


今年のアカデミー賞でショーン・ペンが主演男優賞を受賞した、ガス・ヴァン・サント監督作品。同性愛者であることを公にして公職に就いたアメリカ初の政治家、ハーヴェイ・ミルクの半生を描いたドラマ。
1972年のニューヨーク。保険会社に勤務するゲイのハーヴェイ・ミルクは、年下の青年スコットと出会い恋に落ちる。スコットと共に移り住んだサンフランシスコで、ミルクはゲイの権利のための政治運動に身を投じることになり...
同性愛者にかかわらず、貧乏人や障害者など社会的弱者に冷たく、権力保持と私腹を肥やすことしか考えてなそうな、悪代官みたいな老害政治家の先生が多くて(誰とは言わんが)、とても希望を持って生きられない今の日本です。ミルクみたいな滅私奉公的な情熱と精力あふれる若い政治家の出現が待たれます。
ミルクが周囲を巻き込んで引き起こす、巨大なゲイムーブメントの熱いうねりが圧巻。当時の実際の映像の絡ませ方も巧みでした。排斥や差別偏見など許さない!と、断固戦うミルクと仲間たちの信念と不屈さに驚嘆すると同時に、同性愛は罪悪!病気!社会の敵!と主張する保守層の堂々とした偏狭さにも目を見張るものが。ゲイVS保守派の歩み寄りのない好戦的な姿勢は、いかにもアメリカって感じで怖かった。ガンガン押せ押せ!と権利を勝ち取ってゆくミルクですが、古い傷んだビルを無理やり壊してるうちに、落ちてきた破片が頭に激突して死んだ、みたいな戦いでした。
ミルクにあまり魅力を感じなかったのは、キャラよりも単にショーン・ペンが私のタイプじゃないから?ヘタな役者だとキモいオカマ演技になるところを、一見フツーだがやっぱゲイだな、と思わせる細やかな表情や仕草が絶妙で、オスカー受賞もうなずける名演だとは心から思ったけど、な~んか気に食わねえ。イライラするしムカつくわ。ペンが嫌いなのではなく、彼が劇中でイチャイチャベタベタしてる相手のせいだ!


ミルクの恋人スコット役、ジェームズ・フランコ


ミルクを献身的に支え、別れた後も優しく見守るスコット。その無償の愛、不壊の愛情が感動的。ミルクを見つめる目、ミルクに向ける笑顔、その温かさと真摯さに胸キュン♪


フランコくんの、あのクニャ~っとした眠そうで優しい笑顔。いつもの萌え~




人間として当たり前、でも貫くには難しい崇高な愛を、いかにも同性愛演技頑張ってやってます!な熱演や力演ではなく、おおらかに優しく演じてたフランコくん、役者として素晴らしい成長ぶりを披露しています。オスカーの助演男優賞には、政敵役のジョッシュ・ブローリンよりフランコくんのほうがノミネートに相応しかったと思います。
女だけでなく、もともとゲイの支持率も高そうだったフランコくん。男の脂がのったムッチリした体つきは、その筋の方々も納得&魅了するセクシーさ。♂フェロモンはビンビン放出してます。プールでス~イスイ泳ぐ彼の全裸は必見!さすがガス姐さん、ツボは心得てらっしゃる!


同じゲイの才人でも、アルモ姐さんやマドモワゼル・オゾンと違って、ガス姐さんは真面目というか、ぶっとんだ毒々しい笑いやエロさがないのでイマイチ面白みに欠けるのですが、若い男優のセレクションは卓越してます。今回もフランコくんだけでなく、出てくるゲイの若者には端役に至るまでブサイクゼロ!だったような。
スコットと別れたミルクの前に、ヒョコっと登場して恋人になるジャック役は、ガエルのマブことディエゴ・ルナ。

ルナちん、か、可愛い~

ミルクの助手になるメガネ少年役、エミール・ハーシュも可愛かったです。たま~に、宮川大輔に見えて萎えたが(笑)。
70年代ゲイファッションも興味深かったです。ゲイの多くがヒゲ面なのが、ちょっとムサ苦しかったかも。

↑スコットとジャックのほうが理想的なゲイカップルだ~