意外と社会派(予定)

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日本語は成分的に美しい

2011年10月29日 | 言葉・言語・文章
今回は日本語の話。

【中国BBS】日本語は世界でもっとも美しい言語だよな?
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0904&f=national_0904_073.shtml


まぁ、サーチナだし、このBBSのレスがどの程度言葉に精通している中国人なのか不明ですので何とも言えませんが、日本語は成分的にみれば非常に美しい言語であることは間違いありません。

まず、日本語はほぼ全ての音に母音を含むこと。

子音というものは、はっきりしない音です。
要はゴニョゴニョと聞こえるわけですので、きれいには感じにくく、母音が多用されるイタリア語とそうでない英語を聞き比べたら、イタリア語のほうがきれいに聞こえるってわけです。
日本語の場合、[ん]以外は完全にはっきりして要るわけですから、音的には非常に美しいわけです。

もっとあるのですが、赤熊は言語学者ではないし、細かなことを書くと面倒臭いのであとは自分で調べてもらうとして、少なくとも言語的に美しいとされる好条件が揃っており、それはそれは美しい言語なわけですわ。

でも『日本語って特別そんなに美しく聞こえないよね』と思ってません?

その通りです。
美しく聞こえません。
なぜなら、どんな言語にも言えることですが、美しく話そうと思わなければ美しくならないからです。

当たり前と言ったら当たり前の話ですね。
英語・・・というかほとんどの言語でそうですけど、子音が多いから美しく聞こえないと言っても、それを補うだけの技法というものがあるわけです。
言葉の美しさというのは、その『言語の美しさ』と話し手の『話し方の美しさ』が合わさって決まるわけです。
韻を踏んだり、アクセントに気を付けたり・・・。
そういったことに気を払わなければ、どんな言語でも汚いだけですわ。

しゃべり方で変わってくるんじゃい!!・・・だなんて面白くとも何ともない結論ですね。
ただ、日本語が美しい条件が揃っているとてつもないアドヴァンテージなのです。

こういうことが良くわかるのはミュージカルまたはこれを基にした映画『マイ・フェア・レディ』。
このお話、イギリスの言語学者ヒギンズ教授が下町の花売りイライザに上流階級の言葉を教えるという話なのですが、日本人には理解しにくい部類のお話です。
これがマナーや振る舞いならわかるのですが、正直、イライザが『ヒギンズ』を『イギンズ』としか発音できないことに手こずるシーンなんてチンプンカンプンですね。
下層と上流階級の言葉がそれだけ違い上品な言葉使いを身につけるというのは大変なのでしょうが、日本だとそもそも上流階級の言葉を教える人がいないのです。
何故いないかというと音律が単純ということもあるでしょうが、日本語の基本的な点で美しいから必要ないのでしょうね。

さてさて、そうするとなぜ、きれいに聞こえないのか?

日本語が美しく聞こえない理由、それはほぼ全ての音に母音を含むからです。

・・・・て、おい!!
上に言ったことと矛盾している・・・わけではなく、美しくも聞こえる要因だけれども阻害要因でもあるわけです。

今度は言語の速度の問題なのです。
言語の速さというのは、その言語の一番複雑な音の速さと発音数を掛けた長さになります。
これは、文章の途中で急に早くしたり遅くしたりするとリズムが取れないからです。
例を挙げると、英語だと一番複雑な単語は“twelfths”かな?
一番簡単なのは冠詞の“a”ですけど、“twelfths”と言う時間と同じ速さで“a”と言わないと、リズムがとれず不自然だからですね。

で、日本語で一番複雑なのは1子音 + 1母音であり、これ以外の複雑な音がないため極めて速い・・・速すぎる言語なのです。
そのため、諸外国の人からは『機関銃のようだ』と言われるのです。

機関銃のような言語がきれいなわけないですね。
とはいえ、だったら美しく聞こえるようにするために、ゆっくり喋るだけでいいということです。
上品なお話をなされる皇族の方々はゆっくりお話になられるので、おそらくこれが日本語での美しく話すポイントでしょうね。

マイ・フェア・レディのように訓練しなくていいのはとても便利な言葉ですね。

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