意外と社会派(予定)

赤熊の辛口社会派(予定)ブログです。
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奨学金を返せない???

2010年09月07日 | 教育
奨学金を借りて、返せない人が増えているそうだ。
そのせいで、奨学金を借りた若者が借金苦に陥っているという。
そのことを昨日(9月6日)のNHKの『クローズアップ現代』で特集していた。

奨学金が返せない
 ~若者たちの夢をどう支えるか~


おおよその内容を書けば、
・大学の授業料が高騰しているが、就職がない。
・昔は奨学金の無利子貸与だったのが、10年程前に有利子貸与を条件に奨学金対象条件を緩和させたため主流になった。(ただし、番組内で指摘されていないが、無利子貸与は減ってはいない)
・司書を目指して奨学金を借り、大学を出たが、司書の本採用がなく、不正規雇用の司書(月収10万円)で本採用を待ちつつ、2万の奨学金の返済をしていたが、返せなくなったので司書を諦めた話。
・職がなく、滞納し延滞金が発生し、奨学金の返済額が膨れ上がっていること。
・取立てが、厳しくなってきていること。
・貸与よりも給付にすべき。

追記:詳しい内容がこちらにありましたので、どうぞ。
「奨学金返済地獄」夢断たれる若者たち―金貸しになった旧育英会

などなどでした。

ただ、番組を見た感想は・・・違和感しか残らなかった。

例えば、司書を目指して奨学金を借りて大学を通うことは素晴らしいことだが、どうやって奨学金を返して行くかの計画を立てたのだろうか?
サラ金のCMではないが、お金を借りるということは『確かな計画性』が求められるのである。
しかも数百万円クラスの借金を負うのだから、相当な計画を立てないとならない。
その返済計画を立てたのか?

出演されてた司書を目指したという方に、どうもそういう感じを受けなかった。
失礼ながら、自業自得・・・だと思えてしまった。
本来なら、奨学金の返済を考え、在学中のバイトをして、備えておくべきだろう。
まぁ、月 数万円くらいの貯金で何とかなるとは思えないので、大学に進学前に、数年間働いて、貯金をしておき、それから奨学金を借り、大学を目指すべきだったのだと思う。
こういう計画を高校生程度の若者にできるかというと・・・難しいことではある。
だが、なぜ、親や教師がそのことを指摘しなかったのが疑問である。

結局のところ、奨学金を返せないというのは、奨学金の条件緩和をしたために、返せない人間に貸与しただけ話である。
金銭感覚がない人間が借金をすれば、借金苦に陥るの当然である。
なんてことはない、サブプライムローンと同じ構造だ。
しかし、だとしても借りた方は『借りる』という決断をしたのだから、その責任を逃れることはできない。

赤熊も今の奨学金制度が良いとは思わないが、奨学金を借りた以上、返さなくてはならない。
そういう契約だし、その返済金は次の奨学金を使う人間の原資になるのだ。
これを給付制にすれば解決するという人もいるが、全員に給付するほどの財源がない。
ということは、極少数の人間しか奨学金が貰えず、大多数の大学進学をしたい人間の将来を潰すことになりかねない。
そっちの方がより深刻な事態だろう。

奨学金を借りたいという人間に無条件に貸すのではなく、返済計画をきちんと立てさせて、審議し、貸すようにしないとならないということだろう。
金融機関がやっているように。
極めつけは、担保を取って貸す・・・・ということも考えた方が良いとさえ思う。
それぐらいやらないと、この問題は解決しないと思います。

関連エントリ
提言32  総合的な奨学金制度を