まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

レオのBL☆コンフィデンシャル

2012-07-01 | 北米映画 08~14
 早いもので、今日から7月。皆さま、夏の計画などお立てになられてることでしょうか。
 わしには今、ビッグプロジェクトが浮上中。それは、ガーン!!つ、ついに車を買うことになるかも♪
 こないだ会社の後輩たちと、試乗に行ってきました。バリバリのペーパードライバーな私、ほぼ免許を取って以来の運転に、超緊張!あわあわヒーヒー言いながら車道に車を走らせる私を、助手席の営業マンはまるで教習所の教官のように指導。車間距離とりすぎ、ブレーキの踏み方が乱暴、真ん中走れ、何でウインカー右に出してるのに左に行こうとすんの?!などバックシートの後輩どもにダメだしされながら、命からがら無事戻ってきた時の解放感と爽快感!な~んだ!やればできるじゃん♪怖かったけど楽しかった!とノーテンキな私に、後輩くんたちは異口同音に『あんなスリルとサスペンス、味わったの初めて』『殺人未遂ドライブです!』『走る棺桶』と、いかに私の運転が無謀で危険かを訴えてきたのでした。
 平和で安全な社会のために、やはり私は車を買わないほうがいいのかなあ(涙)。でも、車であちこち行動範囲を広げる夏を想像したら、ワクワクしてきます。
 
 「J・エドガー」
 FBIの初代長官となったJ・エドガー・フーパーの野望と苦闘、そして知られざる愛とは…
 「羊たちの沈黙」や「クリミナル・マインド」など、映画やTVドラマでおなじみのアメリカ連邦捜査局ですが、いったいどういう組織なのかってのは、警察が解決できない事件に乗り出してくる、警察より上の人たち?なんてアバウトで雑な認識しかしてなかった私。その創成期にまつわる経緯やエピソードをこの映画で知ることができて、へぇトリビア(死語)でした。正義の名の下、盗聴盗撮、強引で違法な手段を用いて捜査や情報収集し、大統領はじめ権力者や有名人の秘密を握って脅す、という恐ろしい組織だったのですね。アメリカの正義と平和を声高に叫び、共産主義を憎悪し徹底的に排斥しようとしてたエドガー長官ですが、やってることはロシアや中国の当局がやってることとさほど変わらない冷酷さ陰湿さだったような…
 50年近くにわたってFBIに君臨するエドガー長官、その熱く独善的で狂信的な正義感に突き動かされての悪者(国の法や秩序を乱す奴ら)潰し、選民的で偏見に満ちた考え方や言動、強く深い虚栄心、そしてわびしく屈折した私生活が、時代を象徴する大事件や人物を絡めて波乱万丈に描かれていました。アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」のモデルにもなったリンドバーグ誘拐事件とか、わりと詳細に描かれていて興味深かったです。
 嬉しくもあり、また残念でもあったのが、エドガー長官の性癖と愛の物語が、端折られてないけど濃密には描かれてなかったこと。薄く中途半端な描写だったのが、YAOIとしては非常にもどかしかった。禁じられた愛と性にモンモン苦悩する姿に、もっと焦点を当ててほしかったなあ。

 描きようによっては、エドガー長官と補佐官クライドとの切ないラブストーリーとして、かなり魅惑的なBL映画になりえたはず。二人の愛が、中学生のように純真かつ大人の事情により抑圧的で、なかなか面白かった。のに、胸キュンや萌えに至らずだったのが、かえすがえす惜しい。イケメンなクライドに一目惚れ、厳格な仕事の鬼が恋のために私情丸出し職権乱用、ろくな面接もせず補佐官に採用。片時も彼を離さず、ご飯はいつも一緒、仲良くスーツを買いに行ったり、パーティも映画も同伴。幸せに静かに年下カレシを寵愛、たまに八つ当たりもするなど、ちょっとツンデレなところも可愛いエドガー長官でした。

 休暇の旅行にクライドを誘って、ホテルのスイートルームに彼と泊まるようにもってったのが、計画的に決まってるのにさりげなさすぎて笑えた。んで、スイートルームの二人、ついに結ばれるのかと期待したのに。殴り合いの痴話げんかの果てのキスどまりでトホホ。あのシーン、何だかオゾン監督の「8人の女たち」の、カトリーヌ・ドヌーヴとファニー・アルダンみたいで笑えたわ。それにしても。いきなり女と結婚するかも、結婚したい、なんて言い出すエドガー長官に、クライドがブチキレて暴れたのも道理だよ。どう考えても、ついに長官が僕を抱いてくれる♪なシチュエーションだったわけでしょ。長官にとって女うんぬんは、ある意味クライドへの無意識な試しだったんでしょうけど。結婚にあっさり賛成されるよりも、嫉妬むき出しで錯乱されて、長官は内心ほっとしたんじゃないでしょうか。僕の前で二度と女の話はしないで!と長官に釘を刺すクライド、乙女すぎて可愛かったです。まるで夢路いとし・こいしみたいな風貌になって、老境も仲良く暮らしてる二人に安堵しつつ、やっぱYAOI的には、幸せな爺愛よりも、若くて美しいうちに不幸、破滅のほうが理想的なんだけど(笑)。

 超マザコンで隠れホモというエドガー長官を、レオナルド・ディカプリオが熱演。激情的に狂気的に猛るレオは相変わらずコワカワいい。すっかり見た目はオッサンになってしまったレオですが、雰囲気にはまだどこか少年の残滓が。なので、威張っても貫禄はない。恰幅はよいが。そして、あの老けメイクが異常に不自然だった。今回のレオは、性的に抑圧されてる演技が新鮮で良かったです。レオって、いつもそうですが…女優相手のラブシーンでは、何だか義務的な棒演技っぽいのに、男相手だと優しさや切なさ、痛みや苦悶が自然に伝わってくるのはなぜ。レオってやっぱ…おっと、これ以上は♪
 年下カレシにベタボレな、可愛いく切ないレオ。溺愛ママ(ジュディ・デンチ、怖い…)にベッタリ従順な、情けなくキモいレオ。ママのドレスやアクセサリーを身に着けて号泣するレオは、かなりヤバかったです。白ブタのような最期も強烈でした。
 「ソーシャル・ネットワーク」での双子役も記憶に新しいアーミー・ハマーが、クライドを好演してました。彼って、ほんとデカいんですね。長身なはずのレオが、彼と並ぶとチビに見えたほど。
 クリント・イーストウッド監督は、いまいちレオの魅力を活かしきれてなかったような気がします。せっかくレオに、彼の密かなる十八番といっていいゲイの役を与えたのに。

 バズ・ラーマン監督やクエンティン・タランティーノ監督と組んだ新作の公開が待たれるレオです
 
 
 

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