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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

穢土荘厳の塔

2007-03-09 | 北米映画 00~07
 最近、ますます忘れっぽくなってる私。
 アクセサリーのつけ忘れ。携帯の置き忘れ。録画セットし忘れ。薬の飲み忘れ。入浴中、あれ?体、洗ったっけ?とか、犬、もう散歩に行ったっけ?と、ほんとに思い出せない。ボケた婆さまが、私まだご飯食べてない!と一日中リピートしてるのを、嗤えません...
 こう度重なると、単なるモノ忘れの域を越えてるのでは、と不安...だけど、忘れっぽいくせに、私の頭の中の消しゴムのカスのような、どうでもいい&イヤな記憶は、いつまでも忘れられないまま。都合の悪いことを忘れられる、都合の良い記憶喪失になら、喜んでなりたいんだけどなあ。

 「バベル」
 カンヌ映画祭やアカデミー賞で旋風を起こし、世界中の映画ファンの間でも、話題沸騰&賛否両論となっている作品。
 モロッコ、メキシコ、日本。遠く隔たった場所で起こる事件と、それに関わる人間模様。まったく関係がないように見える三つの世界を繋げているものとは...
 同じアレハンドロ・ゴンザレス・イニ、ニ、ニャ(ガブっ痛っ舌かんだ~!)イニャリトゥ(名前、難しすぎて、いまだに覚えられない&言えない~!)監督の「アモーレス・ペロス」「21グラム」も、人間関係と時間が錯綜する展開と演出でした。TVドラマの「24」みたいに、同時進行する複数の場面を、コマ割り同画面で見せてくれるような、解かりやすさや親切さはないので、脈略もなく突然、まったく違う世界に飛ぶ展開や、ちょっと入り組んだ時間差に、??!?になる。慣れてくると、パズルが合い始めたかのような面白さになるのだけど。
 モロッコもメキシコも日本も、まったくの別世界だけど、人間の本質は同じ。渦巻く愛憎、敵意、エゴ、不平等、不条理、怒りと悲しみ、絶望と失意、そして希望と理解...厳しい状況下に置かれた登場人物たちが、ゆくりなくも取ってしまう言動が、イタくて悲しい。人間愚は、ほんとボーダレスです。
 なにげない善意(モロッコ人のハンターに、ライフルをあげる日本人)や、悪意のない過ち(誤射、飲酒運転)が、人の運命を大きく狂わせるのだ、と怖くなります。そんな愚かさを人間は日々、バベルの塔を建てるように積み重ねていく...
 イニャリトゥ監督の才能ゆえか、作品ごとにキャストが豪華になっているような。
 モロッコで災難に遭うアメリカ人夫婦を、ブラッド・ピット&ケイト・ブランシェットが。
 ブラピは、なかなかの熱演。憤怒や悲痛さが伝わってきて、観てるほうも息が詰まりそうに。同じ立場だったら...と想像すると、ほんとゾっとする。モロッコ、絶対行きたくない...
 この映画が日本で、映画ファン以外でも知られる存在になったのは、言うまでもなく、オスカー候補になった菊池凛子のおかげ。でも...はっきり言って、この映画の彼女、めちゃくちゃ気持ち悪いです!
 菊池凛子の役は、聾唖の日本人女子高生。他人とうまく意思疎通できない、というより、自分が聾唖者だと知ると男が引いてしまうことに、欲求不満。ウサ晴らしに、ノーパンで男を挑発したり。クスリと酒でハイになったり。あげくは、若い刑事の前に全裸で現れたり。キモい&怖い~!
 いつもイライラor虚ろな表情も、すごく異様。私には、異常な色狂い娘にしか見えなかった。あのキャラって、聾唖の女性を侮辱してるような...黒々としたヘア、痛々しい全裸姿も不気味な菊池凛子。確かに強烈ではあります...
 って、ワタシ的には、リン子=どーでもヨシ子さん。私の目当ては、言うまでもなく、ガエル・ガルシア・ベルナル
          
 きゃガエル、ちょっと胡散臭いけど、やっぱカッコカワイいなあ。何となく優しい感じの英語と違って、攻撃的で男っぽくなる母国語スペイン語が、チャーミング。小さな役だけど、やっぱ彼ってスターだよなあ、と再認識させるオーラです。でもサンティアゴ(ガエルの役)、ほんとバカ野郎なんです。警察に捕まりそうになりパニック、おばさんと小さい子供を車から砂漠に放り出して、ひとりでトンズラ!ひどい!
 と、飲酒運転ガエルも、モロッコのライフル少年も、バカなせいでトンでもない事態を招いてしまうんだけど...マイノリティ的な彼らがそうなってしまった遠因は、アメリカと日本にある...という描き方が、ちょっと引っかかります。豊かさの中、倦怠的で虚無的な日本の青少年たちの姿といい、世界を力と金で支配するアメリカと日本への、遠まわしで痛烈なメッセージなのでしょうか。悲惨な目に遭うアメリカ人や、グロテスクな日本人から、虐げられてる者の恨み節が聞こえてきそうです。
          
         ↑ ガエル&まちゃまちゃ?
 
 
 

歓迎☆結婚式荒らし

2007-03-07 | 北米映画 00~07
 サクラの花芽は、夏に形成され、以後は休眠状態に。寒い冬の間、一定の低温にさらされ、やがて眠りから覚め、開花する...これを、休眠打破、と呼ぶそうです。
 サクラと違って、一年中ユルいヌルい環境でヌクヌクしてるから、私という人間はいつまで経っても花が咲かないのでしょうか。そんな自分を、打破したいけど...It may be too late?

 春!お松の独り桃色ラブコメ映画祭③
 「ウェディング・クラッシャーズ」
 my dear ヴィンス・ヴォーンのハジケっぷりが、超ゴキゲン&可愛い映画。
 赤の他人の結婚式に潜入し、飲んで食べて騒いで、いい女お持ち帰り!結婚式荒らし“ウェディング・クラッシャーズ”の主人公二人。ある大物政治家の娘の結婚式で、一家のトンデモぶり&想定外の本気の恋に遭遇してしまい、スッタモンダの大騒動!
 甘ったるいロマコメは苦手ですが、こーいうハチャメチャおバカ&ウルトラハッピーなコメディは、アメリカ映画で一番好きなジャンルです。下品な下ネタ満載なのも、good!
 漫画の「意地悪ばあさん」でも、ばあさんがヒマを持て余し、招待客のフリして他人の結婚式にチョコチョコ出る、なんて笑えるエピソードがあったけど。この映画の二人は、荒らしといっても、愉快に盛り上げてくれるし、子供たちにも人気だし、ヘンな正客より、よっぽど歓迎できるでのは。他人の結婚式に、あんなに簡単に、まったく怪しまれることなく出席できるのも、おおらかなアメリカらしい。
 かつては、ハリウッド極悪商会の若頭だったヴィンスが...今では、アホバカお笑い道まっしぐら。「ドッジボール」「アダルト♂スクール」そして今作。
 相変わらず、デカい体は威圧感があるし(ほんと、デカっ!子供や年寄りと一緒だど、マジでガリバー状態)、ガンつけ目つきも鋭いけど、かつての極悪野郎とは別人のような、のほほんノーテンキ男になってる。ハイテンションなお祭り男を、実に楽しそうに演じてます。結婚式の料理や飲み物を、ほんと美味しそうにガッつくヴィンスが可愛い。
 
 ↑最高にイカしてた極悪男が  おチャッピーなオヤヂになりまた
 エッチした政治家の末娘が、トンでもない不思議ちゃん(+ド淫乱!)で、所構わず欲情。食事中にテーブルの下でムスコをシゴかれたり、夜中に「氷の微笑」もどきにベッドで縛られ、汚い靴下を口に詰め込まれ、レイプ(?)されたり。その直後、政治家の根暗ホモ息子にも襲われたり、散々な目に遭いアタフタするヴィンスが、おバカすぎてアッパレ!
 おバカだけど、友情に厚いヴィンス。思えば彼が最高にチャーミングだったのは、極悪男役ばかりやるようになる前の「スウィンガーズ」だった。あの映画で彼が演じた主人公の親友トレントは、今でもmy 友達になってほしい男No.1です。今回は、トレントを彷彿とさせる、友達思いの超いい奴の役。原点回帰?できたら見た目も回帰してほしいけど...
 一見上品だけど、実は異常な政治家一家。淫乱不思議ちゃん末娘、引きこもりホモ息子だけでなく、政治家のボケ老母の炸裂する暴言も笑えます。
 オーウェン・ウィルソンは、アメリカのどこにでもいそうなフツーっぽさが、可愛い。童顔だけど、ヴィンスより年上!彼が若く見えるというより、ヴィンスがオッサンっぽすぎ。ヴィンスって、マット・デーモンやイ・ビョンホンと同い年なんだよなあ。アンビリーバボ。
 ウィル・フェレルが、ラスト近くに登場。ヴィンス、オーウェン、フェレル、あとベン・スティラーて、ほとんどチーム状態?共演作、多いですよね。
 政治家役は、怪優クリストファー・ウォーケン。存在するだけで、面妖な雰囲気ですが、役はフツーに良いパパだったのが、ちょっと物足りません。彼にも暴れてほしかったなあ。

マコ 甘えてばかりじゃアカンでぇ

2007-03-05 | 北米映画 00~07
 夜半に冷たい雨が降り、うすら寒い今日一日でした。まるで、冬の最後の悪あがきのようでした。
 不安定な天候は、春の足音。いよいよ、身も心も気倦く緩んでしまう季節が来る...春は、四季の中で私の一番苦手な季節です。必ず心身とも、調子が悪くなるから。さっそく、庭で鶯ではなく、鈴虫の鳴き声を聞いてしまいました...幻聴?
 菜の花、ツクシの天ぷらが食べたいなあ。イチゴも大好き。食べ物が美味しいのが、せめてもの救いです。大好きだったタケノコが食べられないのが、残念...
 
 春!お松の独り桃色ラブコメ映画祭①
 「恋するレシピ 理想のオトコの作り方」
 マシュー・マコノヒーとサラ・ジェシカ・パーカー主演のラブコメ。
 ラブコメの邦題って、最近こんなんばっかですよねえ。センスなさすぎ。ちなみに映画では、料理も男も作ってません。意味不明な邦題。
 30半ばになっても親元から離れず、ノンキな独身生活を送っている息子を自立させるため、両親は“ダメ男矯正”の女性カウンセラーを雇うが...
 うう~ん。おバカなノリ&シーンも多い(マコがリスやイルカ、トカゲに噛まれてギャー!とか)バリバリのロマコメなんだけど、何か笑えない。大のオトナが、何やってんの?な場面や言動が多くて、失笑してしまう。
 日本でも問題化?してる、親から自立できない・自立しようとしない、パラサイト・シングル。はい!私もで~す♪お父さんお母さん、ゴメンなさい~!
 早くから子供は、親と別れて暮らすってイメージの強いアメリカ人なので、いい年したパラサイトな子供たちは、日本以上にダメ人間と見なされ、心配されるんだろうなあ。
 で、この映画のマコちゃんも、親の心子知らずな、ノーテンキなパラサイト息子。掃除も洗濯も食事も、ぜんぶママ任せ。給料は自分の趣味に注ぎ込み、女を家に連れ帰りエッチする。
 そんなマコを心配する両親の気持ちは、すごく解かる。あ~my parentsも、口には出さないけど、ヤキモキしてるんだろうなあ。ほんと、申し訳ない...(でも私は、掃除も洗濯も自分でする。男を連れ込んだりもしない!と、自己弁護♪)
 でも、マコみたいなパラサイト息子なら、まだマシなのでは?ちゃんと働いて稼いでるし、趣味は超アウトドア派でメチャクチャ健康的、女にもモテモテだし。働かず部屋でゲームやネットばっかやってる、女とも無縁な引きこもりニートじゃないだけ、ありがたいと思うべき?
 サラ・ジェシカ・パーカー扮するカウンセラーの仕事内容が???
 ダメ男に魅力的な自分が恋を仕掛けて、自信を持たせて自立させる...って、パラサイトやニート男って、そんな単純な生き物じゃないだろ。マコみたいなE男じゃなくて、宅八郎や宮○勤みたいなのでも、サラ・ジェシカは相手してくれるのでしょうか。それに、ダメ男が本気になったら、どうアフターケアするの?ヘタすると、ストーカーや殺人に発展するよ。男を甘く見すぎです。
 アメリカン・パラサイトシングルの実情を、もっとユニークな視線で描けば、面白い映画になったんだろうけど...
 この映画って、社会問題?よりも、シングルライフを満喫するマコの遊びっぷりが、メインテーマ?
 ヨットにロッククライミング、マウンテンバイクにヨガ、ペイントガンetc.実家にはビタ一文入れてないだろ!な、マコの遊興三昧が面白い。
 すっかりロマコメ俳優っぽくなってるマコ。かなりアホっぽい柔和で優しそうな顔が、可愛い。そして、マコといえばの...
  
 俺の肉体を見よー!相変わらず、すげーマッチョ!ムチムチしてて、セクシイ過剰です。今回も、必要以上に脱いでます。マコ&親友二人の、見た目は大人のマッチョ野郎、でも内面はガキのまま、なキャラが、ちょっと気持ち悪いんだけど...
 サラ・ジェシカ・パーカーは、美人ではないけど、都会的な軽やかさがオシャレな感じ。ちょっとキャラがカブるブラピ元嫁ジェニファー・アニストンと、どっちが先にTVのイメージを脱して、一流映画女優になるでしょうか。
 でもまあ、考えてみれば...いい年になれば、親に迷惑かけず落ちつかなきゃ、とは思うけど。いい年になっても、家庭も子供も持たない者は、人生の落伍者!社会不適格者!なのでしょうか...

フライ!フランコ、フライ!

2007-01-25 | 北米映画 00~07
 チェコで、つくづく思ったこと...
 日本人は、やっぱ優しい。日本へ帰ったら、他人を不快がらせたり悲しませないしないよう、気をつけよう。思いやりを心がけよう。優しい人間にならなきゃ...
 でも、相変わらず遠まわしな皮肉やイヤミ、当てこすりを、my motherや知人にチクチク言ってる私。ああ~自己嫌悪...自分がイヤな人間だと思わずにすむ、自己満足的でもいいから、優しくなりたい...と心から願います。

 航空機内映画鑑賞記④
 「フライボーイズ」
 ジェームズ・フランコ主演の、日本未公開作。
 字幕なしの英語オリジナル。フランコくん会いたさに、ワケワカメ覚悟で観る。
 第一次世界大戦にアメリカが参戦する前に、フランス軍に所属して戦った、ラファイエット飛行中隊の活躍と、その若いパイロットの恋や友情の話。
 英語が解からなくても、そんなに???な映画ではなかったので、安心。台詞や人物関係よりも、迫力ある空中戦シーンやアクションが売りの作品なので、おおむね無問題。

 フランコくんのファンなら、話はどうでもいいかも。またまた、カッコかわいい彼に、萌え~必至です。
 戦争中だろうと、あの眠そうな目&喋り方は不変。軍人なんだけど、あんまりストイックな感じはなく、けだるげでユルい、でもチャラチャラしたところは全然なく、ちょっと愁いあるところが、胸キュン(死語)です。あの、クニャっとしたメルティな笑顔が、so sweet!短髪でも、天パーなのが隠せない髪が、so cute!青い軍服も、戦闘服も、コスプレみたいで萌え~です。ああ~フランコくんがパイロットで、私がスチュワーデス刑事

 フランス人の娼婦に恋して、シャイな感じで積極的にアタックするフランコくん。あんなイカした軍人さんなら、一時期の慰みものにされてもいい!
 今回のフランコくん、萌えるけど、いつもよりハァハァ度が低かったのは、フランコくんといえば!の、脱ぎが全くなかったからでしょうか。ナイスバディが、もったいない...彼が脱ぎに脱ぎまくった、「学園天国」や「ソニー」のほうが、ファンには数段オイシイ映画ではあります。

 内容も、大好きなイケメンが、萌え~なコスプレちっく軍服で、カッチョよく戦う、でもセクシー色は希薄、という点も、CG活用の空中戦シーンてんこ盛りなところも、ブノワ・マジメルの「ナイト・オブ・ザ・スカイ」と似た感じの映画かも?
 フランス軍のエラい人役で、ジャン・レノが登場。ハリウッド映画のフランス人役は、彼が独占状態?

海猿☆アシュトン

2007-01-24 | 北米映画 00~07
 何だか最近、ますます気分がアンニュイです。
 仕事中、ふと頬杖をついて、倦げに溜息...
Kくん「どうしたんですか?」
私「やりきれないほど退屈な時もあるわ...しゃべるくらいなら踊っていたいの今は」
Kくん「???脳みそ大丈夫ですか?仕事してください」
 そう、みんな堕天使ね~と続けて欲しかったけど、ああ~明菜の名曲なんか、若い子が知るわけなかった。
 くだらない会話を、楽しく円滑に交わせた頃に、戻りたい...それはちょっとできない相談ね~♪

 航空機内映画鑑賞記③
 「守護神」
 沿岸警備隊の訓練校に入った主人公の青年が、ワケありの過去を持つ教官にビシバシ鍛えられ、一人前のレスキュー隊員に成長する物語。
 って、これってぶっちゃけ、「海猿」+「愛と青春の旅立ち」です。この2作を観たことがある人なら、デジャヴのような感覚に襲われること必至です。
 話の設定もキャラも、場面までも、ほとんど同じなんだよなあ。自信家だけど優しい主人公と、チビの劣等性だけど頑張り屋の仲間って、海猿のマジックマッシュルーム&チビノリダーのW伊藤じゃん!主人公と恋に落ちる女も、鬼教官のシゴキも、もろ愛青春旅だし。
 とまあ、何だかパ○リっぽい内容だけど、面白かったです。スパルタな訓練のメニューとか、海難救助シーンとかも、なかなか迫力があって楽しめました。
 海猿でも思ったけど。災害レスキューって、ほんと大変な仕事だよなあ。暴風雨にもかかわらず、海に船で釣りに出たり、濁流の危険勧告を受けても、無視してキャンプしたりする無謀な人たちは、これからも後を絶たないだろうし...
 ストーリーには???でも、アシュトン・カッチャーのファンなら、満足満足な映画だと思います。
          
 ハリウッドきっての若手コメディ俳優、アホバカ王子アシュトンが、珍しくハードな体育会系の役!涼しい短髪&凛々しい制服が、清々しく爽やか。いつもの、ユルいヘラヘラした感じを抑えた彼の、Do the ど根性な演技が、とても新鮮です。長身で立派なガタイも、いつもは無駄にデカいだけで、ユルユルフニャフニャって感じなのに、今回は鍛えたのか、超引き締まっていて、セクシイでした。
 悲しい過去を背負い、がむしゃらに訓練に没頭する、ちょっと虚勢を張ったトンがり青年アシュトン。いつになくシリアスなんだけど、たまにコミカルなシーンになると、面目躍如。やっぱ軽いアシュトンのほうが、可愛くてチャーミング
 コメディアンは軽視される風潮が強いけど...アシュトンのオバカ演技は、賞賛に値すると私は思う。「ゾルタン☆星人」の彼なんて、アカデミー賞ものだよ。「エリザベスタウン」の主役を、演技力がないとの理由で、アシュトンが降ろされたという噂には、いまだに首を傾げてしまいます。代わりに起用されたOBが、アシュトンより演技が巧いとは、到底思えない!と、デミ・ムーアが今も怒ってます(嘘)。
 教官役は、ケヴィン・コスナー。むかしのmy loveと、久々の再会...
 「アンタッチャブル」では、コネリー爺に教えを乞う若者だったコスナーも、今では教える立場に。隔世...かつて、ハリウッドの若き王として君臨した彼も、あっというまに祇園精舎の鐘の声。見てらんないほど、キャリアもルックスも落ちぶれ劣化していった彼ですが、この映画では、ん?まだまだイケるじゃん!カッチョEよ!と、見直しました。さすがに、もうオッサンですが、枯れたシブい感じが出てきて、悪くないです。まだまだ男前!
 この映画、ちょっと長い?アシュトンが卒業するところで、the endにしても良かったのでは?

 

レオvsマット 米式無間道

2007-01-19 | 北米映画 00~07
 職場の人たちへプラハ土産を、まるでヴァレンタインデーの義理チョコのように配りました。
 わあ、可愛いお菓子ですね!ありがとうございます!と喜んでくれる彼ら。ごめんね...実はソレって、スーパーで買った、1個60円ぐらいのものなの...と、内心ちょっと罪悪感。海外での大量土産まとめ買いは、現地の庶民的スーパーで、ケチに安くすませるに限る♪

 航空機内映画鑑賞記②
 「ディパーテッド」
 香港映画の傑作「インファナル・アフェア」が、ハリウッドでリメイク!というニュースには、大きな期待と小さな不安を抱かされたものです。
 トニー・レオンの役はジョニー・デップ、アンディ・ラウの役はブラッド・ピットなら、最高に理想的なキャスティングなんだけどなあ。年齢的にもピッタリだし、役者としての格も釣り合うし(どっちがクレジット、上になるかな?)、話題性も抜群だし、と妄夢していた私。何かのインタビューで、トニーもアンディも、ジョニー&ブラピならいいね、と答えていたのを読んで、やっぱそーだよな!そーなってほしい!と、ワクワクしながら決定を待ったものです。
 一時期、ブラピは確定?という噂も流れ、いよいよジョニーだ!と期待に胸が踊る。が、残念ながらジョニーが出演するという話は聞こえてこず、ブラピも降板?の流れになり、がっかり。あ~あ、結局ショボいメンツになるのかな...と、もう関心も薄れつつあった中、驚きの顔合わせが発表されたのでした。

 レオナルド・ディカプリオとマット・デーモン。
 ええ~!?ぜんぜん違うぞ!?でも、レオもマットも大好きな私。ショボいどころか、かなり豪華で面白い。嬉しい、けど、否めない違和感...
 いったい、どーなることやら、と期待より不安が大きかったが、蓋を開けば...全米で大絶賛の嵐!賞レースでも、数々の賞を獲得。オスカーの呼び声も高いなど、大成功を収める結果に。
 俄然、私の期待感は再熱。でも、一抹の不安も、やはり払拭できない。だって、やっぱ違うんだもん!アンパンマン顔でガキっぽいレオが哀愁の男前トニーに、ゴリラ顔でイモっぽいマットが端正な美男アンディには、どうしてもカブらなくて...
 でも、そんな不安は、ほとんど杞憂だったようです。
       
 レオもマットも、すごく良かったです。トニー&アンディとは違う、それぞれの個性と魅力で、香港オリジナルとは異なる味わいの映画にしていました。
   
 レオ、男になったなあ。「ギルバート・グレイプ」時代からのファンとしては、悲しいぐらい隔世の感...あの可愛いポッキー少年が、無精ヒゲにマッチョな筋肉、女とエッチも!私も、年をとるわけだよ...
 すっかり男になってしまったレオくんですが、やっぱすげー童顔は隠せません。もう30過ぎてるのに、まだ彼独特の“蒼い狂気”は色あせてない。絶体絶命な状況に追い詰められて、精神のバランスを崩していく若者って、もともとレオの得意とする役。なので、あまり目新しくはないけど、相変わらず驚嘆させられ、圧倒されずにはいられない、レオの迫真演技です。やっぱ彼は、凡百の俳優とは違う。タダ者じゃないよ。
 
 レオが天才なら、マットは秀才なんだろうなあ。レオのように、はっと目を奪い驚かせる演技はしないけど、破綻のない、計算の行き届いた演技は、見ていて安心できる。ていうか、彼は何やっても私には可愛く見えるんだよ。ルックスが、もうモロ私のタイプなので。見てるだけで、満足満足
 でもマットはエリート役、やっぱ似合わないなあ。マットご本人は、高学歴な知的人間だとは分かっていても、そう見えないし。スーツも相変わらず似合ってない。
 あまり比較したくないけど、ほぼ同じ内容&キャラでも、やっぱ結果的には、オリジナルのほうが、奥深く強烈かも...
 レオもマットも、何だろう?何かが足りない。そう、悲しみだ。トニーとアンディが背負っていた、重く深い悲しみ。レオは狂気ばかりが先走ってるし、マットは単に卑劣で狡猾なだけのキャラになってるのが、惜しい。それはまあ、演技以上に二人が、男の色気や哀愁を醸すには、まだ早い(永遠の少年レオと、万年青年マット。ただでさえ、実年齢より若く見えるし)からでしょう。

 それにしても。レオとマット、何だか兄弟みたいに見えて...さらに、マーク・ウォールバーグも加わって、猿人系ブラザーズみたいだった。
 でも、これって、オスカー作品賞を獲るほどの作品なのかなあ。すごく面白くて、上手にリメイクしてたけど...アメリカ人のほとんどは、香港オリジナルの存在を知らないんだろうなあ。
 ジャック・ニコルソン、相変わらず強烈な存在感&怪演だけど、マフィアって感じじゃないよなあ。スコセッシ監督のマフィアものといえば、やっぱデ・ニーロでしょ。
 主人公の男二人に恋される精神科の女医。オリジナルのケリー・チャンも、何でこんな小娘に...と納得できなかったけど、リメイク版は、さらに???!な女。ただの二股女じゃん!?しかも全然美人じゃないし!って、やっかみバリバリな私です。

 
 

殉教飛行 狂信のいけにえ

2007-01-05 | 北米映画 00~07
 my sister M子とダミアンと3人で、ジェンガをして遊びました。
 なかなかスリル&サスペンスなゲームで、想定外の白熱化。賭けゲームにしたことも、浅ましいまでに私たちを真剣にさせる。
 びた一文、払うものか!という強固な意志のおかげか、私は連勝無敗!二人から、数千円をふんだくる結果に終わり、幸先の良い年始に思えて、ホクホク♪
 が、いきなり親戚が来て、せっかくの臨時収入も、その子供への年玉に消えてしまったとさ...くすん。
 
 「ユナイテッド93」
 海外旅行に出発する前に、よりによって、こんな恐ろしい映画を観てしまった...
 今なお記憶に生々しく痛ましい、アメリカ同時多発テロ。
 忘れもしません。私はちょうど、自室で独り、いかりや長介主演の火曜サスペンス劇場を観ていました。ドラマが、いきなりビルに飛行機が突っ込む映像に変わって、え!?何!?何かの映画!?と目がテンに。あれがまさか、現実に起きたこととは...
 黒い煙、崩壊するビル、落ちてゆく人間の姿。ああ、神様!こんなことが、起きていいはずがない!悪い夢であってほしい!
 映画や小説でさえ起こり得ない惨劇9・11事件が、次々と映画化されたことに、私は大きなショックと悲しみを覚えたものです。そんな必要があるの?何でも金儲けのネタにするハリウッド、浅ましい!とさえ思った。
 しばらくは、強い拒否反応を拭えませんでしたが、この「ユナイテッド93」への評価の高さを最近よく見聞きするようになり、そんなに傑作なら...と、恐々と鑑賞。
 こ、怖かった!飛行機、乗るのが恐ろしくなりました。
 いかにも取って付けたような、お涙ちょうだいな挿話など排除した、有名スターも出ていない、セミドキュメンタリーな内容。なのでリアルで緊迫感があって、観ていて気がダレる、休まることが一瞬もない。
 これが、ブルース・ウィリスやトム・クルーズの映画なら、どんなに絶体絶命でも、最後は助かるのに。でも、これはヒーロー映画なんかじゃない。始めから結末が分かってるので、やりきれない絶望感。
 錯綜する臨場感ある飛行機内外の様子。恐ろしい緊急事態を、なすすべもなく、ただ大騒ぎと愕然の繰り返しで見守るしかない航空・軍関係者に、とりすがって絶叫したくなる。早くっ早く何とかしてー!!と。
 恐怖とパニックの極限状態に陥りながらも、このまま黙って死ねるか!と犯人への反撃に出る乗客たちの果敢さも、痛切です。勇猛で行動的なところが、さすがアメリカ人。ヤワな日本人なら、おしっこチビって失神してるでしょう(そのほうが幸せですが...)。
 それにしても、心の底から、あらためて思った。テロ、許すまじ!本当に卑劣で野蛮!
 何の罪もない人たちに、あんな恐怖と苦痛を与えることが正当化される宗教があるなんて。ハイジャックされた飛行機の乗員乗客も、貿易センターにいた人たちも、なぜあんな無残な最期を強いられねばならなかったのか。ほんと、神様なんていない、と私は確信しました。
 話し合いや取引なんかできない、ただもう道連れ自爆が目的なハイジャックだなんて、恐ろしすぎます。9・11事件以降は、ますます飛行機のセキュリティが厳重強化されるようになってるとは思うけど、不安は尽きません。飛行機内には常に、ひそかに武装した航空警察官や、パイロットに何かあった時、代わりに操縦できる乗務員もいてほしいです。
 でもホント、飛行機に乗るのが怖くなってきた...車より事故率は低いとは言われてるけど...あんな死に方だけは、絶対したくない!
 あらためて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします...
 
 

帰ってきたスーパーマン

2006-12-28 | 北米映画 00~07
 航空費も振り込んで、いよいよプラハ行きも確定♪もう、引き返せない。
 こうなると、去年の韓国もそうだったけど、楽しみよりも、アレもしなきゃコレも準備しなきゃ、と落ち着かない気分になって、ああ~めんどい...と、だんだんテンションが低下しちゃうのが、私の悪い癖です。
 何着て行こう?靴はどんなのを履いて行こう?寝癖直し、持ってったほうがいいいのか。化粧水や乳液、小さい容器に移しとかないと。のど飴も買わなきゃ。美容院はギリギリになって行こうか。おっと、美肌用ダブレットもらいに皮膚科にも行かなきゃ。と、どーでもいいことばかりに気をとられてる。それよりも早く、プラハの宿&チェスキークルムロフ(世界遺産)ツアーの手配しろよ!なんですが...

 「スーパーマン・リターンズ」
 リメイクじゃなくて、続編だったんですね。前作で、スーパーマンがどうなったかを知らないので、この帰還編、最初のほうは???
 恋人のロイス、スーパーマンの子供を産んでたんですね!つーことは、前作で二人はヤっちゃったってこと?スーパーマンとのエッチって、どんなんだろ?エッチもスーパーなのかなあ。エッチだけフツーってのも、ガッカリかも...
 とまあ、ヘンなコトばかり気にしながら観てしまいました。話じたいは、事故や災害から人々を救い、悪者と戦うスーパーマンの活躍を、凝ったCGや映像で楽しむ、それだけ。他愛もないけど、子供も安心して観られる映画です。スーパーマンが瀕死になって入院!って、何か笑えちゃったけど...
 新スーパーマン役のブランドン・ルースが、すごい美男!
          
 ちょっと男前すぎて、精巧なフィギアが動いてるみたいで非人間的。まあ、スーパーマンが妙に人間的でも変だけど。でも、最近では珍しいほどの美形です。体つきも立派!きれいな顔だなあ、と見惚れながらも、彼とナイナイ岡村どっちか取れと言われたら、迷わず後者を私は選ぶでしょう...
 ロイス役のケイト・ボスワースって、まあまあ可愛いけど、何か貧相で華がなくて、魅力が感じられない。ブーランドオロームの彼女だっけ?薄い軽いで、お似合いのカップルね!
 敵役レックス・ルーサーが、ケヴィン・スペイシー。スーパーマンへの復讐に燃え、世界崩壊を目論む悪人なんだけど、ぜんぜん極悪人に見えない、ていうか、そういうキャラじゃないんですね。悪巧みというより、度の過ぎた悪ふざけ、いたずらオヤヂなルーサー氏、まるでタイムボカンシリーズのアホな悪玉みたいで、笑えます。 
 ケヴィスペ、とっかえひっかえするのが、衣装じゃなくてヅラ!開き直った自虐ギャグに感嘆!おヅラ智明も見習え!二度のオスカーに輝くケヴィスペも、知る人ぞ知る演技派→メジャーな名優→お笑いキワモノ系...ジャック・ニコルソンやロバート・デ・ニーロと同じ道を進んでますね。
 この作品の監督って、ケヴィスペが最初のオスカーを獲った「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガーだったんですね。マッチョ美男子の新人スーパーマンを巡って、ケヴィ子vsブラ美がゲイゲイしい小競り合い!なんてYAOIな想像が楽しい映画です。
 

ディエゴ Vamos a bailar !

2006-12-17 | 北米映画 00~07
 韓流専門掲示板“コマスニダ、サランハダ”が、今夜を限りに店じまいと相成りました。立ち寄ってくださった方々に、あらためて、そして心から御礼申し上げます。カムサハムニダ~!
 思えば、「冬のソナタ」で始まった空前の韓流ブーム。ヨンさまに群がるオバさまたちを、けっと嗤っていた私も、何の気なしに観始めたドラマ「オールイン」で、イ・ビョンホンにマジ惚れ。以来、すっかり韓流ミーハーと化してしまったとさ...
 韓流ファン=ミーハーで軽薄、という偏見は根強く、時にはバカにされたり蔑まれたりして、ムカついたり悲しい思いもしましたが...今では、聞いてもいないのにわざわざ、わたし韓流苦手~と言う人を、洋画しか観ないことが映画ファンとしてランクが上で高尚と思ってる、高慢で狭量な人だなあ、と可哀想に思えるようになっています。
 とはいえ、私も含めて、日本人は熱しやすく冷めやすい、浮ついたミーハーであることは真実。もはや韓流バブルがはじけて、ブームが終わったことは、誰の目から見ても明らか。
 でも、それが何?今や私にとって韓流は、ハリウッドやフランス、香港の映画やスターにときめくのと同じ。
 というわけで、今後は韓流を、異端視せずに、これまで以上に楽しんでいきたいと思います。
 でも、やっぱ寂しいなあ。交流の場は消えるけど、楽しかった思い出は消えない...

 「ダンシング・ハバナ」
 ガエルのマブダチ、ディエゴ・ルナ主演の青春ダンス映画。
 キューバ革命前のハバナ。父の赴任に伴って来たアメリカ娘は、チャーミングな地元の青年と仲良くなり、一緒にダンスコンテストに出場することに...
 裕福なアメリカ娘と、貧乏なキューバ青年という、いちおう身分や社会的立場の違いの恋、という形はとってるけど、二人を邪魔する者や事情がほとんど出てこない。あっさりしすぎだけど、ゴチャゴチャしてなくて良かったのかも。別に、当時のアメリカとキューバの政治的な問題を描く映画じゃないんだから。
 ハバナに行ったことがある友人によると...エキゾチックで開放的だけど、ゴミゴミしてて汚い!とか。この映画の、アメリカの植民地?状態なハバナは、きれいで文化的だったけど。大国に支配された秩序と豊さと、独立した混沌と貧しさ。どっちが良いかなんて、私などには分かりませんが...
 で、ヒロインとdance & fall in loveするキューバ青年役、ディエゴ・ルナ。か、かわいい!青年というより、少年です。この映画の時は、確か24、5にはなってたはず。見、見えねえ~!どー見ても、16、7!ガエルっちも童顔だけど、ルナちんはmuch more幼い!小柄だし(ひょとして、ヒロインのほうがデカい?!)ラテンボーイにしては薄いし。でも、脱いだら胸毛が!吃驚!
 ルナちんの演じる男の子も、ほんと良い子。アメリカ人が警戒したり嫌悪したりするような、危険なムードも毒気もない。それが、ちょっと物足りないかも。ヒロインと恋に落ちても、なかなかエッチしません。ガエルなら、出会って1時間後には合体しそうだが。
 ダンスも英語も上手なルナちん。ガエルに負けないぐらい、国際的な活躍を期待!
 By the way...この映画って、あの懐かしの「ダーティ・ダンシング」のパート2なんですね。1で主役だったパトリック・スウェイジが、ダンスの先生役でチョコっと顔を出していて、吃驚。さすがにオッサンになったけど、ダンスステップは加齢を感じさせない軽やかさで、さすがでした。
 ダンスって、特にこういうラテン情熱系ダンスは、もちろん恋人や夫婦同士でなくても巧く踊れるでしょうけど、やっぱパートナー間の性的な色っぽさが絡むのと絡まないのでは、かなり違うんだろうなあ。私も、セクシーな熱で忘我できるダンスがしてみたい...でも、サルサやランバダどころか、盆踊りさえ自信がない...
          
         ↑仲良しD&G 補導された子供ではありません

ガエル 僕は妹に恋させる

2006-12-10 | 北米映画 00~07
 就寝前に、綿棒がなくなってることに気づき、仕方なしにコンビニへ。
 深夜2時過ぎのコンビニ前には、薄汚いガキどもが屯してる。怖い...
 ウンコ座りしてタバコ吸いながらダベってたり、中にはポータブルデッキから流れる音楽に合わせて踊ってるバカ娘たちの姿も。
 目を合わせぬように、インネンつけられぬように、さっさ&とっとと買い物を済ませ、逃げるように立ち去ろうとする私。だが...
 出入り口前でガキどもが、お年寄りの男性(ちょっと浮浪者風)を、からかってる。恐ろしげな連中に囲まれ、怯えているお爺さん。驚いたことに!それをニヤニヤ笑いながら見てる店員!どうやら、店員はガキどもと友達らしい。
 やめなさい!と、とてもじゃないけど、人一倍小心者な私には、言えない。罪悪感に苛まれながら、見て見ぬ振りしてしまいました。
 今度お昼に行って、店長に勧告したほうがいいでしょうか。それと、おまわりさん!夜中に私の信号無視を捕まえるヒマがあったら、迷惑なガキどもを取り締まって!

 「キング 罪の王」
 ガエル・ガルシア・ベルナル。ラテンの貴公子。またの名を、罪と性愛で汚れた翼の天使...
 まだ見ぬ瞼の父に会うため、海軍を除隊して田舎町にやって来る青年エルビス。しかし成功した牧師の父は、彼を冷たく拒絶する。エルビスは町に留まり、自分の異母妹に接近し、誘惑する...
 ガエルったら、またまた、い・け・な・い男の子!今回は、罪深さも今までの最大級。その、あまりにも酷い所業は、まさに神も仏もないって感じで、戦慄!
 自分を冷たく拒んだ父への復讐?そんな韓国ドラマみたいな、単純な話&キャラじゃない。エルビスに、恨みや悪意、憎しみや妬みの炎でメラメラって凄愴感や気迫は、まったくない。恐ろしい罪を重ねても、常に淡々としてる。そこが、怖い。目的が何なのか、何を考えているのか、まったく読めないところが、底知れぬ不気味さ。
 エルビスは、あのオーメンのダミアンみたいな存在?悪魔の子?まだ自分が、関わる人々を悉く不幸、破滅に導く邪悪な魔物だと気づいてない、未完成の悪魔?自分の妹や弟に災いをもたらすのも、あ~あ、そんなつもりなかったんだけどなぁ、やっちゃった、みたいな。意識的に悪事を犯してない、動くと自然に禍々しい事が発生する。そんなエルビスの様子を見てると、とても人間とは思えなくなる...
 いちばんゾっとしたのは、失踪した息子の代わりに、父がエルビスを家に迎え入れるところ。彼らの前で、害のない善良な男の子を演じてるのではなく、一緒に居間でTVを楽しそうに観たり、花壇でガーデニングする優しく幸せそうな、フツーの好青年の姿も、仮面ではなく素顔。人を殺す時も花を植える時も、ほとんど同じ。善悪ガラリと人格が変わるという、よくある安易な二重人格者的キャラじゃないところが、怖くて独特なエルビスです。
      
 「アマロ神父の罪」といい「バッド・エデュケーション」といい、ガエルはホント、こーいう役が好きだよなあ。日本やハリウッドの若手にはできない、ヘヴィ&リスキーな役への挑戦は、果敢で尊敬に値する。たまには、バカみたいに軽いガエルも、見たいけど...
 どんなに重苦しく深刻な役でも、損なわれることのないガエルの可愛さ!ほんと、ちっちゃくて子供みたい!クチャっとした無邪気な笑顔も好き!それに、脱いだら結構ガッチリ&ムッチリしてて、セクシイ!坊主に近い短髪も、キュート!初登場シーンは、軍人というより、ロッカーで着替えてる高校球児みたいだ。水兵さん姿、可愛すぎ!母国語のスペイン語よりも、何となくソフトに聞こえる流暢な英語も魅力的!
 そんなガエルに比べて、異母弟妹が地味でブサイク。ガエルと何度も濃密キス&エッチする妹が、めちゃくちゃ羨ましい!宗教き○がいっぽい弟が、キモい。
 父役のウィリアム・ハート、かつては知的で優しそうな二枚目だったのに、すっかりジェラール・ドパルデューみたいになっちゃってます。あんた、それでも牧師さん!?と思ってしまうほど、人間的な卑しさを巧く出していて、さすがオスカー名優。
 アメリカ社会やキリスト教に関して知識があれば、もっと興味深く観ることができただろうなあ。
 どこの馬の骨とも分からぬエルビスみたいな余所者でも、軍隊に入って戦争に加担すれば、パスポートをもらえる、アメリカってそんな国だよ、と何かのインタビューで、ガエルは皮肉なコメントを残しています。