお買いものがあったので、ヒルズの駐車場に車をとめて、地下鉄で大門に向かいました。大門駅から地上に出てすぐ向かい側です。間口は小さいですが、ビルの1~5階をお店が占めていました。

何階に行けばよいか迷いましたが、1階だと落ち着かないかと、なんとなく2階に上がりました。混んでいたら、他の階に行けばよいというシステムなのかもしれません。お料理は、厨房から専用エレベーターで各階に運ばれているようです。

まずは何といっても小籠包、そしてとりあえず焼きそばと春巻きをオーダーして、おなかの様子をみることにしました。

最初に運ばれてきた五目やきそば。具だくさんのあんがおいしい。特にイカが柔らかくて絶品でした。

そしていよいよ小籠包です。かなり大きめで、きれいにひねって包まれている様子が美しい。れんげにのせて、しょうがの千切りを少しのせ、私は何も味付けせずにいただきましたが、そのままで十分おいしかったです。

皮が厚いわけではないのに、よく伸びて柔らかく、しかも丈夫。食べようとして皮が破れ、せっかくのスープが流れてしまうということがありません。れんげにのせながら、きれいに全部いただけて大満足でした。お肉もスープもおいしかったです。

春巻き。外はパリッ、中はとろっとしたあんが最高においしかったです。ほんとうはもうひとつ小籠包をいただきたかったところですが、これでおなかがいっぱいになってしまって残念。また食べに行きたいです。

食後はすぐ近くの増上寺に寄りました。芝大門の横を通って...

迫力ある重厚な木造建築の三解脱門は、1622年の建立。戦災を免れ、重要文化財となっています。

 

本堂。なぜかこの日は青いかつらの謎の軍団と遭遇しました。^^; 2013年公開の映画「ウルヴァリン:SAMURAI」(The Wolverine) では、ヒュー・ジャックマンがここで Japanese Yakuza 相手に大暴れしていました。^^

本堂から三解脱門を見下ろして。このあとは、増上寺前のル・パン・コティディアンでパンを買い、港区役所前から「ちぃばす」(港区コミュニティバス) に乗って六本木ヒルズまでもどりました。

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ビストロ キムラ

2020年10月08日 | グルメ

都立大学にあるフランス料理店「ビストロ キムラ」にお昼を食べに行きました。

駅から歩いて5分ほど、八雲の商店街にあります。以前は別のフランス料理店でしたが、いつの間にかお店が変わっていていました。前のお店の赤い外装が白く塗り替わっていましたが、温かみのあるインテリアと雰囲気はそのまま。

若いシェフと奥様?ががんばっていらっしゃる様子が微笑ましい。休日のお昼はほぼ満席で、ファミリーやバースデーをお祝いしているカップルなど、ご近所の方たちに愛されているお店だということがわかります。

サラダかポタージュに、メインのお料理、デザートと食後の飲み物がつくセットをいただきました。

かぼちゃのポタージュ。カプチーノ仕立てになっていて、ボリュームもしっかりありました。優しいお味に体が温まります。

私は野菜の惣菜サラダをいただきました。ガーデンサラダにキャロットラペ、リエットがのっていてこちらもボリュームがたっぷり。シンプルなドレッシングも間違いのないおいしさです。

赤いラインの入ったランチョンマットが愛らしい。バゲットもおいしかったです。

鴨のコンフィ マスタードソース。ほろほろと柔らかく、お肉の濃厚なお味が楽しめました。付け合わせの野菜にもほんのり秋を感じます。

私は牛肉のトマト煮込み クスクス添えをいただきました。お皿が運ばれてきたとたん、クミンをはじめ、豊潤なスパイスがふわっと香ります。こちらも牛肉がほろほろに柔らかく、濃厚なお味が楽しめました。

スープを吸ったクスクスが、これまた絶妙なおいしさでした。スプーンを使わずに、最後まできれいにいただけました。

食後の飲み物はハーブティにしました。ほどよい酸味のローズヒップが、ほっとするおいしさです。

デザートはティラミスとミルクシャーベットの盛り合わせでした。ティラミスはカスタード風の味わい。上にココアパウダーのほか、オーツ麦?がのっているのが個性的。しめくくりまで大満足のランチでした。

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AMERICAN HOUSE STEAK & TACOS @グランベリーパーク

2020年10月06日 | グルメ

先月、南町田にあるアウトレットモール「グランベリーパーク」に行ってきました。

2000年に開業した「グランベリーモール」が、2019年11月に「グランベリーパーク」としてリニューアルオープンしました。

再開発によってかなり広くなったようですが、ショッピングエリアがまとまっていて、アウトドア、ファッション、キッチン用品など、ジャンル毎にお店が分かれているのが便利。そぞろ歩きも楽しく、まるでひとつの町のようです。

***

国道246号が渋滞していて、行きは2時間近くかかってしまいましたが、地図で裏道を探しながら、知らない町を気の向くままに走り、ちょっとした小旅行気分が味わえました。

着いて、まずはお昼をいただくことに。アメリカンながっつりしたお肉が食べたいという夫の希望で、AMERICAN HOUSE STEAK & TACOS (アメリカンハウス ステーキ&タコス)に入りました。

古いブリキのポスターがレンガの壁に飾られ、オールドアメリカンな雰囲気。下段真ん中の写真に見覚えのあると思ったら、映画「僕たちのラストステージ」(Stan & Ollie) のお笑いコンビ、ローレル&ハーディでした。

メニューはステーキ、ハンバーガー、ピッツァ、タコスなど、アメリカの懐かしいお料理ばかりです。タコスとステーキをひとつずつオーダーして、シェアしていただきました。

チキンのカルニタスタコス。私たちはポークバーベキューと呼んでいましたが、豚一頭を丸焼きにしてほろほろになるまでくずすお料理が、南部での屋外イベントの定番料理でした。これはそのチキン版といったところですが、甘辛スパイシーなお味がおいしかったです。

リブアイステーキ。熟成した牛肉をお皿ごと高温のオーブンで焼き上げる、アメリカンスタイルのステーキが懐かしくてこちらをいただきました。Tボーンではないですが、表面はしっかり香ばしく、中が柔らかいステーキは最高でした。

お肉の味つけは塩こしょうのみでしたが、私はわさび、夫はステーキソースもいただきました。サイドディッシュはオニオンソテー。たまねぎの甘みが牛肉によく合いました。

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マティアス&マキシム

2020年10月04日 | 映画

グザヴィエ・ドラン監督の最新作は、恋と友情の間で揺れる青春ラブストーリーです。

マティアス&マキシム (Matthias et Maxime / Matthias & Maxime)

楽しみにしていたグザヴィエ・ドランの最新作を、早速初日に見に行ってきました。「ブックスマート」「ミッドナインティーズ」と最近の私はなぜか青春映画づいていますが、本作も偶然ながら青春映画。ドラン自身もマキシム役で出演しています。

友人の湖畔の別荘でバカンスをすごすマキシムたち。仲間のひとりが撮る短編映画に出ることになったマキシムと幼馴染のマティアスが、キスシーンがきっかけでお互いの秘めたる思いに気づくという物語です。

湖畔のバカンスで生まれるこのラブストーリーは、ドランが「君の名前で僕を呼んで」にインスパイアされて作ったとのことですが、これまでのドラン作品の一環したテーマである、男性同士の恋愛と、母と息子の確執が、本作でも重要なテーマとして描かれています。

婚約者がいて、新しい仕事に就き、順風満帆な生活を手に入れつつあるマティアス。一方のマキシムは老いた母の世話を叔母に託し、オーストラリアで2年間暮らす手はずを整えます。しかし2人は互いに芽生えた感情にとまどい、先に進めずにいるのでした。

うーん、私は男性同士の恋愛よりも、30歳にして生活の基盤を築こうとせずにふらふらしている2人に、どちらかというともやもやしてしまいました。^^; 失恋の痛みを忘れるために海外に逃避するってどうなんだろう。

マキシムにオーストラリアに行って欲しくなくて?頼まれていた手続きを止めていたというマティアスの行動にも疑問を持ちましたし、そのことを知ってうれし涙を流す?マキシムにも疑問を感じてしまいました。

今後の行く末は、映画を見る人の想像に委ねられていましたが、2人には自分の気持ちに正直に、そしてしっかり地に足をつけて生きて欲しいと願ってやみませんでした。

本作は、ドランのホームグラウンドであるフランス語圏ケベックが舞台ですが、仏語と英語のカナダでの位置づけがさりげなく描かれていたのも興味深かったです。アメリカだと仏語はおしゃれなイメージですが、カナダでは英語がパワーワードになっているのだな、と。

マキシムの仲間たちが、強気になる時や内緒話の時に英語を使ったり、トロントからやってきたビジネスマンが上から目線で英語を使ったり。ラスト近くで、マキシムがたどたどしく話す英語もかわいかったです。

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AFURI の辛紅らーめん

2020年09月28日 | グルメ

六本木ヒルズで映画を見る前にお昼を食べることになりましたが、時間に余裕がなかったので、AFURI (阿夫利) でラーメンをいただくことにしました。AFURI は少し前にヒルズの中で移転&リニューアルし、白いタイルの明るいポップなお店になっていました。

神奈川県厚木発のAFURI のラーメンは、柚子胡椒の効いたあっさりスープで、私は一番好きかもしれません。お店がきれいなので、この日も女性同士や、女性1人のお客様が多かったですよ。

まずはチケットを購入。息子は限定販売の辛紅(からくれない)らーめん、私は看板メニューの柚子塩らーめんにしました。柚子塩らーめんは、麺の種類とかいろいろ選べますが、私は全てお店の推奨通りにしました。

カウンターに座ってチケットを渡し、できあがりを待っていると

お店の人から、ポンとこれを渡されました。辛紅(からくれない)のカップヌードルです。思わず顔を見合わせた私と息子。

息子が半泣きで「あのー、丼だと思ったんですけど...」と言うと、これは辛紅らーめんをオーダーした全員がもらえる、カップヌードル版の辛紅ということでした。日清が開発し、全国のコンビニで販売中で、息子も食べたことがあるそうです。(日清HP

そしてこちらがほんとうの辛紅らーめんです。唐辛子粉と唐辛子ピューレ、香味辣油、特製辛味噌が使われていて、見た目は真っ赤で辛そうですが、息子によると、唐辛子よりも柚子が引き立っているそうです。

辛紅は AFURI の新ブランドで、新宿サブナードにお店があるそうです。(お店のHP) 店名が、在原業平が詠んだ「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」に由来しているのがすてきです。

こちらは私がいただいた、お店の看板メニューの柚子塩らーめん。透き通った淡麗スープに、全粒粉入り小麦麺。炙りチャーシューに水菜。柚子胡椒がふわ~っと香って、おいしくいただきました。

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TENET テネット

2020年09月26日 | 映画

連休最終日に、息子とクリストファー・ノーラン監督の話題の新作を見に行ってきました。

TENET テネット (Tenet)

私は小規模上映の繊細なドラマがむしろ好きな方ですが、コロナ禍以来、大スクリーンで迫力いっぱいのハリウッド映画を見る機会がまったくなくなっていたので、いつも以上に本作を心待ちにしていたように思います。

公開前から、回転扉で時間が逆行するとか、タイトルはラテン語の回文がもとになっているとか、ちょこちょこ小ネタが耳に入ってきましたが、映画がこれだけ話題になったのも久しぶりのような気がします。

主人公が「ブラック・クランズマン」でのウィットに富んだ役どころが印象深かったジョン・デヴィッド・ワシントンというのも楽しみでした。それから敵役セイターの妻キャットを演じるエリザベス・デビッキの、この世のものとは思えない美しさにもうっとり。uu*

冒頭のウクライナ、キエフのオペラハウスのテロの場面から、ぐぐっと心をわしづかみにされましたが、それから先も、見る者に考える余裕を与えない場面の切り替えとスピーディな展開に、翻弄されることを楽しんだという感じです。

映像表現にこだわりのあるノーラン監督ですから、特に時間が逆行する場面ではどうやって撮ったのかな?と想像しながら見るのも楽しかった。

ビルの爆破が元にもどるところはおそらく逆回しだと思いますが、車は映画用に逆方向にハンドルがついた改造車を使っているのかな?と思ったり。(以前、ディズニーのMGMスタジオで見たことがあります)

スタントさんは、逆行する時も全力で走っているように見せなくてはならないので、さぞかしたいへんだっただろうと思います。

無名の戦士のところに未来から仲間がやってきて、地球を救う大役が与えられたり、未来の敵と戦ったり、というストーリーは、ちょっとターミネーターにも似ているような。キャットはさしずめサラ・コナーでしょうか。

ドラマとしての深みにはやや欠けるかな?とも思いましたが、その分、映像とアクションは見応えがあって、久しぶりに時空の魔術師ノーラン監督の世界を堪能しました。

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