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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

呪われた村

2018-01-10 | 韓国映画
 「哭声 コクソン」
 韓国の田舎町で、猟奇的な連続殺人事件が発生。犯人はすべて被害者の身内で、みな奇妙な湿疹と放心状態という共通点があった。村の警察官ジョングは、村に流れつき住みついた謎の日本人が事件に関わっている、という村人の噂を聞き捨てることがきず、捜査に乗り出すが…
 猟奇サスペンス映画の傑作「チェイサー」のナ・ホンジン監督作品。去年の年の瀬になって、ファン・ジョンミン目当てでレンタルしたこの映画、衝撃的すぎて他の映画をふっ飛ばしてしまいました。狂気と驚喜のトンデモ映画でした。やっぱ韓流映画は侮れません。こんな強烈で面白すぎるゲロゲロ(死語)は、もう邦画では望むべくもありません。最近、ヤバい表現を規制するポリティカル・コレクトネスとやらが、映画やドラマをどんどんつまんなくしてますが、そんな偽善や小心にクソ食らえ!この映画は、そんな大胆さと過激さで私を魅了してくれました。

 とにかくエグくてグロいシーンや暴力描写にかけては、今や他国の追随を許さない韓流映画です。この映画も、かなり危険水域に達していました。おなじみの猟奇殺人ものかと思ってたら、しだいにおどろおどろしいオカルトな展開となり、しまいにはもうワヤクチャな阿鼻叫喚キ◯ガイ映画と化していき、もう観てるほうも頭がおかしくなりそうに。2時間半以上ある長さにも気づかせないほど、激流に飲み込むような怒涛のクレイジーワールドでした。

 ホラーやオカルトはどこの国でも作られてますが、韓流には他国にはない独特なドロ臭さ、土着感があります。とても現代の話とは思えない未開の野蛮さが。今でもあんな村、あるんですね~。スマホとかネットが出てこなかったら、60年代の話かと思い込むところでした。古い因習とか、まがまがしい呪術などが似合う閉鎖的な田舎の雰囲気や、そこに住む人々の閉塞感とか鬱屈が、おどろおどろしい惨劇を見事にコーディネートしてます。朝鮮の人々といえばの、狂気じみた錯乱ぶりもヤバすぎ。ギャーギャー大騒ぎ、血まみれ血みどろで、涙やゲロなど体液を搾り出すような、悪いものに憑かれたかのような集団ヒステリー&パニック。まるで岡田あーみん先生の漫画みたいで笑えたわ~。この映画、確実に笑いも狙ってます。祈祷師の除霊の舞とか、ゾンビとケンカ?シーンとか、き◯がいすぎて大笑い。そういうところも好き。地獄絵図の中を楽しく彷徨う、みたいな映画です。オカルトの真相とか、明確な答えは語られぬまま映画は終わるのですが、そんな観客に委ねる謎も余韻を残します。たぶんあーだろうな、きっとこうだ、みたいな想像や推理も一興です。

 ヤバいシーン、ヤバいキャラのテンコ盛りですが、特に怖かったのは、村人の噂や悪夢の中に出てくる、山の食人鬼。あれ、ほんと夢に出てきそうなインパクト。小さい子どもが見たら、確実にトラウマになります。悪魔に憑依された女の子も、「エクソシスト」より激しくて醜悪で壮絶だった。あの子役、すげーわ。芦田マナとか心ちゃんなどには、絶対ムリな演技だった。よく親が許可したな~。あと、オカルトシーンなどで安易なCGを濫用してなかったのも、生々しい怖さを倍増させてました。
 この映画を観たのは、最近お気にのファン・ジョンミン目当て。

 祈祷師役のファン・ジョンミン、中盤になってやっと登場します。めっちゃ胡散臭いけど、めっちゃ男前です。除霊の祈祷シーンでは、圧巻の熱演!踊り狂うファン・ジョンミンに目がクギヅケになります。男の色気もハンパなく、怪しくてカッコいいファン・ジョンミンに惚れ直しました。彼の役も謎に満ちていて、敵なのか味方なのか、それとも…な言動に、主人公だけでなく観客も翻弄されます。

 主人公ジョング役は、ファン・ジョンミンとは「アシュラ」でも共演してたクァク・ドウォン。彼も渾身の熱演でしたが、いちばん美味しい儲け役だったのは、謎の日本人役の國村準。見るからに怪しい、危険な存在感を、毒ガスのようにジワジワと醸していました。日本人が飼ってた犬も、まさに狂犬で怖かった。犬を撲殺するシーンだけでも、もう邦画やハリウッド映画ではポリコレ的にアウトでしょう。日本人=災いをもたらす悪魔、な設定も意味深でした。國村さんの役も謎だらけで、実は?!いや、やっぱり?!なドンデン返しも、映画を面白くしています。

ワイルド検事とイケメン詐欺師

2017-11-26 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭⑤
 「華麗なるリベンジ」
 破天荒な検事ジェウクは、殺人の濡れ衣を着せられ投獄されてしまう。復讐と真相解明のため、ジェウクは詐欺師のチュオンと手を組むが…
 ファン・ジョンミンとカン・ドンウォン、韓国2大トップスター競演作です。なかなか愉快痛快なコンゲーム+相棒映画でした。刑務所の中から指令、外で実行する復讐計画に、そんなにうまくいくわけない~と苦笑しつつ、ユニークな手法や鮮やかな手口に感心感嘆。小道具の使い方や伏線の張り方など、脚本がよくできてました。コメディとシリアスのバランスも良く、韓流らしい下品な笑いと非道いバイオレンスが、いい塩梅にミックスされていました。バランスの良さといえば、ファン・ジョンミンとカン・ドンウォンも、どっちかが役得!とか出番、見せ場が多い!な偏りがないW主演となってました。

 検事ジェウク役のファン・ジョンミンは、ハードボイルド担当。いい人そうだけど荒ぶる魂を秘めた男、がオハコの俳優。そこに男の愛嬌が加わるのがいつものファン・ジョンミンですが、今回は愛嬌より哀愁、ちょっと抑え気味でシリアス色が強かったです。大げさな熱演ではなく、静かなる怒りと不屈がカッコよかったです。彼も日本にはいないタイプの俳優ですよね~。人一倍荒々しいけど、人一倍優しいところも好き。法律の知識を活用して、囚人や刑務官を手なずけて思い通りに動かしたり、法廷で被告人なのに自分を弁護する演技には、シャープな知性も感じさせて魅力的でした。

 詐欺師チュオン役のカン・ドンウォンは、コメディ担当。おちゃめな軽妙さで、お笑いもイケてることを実証。調子がよすぎる口丁手八丁が笑えた。アメリカ育ちのお坊ちゃまに成りすましてる時の、インチキくさすぎる英語も笑えた。ホスト風やヤクザ風、エリート風など、カンちゃんの七変化も目に楽しいです。選挙のボランティアで踊るシーンが、特におちゃっぴーで可愛かった。女は老いも若きもみんなイチコロ、女の子を誘惑するシーンで珍しくディープキスしてたカンちゃん。でも絶対脱がないのもカンちゃんらしかったです。裸をそんなに見たいと思わない数少ない韓流男優なので、そんなに惜しくはないのだけど。

 主に刑務所内のジェウク、外のチュオン、だったので、ジョンミンとカンちゃんの絡みは、そんなに多くありません。チュオンがイヤイヤながらも言われるままに計画を実行するのが、ちょっとなぜ?と思ってしまった。ジェウクに対して、命を賭けるほどの義理や恩はなかったはず。ジェウクの人柄に惚れて?それならそこのところ、男が男に惚れる絆や情をもっと描いてほしかったかも。いい男ふたりの映画に、まったくBLのかほりがしないのって、すごく惜しい。でも、カンちゃんがジョンミンに甘えたりジャレたりするシーンは、BL感はないけど可愛い弟分と男らしい兄貴って感じで微笑ましかったです。
 復讐のターゲットであるウ氏が、いかにも韓流の悪役。卑劣で残虐!あんな立候補者、絶対イヤです。韓国ではでも当たり前みたいにいそうだけど。ウ氏役は、ヒットドラマ「未生 ミセン」などで知られるベテラン俳優のイ・ソンミン。表は立派な候補者、裏はガラ悪すぎる外道を濃ゆ~く演じてました。検事役で、売れっ子名脇役のパク・ソンウンも出演してます。カッコよくなったミヤネ屋の中山レポーター、みたいで好きなんですよね~。それにしても。政治家→検察→警察→やくざ→チンピラ→小市民、という韓国の薄汚い裏社会のヒエラルキー、自分より下の者はゴミ扱い、も相変わらずでした。人品が下劣すぎる。韓国人の気品とか優雅といった言葉の似合わなさは、アメリカ人以上かも。メッタ刺しにされても死なない、ヤクザの武器はバット、という韓流あるあるがこの映画でも。

 ↑ファン・ジョンミンは、笑顔も素敵カンちゃんのファッションセンスが、ちょっと…

 ↑最近になって大好きになってしまったファン・ジョンミン彼の旧作、もっと観るつもり(^^♪

 韓流イケメン映画祭、これにて終了🈡お目汚し、カムサハムニダ~

黒の祓魔師

2017-11-24 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭④
 「プリースト 悪魔を葬る者」
 悪魔にとり憑かれた女子高生ヨンシクを救うため、キム神父は教会の反対を押し切って悪魔祓いの儀式を決行しようとする。キム神父の補助係に選ばれた神学生のアガトは、教会からキム神父の見張り役を命じられたが…
 韓流版エクソシスト、みたいな映画です。いたいけな少女に悪魔がとり憑いて、見るもおぞましい姿に変貌し、聞くに耐えない罵詈雑言を吐き散らし、悪魔祓いの神父たちと死闘を繰り広げる、といった設定と内容は、ほぼエクソシストと同じ。エクソシストの悪魔憑き少女みたいに、首がグルグル回ったり、ブリッジしながら階段おりてきたりな怪奇すぎて笑える動きはせず、おどろおどろしく息苦しくなるような重い空気もなく、どちらかといえばダークファンタジー系漫画やアニメの実写化っぽいノリでした。以前、年がいもなくハマったことがあるアニメ「青の祓魔師」を思い出しました。青エクが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。

 悪魔がちょっと低級で、大したことないショボさだったが、ぜんぜん怖くなかった要因でしょうか。まあ、韓国くんだりにまで流されるような悪魔なので、よほどの小物だったのでしょう。最後は子豚に乗り移るとか、とても世界に災いをもたらす悪魔とは思えない小ささでした。
 悪魔祓いの儀式や呪文が面白かったけど、あんなんで退治されちゃう悪魔って、弱っ!儀式のために用意しなきゃいけないグッズも、何かそのへんのものばかりで笑えた。韓国はキリスト教の国なので、神学校や神学生もごくフツーな存在なのでしょうか。日本ではあまり制服姿の神父さん、見かけないですよね。それにしても。神父さんでもお坊さんでもいいから、お祓いしてほしい人が最近、ほんと多いですよね~。座間の猟奇殺人鬼とか、悪魔より忌まわしい恐ろしい犯罪者に狎れてしまってるので、この映画の悪魔憑き少女なんて鼻で笑えるレベルです。
 神学生のアガト(洗礼名?)役は、人気イケメン俳優のカン・ドンウォン。

 TVドラマ時代から数えると、カンちゃんももう結構なベテラン俳優なのですが、ほとんど変わってないのが驚異。老けないですね~。1981年生まれだから、もう36歳のカンちゃんですが、大学生役でも全然イケますよ。イケメンだけど、ちょっとヘンな顔でもあるところが、彼の個性でもあります。小顔で背が高くてほっそりしてるので、神父の制服姿もカッコいい!あんな神父さん実際に歩いてたら、さぞや目を惹くだろうな~。カンちゃんのコスプレみたいな神父姿もファン必見です。子豚を連れ歩くカンちゃんが可愛かったです。

 キム神父役は、「チェイサー」や「海にかかる霧」など売れっ子の熟年俳優キム・ユンソク。口と態度は悪いけど、実は人情に厚いおっさん、でもちょっとイカレ気味、という定番の役でした。見た目はフツーのおっさんですが、よく見るといい男です。カンちゃんとユンソクおじさんとだったら、後者に抱かれたいです。

 ↑「1%の奇跡」のカンちゃんが好き。あのドラマからもう8年が経ったのか~。私はすっかり年老いてしまいましたが、カンちゃんはあの頃とあんまし変わってないですね。すっかり映画俳優なカンちゃんですが、またドラマにも出てほしいものです。そーいえば。先日映画の宣伝で来日したカンちゃん、ギャル男みたいなファッションで笑えた。いくら若く見えてももう36歳なので、イタい若作りより年相応の大人な役や演技を期待してます

反日の英雄たち!

2017-11-21 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭③
 「暗殺」
 日本統治下の朝鮮半島。韓国臨時政府の指令を受けた警務隊長ヨム・ソクチンは、狙撃手のアン・オギュンら3人を日本の要人暗殺のため招集する。日本側の密偵でもあったヨムは、計画を阻止するため凄腕の殺し屋であるハワイ・ピストルを雇い、オギュンたちを抹殺しようとするが…
 チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハン・ジョンウ、3大スターが競演した戦争映画。内容が反日、ということでも日本公開前から話題に。噂通り、日本人は残虐で卑劣な斃すべき悪人、仇敵として描かれていました。朝鮮の人って、本当に心の底から日本人が憎いんですね~。いつまで経っても赦し合えない、わかり合えないことが悲しい…のを通り越して、あまりにも頑なで後ろ向きな彼らには、この人たち大丈夫なのかな~と心配になってしまいます。朝鮮半島を占領し、やりたい放題の暴虐を尽くす日本人ですが、何だか水戸黄門の悪代官、悪商人レベルというか、スケールの小さいセコい悪人だったせいで、壮大なレジスタンス物語になり損ねていたような気がします。日本人への狭量な悪意から、あえて日本人を闇の深い巨悪として描かなかったのでしょうか。そこまで深謀的な意図があったとは思えませんが…

 豪華スターの競演、セットや衣装にお金かけた大作なのですが、何だろう、なんか惜しい!感が拭えないんですよね~。戦隊ものの悪を倒すに近いノリではなく、もっと反日感情を複雑に痛烈に描けていたら、日本人の胸をも衝く、心揺さぶる映画になってたでしょうに。最大の敗因は、悪い日本人をなぜか韓国人の俳優が、めっちゃ下手くそな日本語で演じてたこと。これで日本人のつもり?!な、何かの冗談としか思えないレベルなんですよ。ヘンな日本語に失笑しまくりで、シリアスなシーンもとんだお笑い化。

 あと、今も昔も朝鮮の人たちってまとまりがないな~と、てんでバラバラ、団結できないレジスタンスたちの戦いぶりを見ていて思いました。あまりのまとまりのなさ、感情的な行動のせいで、崇高なはずの愛国心が感じられず、カッコいい英雄に見えなかった。日本人との戦い以上に身内同士で争って血で血を洗うレジスタンスたちに、南北半島の現在がカブりました。あと、無駄に多いアクションシーン、銃撃戦シーンにも辟易。派手すぎると、返ってチープになってしまう悪例です。

 裏切者ヨム・ソクチン役のイ・ジョンジェは、相変わらずいい男彼、老けないですね~。清潔感があって優しそうだけど、男らしくどこかミステリアスなところが好きです。当時の衣装も似合ってて、韓国スターにしては珍しくファッションセンスがいいジョンジェらしかったです。スラッとした長身なので、まるでモデルのように中国服とかも素敵に着こなしてました。祖国を裏切って日本人の走狗となる悪役だけど、ぜんぜん悪人に見えませんでした。ジョンジェならもっと、何を考えてるのか分からない、不気味に謎めきながらカリスマを備えた悪役を演じられたはずなのに。彼の末路も、安易すぎてトホホでした。

 ほぼ紅一点、ヒロインであるアン・オギュン役のチョン・ジヒョンも、もうずいぶんなベテラン女優なはずなのに、あまり老化劣化しない女優ですね~。「猟奇的な彼女」の頃と、そんなに変わってないのが驚異。清楚で透明感があって薄幸そうだけど、決して折れないしなやかさが彼女の魅力です。私の苦手な可愛い子ぶりっこ女優じゃないところも高得点。けだるげでニヒルなところが好きかも。たまに井上真央に似て見えたのは私だけ?チョン・ジヒョンとイ・ジョンジェといえば、あの名作「イルマーレ」が懐かしい。「10人の泥棒たち」でも共演してましたね。次に顔を合わせる時は、フランス映画みたいな大人のドラマでお願いしたいものです。

 さすらいの暗殺者ハワイ・ピストル役のハ・ジョンウは、今や韓国トップクラスの映画俳優ですが、私はあまり惹かれないんですよね~。大鶴義丹に見えて仕方ないから?ハ・ジョンウよりも、彼の部下役のオ・ダルスのほうが目立ってたかも。風貌から、どうしてもコミカルになってしまう彼ですが、たまにはシリアス真っ向勝負な彼も見たいものです。

 ↑タフでストイック、かつスマートな男ジョンジェには、韓国版007みたいな役が似合いそう!スーツも裸も任せとけ!だもんね

全員、外道。

2017-11-19 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭②
 「アシュラ」
  悪徳市長ソンベに命じられるまま、カネのために刑事のドギョンは弟分のソンモとともに汚い仕事を請け負っていた。ソンベを失墜させたい検察は、ドギョンを脅してソンベを検挙するための罠を仕掛けるよう強制するが…
 韓流版「アウトレイジ」?本家アウトレイジよりも、こっちのほうがより凶暴で野蛮で血なまぐさくて狂ってるかも。アウトレイジの非道さは明らかに笑いを狙ったものが多く、日本の極道らしい任侠とか仁義もあったけど、この韓流映画にはそんな人間味はほとんどありません。とにかく残虐!非情!卑劣!醜悪!

 今回も思ったけど、韓流のヴァイオレンスってほんと容赦がないですよね~。殺し方や死に方、いたぶり方が異常。おなじみの刀やナタでメッタ刺しメッタ打ちには、毎度ながら正視できないものが。殴る蹴るも、激しすぎリアルすぎて怖い。血しぶき、血まみれの暴力シーンが、これでもか!と襲いかかってきて、うげげ~っと眉をひそめたり、もうやめてー!と目を塞ぎたくなるシーンのつるべ打ち。ラストは阿鼻叫喚の地獄絵図。そういうのが苦手な方は、ぜったい観ないでください。でも、血泥臭く激烈な暴力描写は、生ぬるい邦画やハリウッド映画では味わえない、まさに激辛キムチな韓流の特産品でもあります。

 汚れた刑事や汚れた政治家の話はありふれてますが、さすがにこの映画のソンベみたいな市長さんはいねーだろ?!なんでこんな見るからに怪しくて品性下劣すぎる(人前でもあまりそれを隠してない)人が市長になれたの?!警察も検察も同様。世の中は清いだけではダメ、多少の汚さは必要悪、だとは思うけど。この映画の悪は、私利私欲まみれで汚らしいだけ。質的には、暴力を抜いた舛添要一、みたいな浅ましさ醜さ。

 それにしても…暴力の内容もですが、韓国人の国民性というか気質というか…ヤバすぎるほど民度が低い。こんな市長、こんな警察、こんな検察ありえない!けど、韓国ならひょっとしたらありえるかも…と、これまで観てきた韓流映画やドラマ、そして実際の事故や事件、元大統領など思い返しながら思ってしまいました。先進国になれんはずだよ。韓国の腐敗や歪みは、日本どころではない深刻さです。

 激情的すぎる男たち。韓国人の血の気の多さは、もはや病的。ニュースとか観てもわかるけど、怒るにつけ悲しむにつけ、発狂じみた身も世もない取り乱し方に唖然。そして、他人を貶め辱める罵詈雑言が、下劣で野卑すぎる!でも、よく思いつくな~と感心してしまうほどのボキャブラリーの特異さと豊富さ。私も一度は嫌いな人に、このウジムシ野郎!とか、便所虫の分際で!とか言ってみたい。北朝鮮の挑発コメントもだけど、日本人にはマネのできない品性ゼロな口汚さです。

 この映画、キャストが豪華!主演級スターの競演が、韓流ファンには嬉しい。最近の韓流映画は一枚看板よりも、数枚看板映画が増えてる?よほどのスターじゃないかぎり、一人では集客が難しくなってるのかしらん?
 まずは、刑事ドギョン役のチョン・ウソン。

 汚いことしても言っても、暴力の血泥にまみれても、いい男!ズタボロの満身創痍になっても、カッコよさは隠せません。粗野に振る舞っても凄んでも、顔が優しいのであんまし怖くないです。長身でガタイがいいので、格闘シーンには迫力が。格闘家みたいな動きや力強さも、さすが兵役がある韓国男って感じ。いつも不幸で不運なウソンなので、たまにはハッピーで明るい彼も見たいです。

 こんな市長ぜったいイヤ!な悪徳市長ソンベ役のファン・ジョンミンの怪演が、この映画の白眉かもしれません。いちばん美味しい役でした。目つきがヤバすぎる。まさに狂人の目。卑劣で凶暴、やることなすことエゲツなさすぎる極悪人なのですが、何か笑える愛嬌もいっぱいで、可愛く思えるシーンも多々あります。水をこぼして濡れたスーツのズボンとパンツを脱いで、ずっとケツ出したまままウロウロしてる姿が、滑稽(アソコが見えそで見えない)かつ可愛かったです。すごい感情の起伏が激しい役で、さぞや演じてて疲れたことでしょう。見てるほうも疲れましたし。ファン・ジョンミンって、お人よし役でも何かちょっとヤバい人?と思わせますよね。そういうところが面白くて好き。韓流トップクラスの性格俳優なのでは。彼にはぜひ、緒形拳の「復讐するは我にあり」韓国版リメイクに挑戦してほしい!あの殺人鬼役は、今の日本の俳優では無理!演技力、ルックス、年齢的にもファン・ジョンミンならピッタリかも!

 ソンモ役は、「宮」や「魔王」などで日本でも人気だったチュ・ジフン。爬虫類顔はちょっと苦手だけど、彼もいい感じにイケメン俳優から脱却し、性格俳優に成長しつつあるのではないでしょうか。冷酷な顔なので、情にもろく悪人になりきれないソンモのような役よりも、骨の髄まで悪人な役のほうが似合いそう。ウソンとの愛憎関係、愛憎がぶつかり合うシーンに、腐が萌えるものがなかったのが残念。せっかくの男だらけ、男祭りな映画なので、ほのかでもBLのかほりが欲しかったです。
 あと、韓国の貧乏人の居住区の、暗く寒々しく荒廃した家や、狭くて入りくんだ小道にも、毎度目を驚かされます。日本でもまだ、あんな場所あるのかしらん?

 ↑チョ・インソンとW主演の「ザ・キング」が来春日本公開決定!したウソン、最新作ではカン・ドンウォンと共演だとか。スター共演が続きますね~

 ↑最近すごくチョアチョアなファン・ジョンミンの新作は、ソ・ジソブやソン・ジュンギと共演した「軍艦島」。内容が反日的な問題作だとか…

雪に濡れたふたり

2017-11-17 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭①
 「男と女」
 知的障害をもつ息子とフィンランドのヘルシンキに滞在していたサンミンは、同じ韓国人の建築家ギボンと出会い、互いに名乗ることもなく一度だけ肌を交わして別れる。韓国に帰国したサンミンは、突然自分を訪ねてきたギボンに戸惑いながらも再び…
 日本では最近、政界でも芸能界でもスポーツ界でも、ゲス不倫が盛んですが。どれも生臭くて薄汚くて、うんざりさせるものばかり。でも不倫なんて、現実にはそんなものなんですよね~。不倫といえば、古くから様々な映画やテレビドラマ、小説などの題材となり、甘い罪悪感と悲壮感に満ちた恋愛、美しいイメージで描かれたものが多いので、実際にまったく縁のない私などからしたら、ファンタジーに近い世界でしたが。一連のゲス不倫の流行で、汚らしい醜悪な迷惑行為としか思えなくなりました。

 この韓流不倫劇は、いちおう昔ながらの甘美で哀切な道ならぬ恋物語となっていますが、現実のゲス不倫のおかげですっかり冷めてしまった目には、それってアリなの?!とか、調子いいなあ~とか、ズルい!とか、ナンダカンダと難癖をつけずにはいられぬ映画となってしまっていました。
 主人公の男女の不倫よりも、彼らの夫や妻、子どもたちの扱い、描写の端折りっぷり、都合のよさが気になって仕方がありませんでした。特にサンミンの夫なんか、影が薄すぎていてもいなくてもいい存在だった。子どもの障害や妻の鬱病を不倫の免罪符にしてた内容にも、何か引っかかるものを感じました。本当に相手を愛して、というより、互いのストレスや寂しさ解消、性欲処理のための関係、としか思えなかったです。実はゲス不倫なのに、甘く切ない恋愛に見せようといろいろオブラートに包んでた、みたいな印象。

 普通の恋愛よりも不倫のほうが、男女の温度差がイヤな形で現れるものなのでしょうか。サンミンとギボンを見ていて思った。女はしたたかだけど愚か、男は弱いけどズルい、と。サンミンの表面的には冷静で狡猾な不倫ごまかし言動は、アッパレの一言。でもいったんタガが外れると、盲目的で破滅的な衝動に突き進んでしまうのも女の怖さ。ギボンの無邪気というより幼稚な言動には、イライラさせられっぱなしでした。女の都合や心情などお構いなしで、ガンガン攻めてくるアプローチは、ほとんどストーカーだったし。夢中になってる間は情熱的だけど、ハタと我に返って現実的な選択ができるところも、男の身勝手さ。ラストシーンとか、甘く哀しい演出なんだろうけど、私には不気味なほどみじめな終幕としか思えなかったです。それと。サンミンとギボンの比較的裕福な生活を見ていて、やっぱ不倫は貧乏人より金持ちのやることだな~と苦笑。生きてくだけでイッパイイッパイな私のような者には、不倫するチャンスも気力体力もありません(笑)。
 ギボン役は、私の韓流3王子の一人であるコン・ユ❤

 彼が本格的な濡れ場に初挑戦したということで、絶対に観ねばならない映画だったんです(笑)。ちゃんと脱いで濡れてたコンたんでしたが、期待してたほどのものではなく、ちょっと肩すかし。コンたんにはあれが精いっぱいだったのかな。コンたんにしては頑張ってたと思うけど、チュ・ジンモやチョ・インソン、チョン・ウソン、ソン・スンホンやコ・ス、チュ・ジフンなど、これまで数々の人気韓流イケメン男優が挑んだ驚愕の全裸ズコバコに比べると、良く言えばソフト、悪く言えば大したことなし、でした。あれぐらいなら、日本の若い男優でもできそう。コンたん、ケツぐらい出さなきゃ!でも相変わらず肉体美でした。

 コーヒープリンスの頃に比べると、さすがに顔は老けたコンたん。でも、成熟した大人の男の域には、まだ達していません。まだ青年っぽい。イケメンだけどアホ顔なので(大沢たかおに似てるとよく言われてるけど、私には安田大サーカスの団長に見えることがままあり)、シリアスな演技しても深刻に見えないんですよね~。やっぱ彼はコメディ向きです。年下のイケメンがヒロインにガンガン迫ったり甘えたりする描写や台詞は、韓流の十八番ですよね。もしキモいブサイクが同じことやったら、ただのストーカーで即通報です。
 サンミン役は、「シークレット・サンシャイン」でカンヌ映画祭女優賞に輝いた、韓国随一の女優で濡れ場女王でもあるチョン・ドヨン。傑作「ハッピーエンド」とちょっと通じるところがある、虚無的かつ激情的なヒロインを巧演してました。いつも思うのですが、彼女ってすごく絶妙な表情をするんですよね~。特に印象的だったのは、いなくなった息子を探す車内での彼女。焦燥感の中にも、いっそ見つからないほうが…とでも考えてそうな闇を感じさせる表情が怖かったです。ラブシーンでは終始コンたんをリードしてましたが、完脱ぎなしで彼女にしてはフツー。下着姿が煽情的でした。
 フィンランドロケも売りとなってますが、なぜフィンランド?あまり必然性を感じなかったです。ほとんど韓国で話は進んでたし。それはそうと。日本でも、大人のメロドラマ映画作ってほしいなあ。漫画映画ばかりでトホホです。

 ↑今年は日本で「新感染」「密偵」も公開と、コンたんファンには嬉しい年でした

屁こき女の犯罪分析

2017-06-07 | 韓国映画
 「パーフェクト・プロファイラー 命がけの恋愛」
 スランプ中の推理作家ジェインは、事件が起きたと思い込んでは警察に通報するなど、迷惑行為を繰り返していた。ジェインを愛する幼なじみの警察官ロクファンは、FBI捜査官のジェイソンとジェインの急接近にヤキモキする。折しも彼らが住む街では、連続殺人事件が発生していたが…
 韓流映画って、ほんと当たりハズレが極端なんですよね~。この映画は、残念ながらバリバリの後者でした。もしお金出して劇場で観てたら、金と時間返せと確実に激オコ。内容も演出も演技も、昔なつかしの月曜ドラマランドでした。おニャン子クラブ主演レベルです。憤りを感じるのは、いい女優、いい俳優をこんな映画で無駄づかいしてること。もったいなさすぎる。どんな大人の事情があったかは知りませんが、こんな映画に出るほうも出るほう。作品選びのセンスがなさすぎます。愚にもつかぬことを延々とやらされて、可哀想でもありました。くだらなさが中途半端なんですよ。どうせなら、ドン引きするほどの強烈なくだらなさにしてほしかった。韓流映画お得意のオゲレツ下ネタで攻めてほしかったです。
 主演の3人は、私が大好きなスターばかり。なので、かえすがえす映画の低レベルさが残念無念。この3人なら、もっと良質の映画が撮れたはずなのに。

 ヒロインのジェイン役は、私が韓国女優の中でいちばん好きなハ・ジウォン。私が韓流ドラマにハマった頃すでにトップ女優だったので、彼女ももうかなりのベテラン女優。だけど、見た目がほとんど変わってない。キャリアの長さと実年齢を考えると、驚異の若々しさです。健康的なお色気も彼女の魅力。強い女役がオハコなジウォンさんですが、コメディエンヌとしてもチャーミング。でも、この映画の彼女はお色気もコメディ演技も中途半端。もっと弾けて飛んでほしかった。

 緊張すると超臭いオナラをしてしまうという設定とか、日本の美人女優ならやらないオバカさは良かったけど、そこもいっそもっと下品にしたら笑えたのに。若く見えるけど、実際にはアラフォーな彼女なので、どう考えても20代のギャルな役はイタい。キャピキャピかわいこブリっこな演技は、ちょっと気持ち悪くもありました。やっぱジウォンさんは、鋭い眼光で相手を睨みつけ、身も心もズタボロになりながらも運命と闘う女の役が似合います。
 ロクファン役は、私の韓流3王子のひとり、チョン・ジョンミョン

 ミョン太、相変わらず可愛い!とっちゃん坊やを極めてる最近のミョン太です。どんな役してもどんな作品に出ても、とにかく非の打ちどころがなく可愛い。小顔猿顔童顔、すらっとした長身だけどガッチリムッチリしたガタイのよさ、可愛いけど男らしい雰囲気、すべてがドストライク。お巡りさんの制服姿も、まるでモデルみたい。あんなお巡さんいたら、くだらないことで通報したり、用もないのに交番に駆け込むわ!でも、ミョン太ももう30半ば。いい年だし、あいつはあいつは可愛い可愛い男の子~♪キャラは、そろそろ卒業して大人の俳優へとイメチェンしてみようよ~。若い頃はよく脱いでたミョン太も、最近は無駄脱ぎしなくなりましたね。人気韓流男優の通過点、全裸濡れ場に彼が挑戦するのはいつ?!

 ジェイソン役は、台湾から出稼ぎ出演?のチェン・ボーリン。チェン坊、しばらく見ないうちに男前になりましたね~。同じイケメンでも、韓流男優と違って華があります。美男!彼も風貌・雰囲気ともに、あまり変化がないですね。若く見えるので、FBIの敏腕捜査官には全然見えませんでした。どう見ても大学生。ミョン太とはもっとイケメン対決してほしかった。二人の絡みが陳腐で薄っぺらかったのもトホホ。

 それにしてもハ・ジウォン、いつもイケメン二人に挟まれて困っちゃうな~♪な役ばかり!羨ましいというより、最近は痛ましい。「シークレット・ガーデン」とか「奇皇后」とか、どう見ても弟にしか見えない年下の男優とばかり愛し合うヒロインには、いくら若く見えるとはいえ強引さ、無茶してる感がハンパないです。この映画でも、ミョン太&チェン坊が彼女と同年齢的な設定が、すごく不自然に感じられて仕方がなかったです。

 ミョン太、チョアチョア~

狂王と姦臣

2016-10-30 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭③
 「背徳の王宮」
 狂気の暴君、燕山君が支配する朝鮮王朝。野望に燃える廷臣イム・スンジェは、王に取り入るため1万人の美女を王宮に強制的連行し、王の色欲を満足させるための性の秘技を習得させようとするが…
 「霜花店」や「後宮の秘密」など、韓国で定期的?に製作されるエログロ時代劇、私けっこう好きなんですよね~韓流のエログロって、ほんとハンパないですからね~。おこちゃまスウィーツ向け、ジジババ向けな毒にも薬にもならん映画ばかりの今の邦画では、絶対にありえないトンデモシーンのてんこ盛り。頻繁には無理だけど、たまに食べると美味しいゲテモノ料理みたいです。
 この映画も、史実に基づいてるらしいけど、99.9%は創作でしょう。とにかくあんな王さま、あんな宮廷、いや、あんな国イヤすぎます。王さまも貴族も誰ひとり、国を良くしたいとか国民の暮らしのことなど一顧だにせず、ただもう権力と色欲を求めて酒池肉林と殺戮。ほんと、国民はいい迷惑!最高の名器とヤりたい!という王さまの思し召しをかなえるため、国中の見目麗しい女を集めて大々的に性戯レッスン&トレーニング。その華やかに卑猥な内容が笑えます。く、くっだらねー!しょーもなさずぎる!なことを、大真面目に命がけでやってる女たちが、悲壮かつ滑稽。特に笑えたのは、股ぐらにスイカやカボチャを挟んで割る特訓。あんなんやったら、ほんとに締まりが良くなるのかな若いギャルたちがおっぱいもお尻も丸だしで、ハレンチに目指せ名器。先にイかされたほうが負け!なレズプレイ対決とか、そーいうのが好きな人にはたまんないかもしれませんが、苦手な人にはグロテスクなだけかも。

 エロに関してはおバカコメディのノリですが、ヴァイオレンスはホラー。目を覆いたくなるほど残虐でエグいです。処刑や拷問シーンは、ほんと容赦なしの残忍さ、激しさと汚さ。心臓の弱い人は絶対に観ないで!韓国って、ほんと野蛮だよな~。とにかく、このエログロは今や韓流でしか味わえません。
 好色な王の慰め者になる女たち。生娘だけでなく、人妻まで。無残に拉致されたり夫と引き離されたりする女がいる反面、自ら志願する女もいる。ちょっと従軍慰安婦問題について考えさせられました。
 主演は、日本でもTVドラマ「宮」や「魔王」などで人気のチュ・ジフンと、「台風太陽」や「蜜の味」などでの好演も忘れがたいキム・ガンウ。

 イム・スンジェ役のチュ・ジフン。野村萬斎+長谷川博己、みたいな爬虫類系顔の彼、正直ちょっと苦手な俳優なのですが、この映画の彼は今まで観た出演作の中では一番いい男に見えた。冷たいお公家顔が、時代劇に合いますね。貴族の衣装が似合うスラっとした長身、美声もカッコよかった。冷酷で狡猾な役もハマってましたが、だんだんいい人になっていって、せっかくの悪の魅力が!と惜しかった。徹底的に悪い役のほうが良かったのに。韓流男優には通過点?である、すっぽんぽん濡れ場もあり。頑張って脱いで激しく濡れてましたが、ひょっとしたらジフン本人じゃなくて替え玉?と疑ってしまう撮り方だった。あっという間に終わるし、ジフンのファンにはちょっと物足りないかもしれません。
 燕山君役のキム・ガンウ、よくこんな役を引き受けたな~。制作者側に、何か弱みでも握られてたのかしらん。人気俳優にとっては、かなりリスキーな汚れ役です。もうずっとイカレポンチで、ズコバコか人殺ししかしてません。でも、突き抜けたき○がい演技は、何だか楽しそうでもあって、ゲロゲロな鬼畜なのに可愛く見えたり。ヴァラエティに富んだ変態ご乱行シーンが笑えます。特に、女たちといろんな体位を試す閨房シーンが傑作。ありえねー!な体位にも挑戦してますまぐわい中の顔芸も強烈!ラストに受けるお仕置き、豚の刑がトンデモすぎる!おいっハングマン(懐かし!)かよ!完全にお笑いに走ってました。
 あられもない姿になって、アンなことコンなこと。ヒロインから端役に至るまで、女優たちが何か可哀そうだった。女優魂を燃やすような内容じゃないもん。AVもどきな猥褻で変態的なことをやらされて、演技とはいえ辛かっただろうな~。親が見たら泣くよ。あと、ナレーションが北朝鮮の女性アナウンサー調で怖笑!

米びつ王子の悲劇

2016-10-26 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭②
 「王の運命 歴史を変えた八日間」
 18世紀の朝鮮王朝。王の英祖は、後継者である息子の世子に期待をかけるが、政治や権力よりも芸術や武芸を愛でる世子は、父王を怒らせ失望させる。しだいに父子間の亀裂は深まり、それは恐ろしい破滅へと世子を追いつめることに…
 TVドラマ「秘密の扉」でも描かれた、英祖王と思悼王子の悲劇。あまりにも悲惨な父と子の断絶と愛憎には、見てるほうも疲れます。とにかく激しいのなんのって。王室だろうが庶民だろうが、感情ムキ出しで平和でいられない気質は、いかにも韓国って感じです。私なんか、家族と争っても得るものなんか何もないから、いたって平和で淡泊なもんですよ。波風立てるのもめんどくさいですし。

 王さまも世子も、どっちもどっちなんですよね~。どっちかが平凡で気性の穏やかな人だったら、あそこまでこじれなかったでしょう。プレッシャーやストレス、疑心暗鬼でブッコワレちゃう世子が、もうちょっと我慢強くてズルい王子だったら、きっと次の王として君臨できたでしょうに。魑魅魍魎な王宮でサバイバルするには、あまりにも繊細で弱かったのが残念。王子に生まれなかったら、立派な人物として一生をまっとうできただろうに。生まれた場所が悪かった、間違ってた。

 王さまもな~。あんなお父ちゃん、絶対イヤだわ~。不寛容で無慈悲すぎるよ。いくら息子が期待はずれで、ちょっとばかし反抗的になったからといって、あんなに非情に追いつめなくても。大人げない態度とかも、料簡が狭すぎる。精神的虐待が、見ていて怖く不快だった。暴力的な支配欲、恣意的な振る舞いは、韓流ドラマとかでもおなじみの父親像です。

 王さまがガッカリするほど、世子はダメ息子じゃなかったけどな~。むしろ、英邁な資質がある王子さまだったのに。ひょっとしたら、それが気に食わなかったから、あんなに冷たく当たったのでしょうか。自分の思い通りにならない、自分にはもうないキラキラした若さと才能を妬み、排除することで権力にしがみつく老害…自分を脅かす存在と見なし、王は王子をツブしたのでしょうか。今の社会でも見受けられる関係ですね。王さまがあまりにも冷酷で強権的だったので、仕方なくやったんだよ~と言わんばかりの慟哭も、そらぞらしく寒々しかったです。父子ケンカに巻き込まれる世子の生母と妃、そして誰よりも世子の幼い息子イ・サンが哀れだった。英祖も世子にとっては非道い父親でしたが、世子もイ・サンにとってはろくでもない父親だったな~。それでも父を愛し、助けようとするけなげなイ・サンに涙。
 それにしても。有名な米びつの刑…ひえーです。何かにつけて野蛮な韓国ですが、これはいくらなんでも。いっそ斬首、絞首のほうが、はるかに人道的です。あんな死に方だけはしたくない!と、怖気をふるいました。「秘密の扉」と違い、米びつの中での世子の酸鼻を極めた生き地獄が描かれているので、閉所恐怖症の人は絶対観ないでください。
 世子役は、TVドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」などで日本でも人気のユ・アイン。

 アインくん、やっぱ可愛いですね~。今でも高校生役やれそうなほどの童顔、若々しさ。可愛いけど、日本の某事務所のタレントとは違い、スラっとした超スタイルのいい長身、男らしい雰囲気。あまり高貴な役や狂気的な役は似合わないとは思うけど、従順で純真な息子が追いつめられて積み木崩し、イカレてコワレていく過程を激情的かつナイーブに熱演してました。あまりにも少年っぽいので、息子のイ・サンが年の離れた弟にしか見えなかった。同じ世子役でも、高潔な優等生だった「秘密の扉」のイ・ジェフンと比較するのも一興かもしれません。

 英祖王役は、韓国きっての名優ソン・ガンホ。鬼父をこれまた熱演してましたが、ガンホおじさんもどちらかと言えば、ひどい目に遭う役のほうが似合う俳優。人がよさそうな情味ある魅力が強いので、冷酷な役はちょっと違和感が。「秘密の扉」のハン・ソッキュの、人が悪そうで歪んでそうなところは鬼王役にはドンピシャでしたが。
 世子妃役のムン・グニョンも、アインくんに負けず劣らずな童顔。ラストの老けメイクになった彼女、こんなおばあちゃんいるいる!な、可愛らしい婆っぷりでした。婆メイクが似合うという稀有な若手女優かも。英祖王の母后役を、「冬のソナタ」など韓流母ちゃん女優の大御所、キム・ヘスクが好演してます。
 そしてそして。英祖亡き後、王座に就く世子の息子、TVドラマや映画でもおなじみ(「王の涙」ではヒョンビンが演じてましたね~)の賢王イ・サンとして、ソ・ジソブが登場!

 成均館のコロ先輩(ヒゲ生やしたアインくん)、初めて見た時ちょっとジソブに似てる?と思ったので(実際には全然似てませんが)、父子役(年上のジソブのほうが息子!)は驚喜なキャスティングでした。久々に見たジソブ、いや~やっぱいい男ですね~。冷たい能面顔が、時代劇に合ってる。静かに威風堂々な雰囲気、ぬお~とデカい筋骨たくましい体躯も、王者の貫禄と威厳に満ちていて、カッコよかった!カメオ出演のチョイ役なのかなと思ってたら、意外と出演シーンは長かった。宴で舞うシーン、優雅で勇壮で、悲しそうな瞳が美しくて、うっとり見とれちゃいました。ジソブ主演でぜひイ・サンの半生を映画化してほしいかも!

 アインくんといえば、やっぱ成均館のコロ先輩!コロ先輩には萌えたわ~。アインくん、早くコロ先輩超えを!とは思うものの、しばらくは無茶な背伸びはせず、カッコカワいいイケメンのままでいてもいいよ

吠えヅラかかせたる!

2016-10-23 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭①
 「インサイダーズ 内部者たち」
  政治家や財閥一家のための汚い裏仕事にウンザリしたヤクザのサングは、彼らの癒着の証拠となるファイルを手に入れ、そのコピーを兄と慕う高名な評論家イ・ガンヒに差し出す。しかしガンヒの裏切りにより、サングは制裁として片手首を切断されてしまう。復讐に燃えるサングに、野心家の検事ジャンフンが接近するが…
 愛しのイ・ビョンホン主演作です(^^♪
 ただ見た目が飛びぬけて男前、ただ演技がズバ抜けて巧い、な役者では出せないオーラ、できない役ってのがあるんだよな~と、ビョン吉さんを見るたびに思ってしまいます。そんな特別さゆえにビョン吉さんもまた、フツーの一般人役ができない俳優。それって、役者として得でもあり損でもありますね。
 
 政治家や財閥の手先となり、汚い仕事を請け負うヤクザ役のビョン吉…いや~やっぱ彼には、ヤーさん役がいちばん似合いますよ。髪もスーツもパリっとキメた極道っぷりも、ガラが悪いゴロツキどチンピラっぷりも、どっちも板についててカッコいいのなんの。狂犬の凄みと悲しみといい、任侠、仁義とかいった言葉が最も似合う俳優が、日本ではなく韓国にいるのが何だか惜しい。かつて多くの人を魅了した、ヤクザ映画の野性的で荒ぶる男たちは、邦画から消滅しちゃってますよね~…

 突き落とされた地獄の底から這いあがり、執念の逆襲に身を投じるサングを熱演してるビョン吉。相変わらず悲運と暴力に愛されてる男です。幸せな時よりも、不幸な時のほうが輝いていて、優しい時よりも、荒々しい時のほうが色っぽい。壮絶に半殺しにするされるな、ドSとドMの両方のビョン吉を楽しめます。
 サングって粗野で凶暴な、触るな危険!な狂犬なんだけど、どこかひょうひょうとお気楽な言動が、人を食ってて笑えます。のらりくらりした喋り方が何か可愛かった。かなりコミカルな味わいもあって、おバカコメディも実は得意なビョン吉の面目躍如な役。クスっと笑えるシーンは多いのですが、特に好きなのは、潜伏中のラブホのトイレでの排便シーン。ウンコシーンなんて、日本の織田裕二やキムタクは絶対やりませんよね~。音がリアルすぎる!「王になった男」でもビョン吉、ウンコしてましたよね~。

 ビョン吉といえばの肉体美は、今回もチョコっとだけでしたが、どんな役でも彼の色気はハンパないです。40半ば、年齢的にも男盛りですからね~。でもビョン吉、本国の映画ではほとんど脱がなくなりましたね~。でもでも、その代わり美しい瞳と声は、この映画でもマジカル!裏社会でしか生きられない男の性(さが)、その悲しみにウルウル潤んだ瞳に吸い込まれそうになります。下品で乱暴な台詞も、あの美声で言われると美しいポエムより胸に沁みる…
 ハリウッドでも活躍中のビョン吉、本国でもコンスタントに映画出演してますが、最近はビョン吉一枚看板な主演作じゃないのが、ちょっと気になる。今回も、チョ・スンウとのW主演だったし。本国では、スター力がビミョーに弱まってきてるのかな?ヘンなスキャンダルもあったしね~…スターの華、実力は今でも韓国随一だと思うので、俺が主役だ!俺だけ見てろ!な映画に出てほしいものです。

 検事ジャンフン役のチョ・スンウは、演技派として名高い若き名優。ちょっとミスチルの桜井に似てる?いい役者なんだけど、やっぱビョン吉に比べると地味~。野心が正義感に変わっていく過程を、きっちり手堅く演じてました。演技に隙がないですね~。すべてを影から操る評論家イ・ガンヒ役は、TVドラマ「根の深い木」の怖い先王役や、「蜜の味」の不気味な役も強烈だったペク・ユンシク。今回も上品だけど禍々しい毒おやじっぷりでした。

 それにしても…韓国の政治、社会、マスコミも腐ってますね~。でも、悪人たちの悪行や言動、成敗のされ方も、何か時代劇みたいだった。ほとんど水戸黄門の悪代官、悪商人なノリ。いくら何でも日本の政治家や大企業トップには、あんな人たちいないですよね~。国会前で、大物政治家をズラっと並んだ子分たちが深々とお辞儀してお見送りするなんて光景、日本ではありえませんし。何もかもが大っぴらに下劣で下品すぎる。韓国のモラル、民度の低さは深刻。時代劇と大して変わらぬ価値観、言動など、韓国が発展はしても先進国にはなれないのが、何となく理解できます。
 暴力描写の容赦なきエグさも、相変わらず韓流映画。韓国の暴力団抗争での武器は、銃ではなく刀とカナヅチ、またはバット。必要以上のメッタ刺し、メッタ打ちが怖すぎます。手首をノコギリで切断シーンとか、うげげげ!でした。でも最も気持ち悪かったのは、政治家の性接待シーン。おっさんたちが、あんなこと…グロテスクすぎ!性接待といえば、もはや韓国って感じですが…信じられない、信じたくない醜悪さです。
 この映画、邦画でリメイクするとしたら、理想妄想イルボン版は…
 サング … 内野聖陽
 ジャンフン … 向井理
 イ・ガンヒ … 草刈正雄
 財閥主 … 國村準
 大物政治家 … 吉田鋼太郎
 が、いいかも~♪

 ハリウッドでも活躍中のビョン吉さん、「マグニフィセント・セブン」が来春日本公開!待ち遠しい!本国では、今度はカン・ドンウォン!共演の新作が近日公開だとか。楽しみだけど、まさかカンちゃんのほうがクレジットが上ってことはないでしょうね?!ここ、ファンにとっては重要!