意外と社会派(予定)

赤熊の辛口社会派(予定)ブログです。
天佑自助が赤熊の基本理念です。

憲法問題ではなく、法治国家として問題

2009年12月17日 | 社会制度・法律
小沢の天皇の政治利用の問題を、憲法の不備に求めている人がいます。
曰く「天皇に拒否権を持たせるべきだ」だそうです。

現憲法の不備は赤熊も認めますが、この件は憲法と直接関係ないでしょう。
もちろん、小沢の憲法論は政治家としてどうかと思いますが、
それよりも小沢のごまかしに引っかかってるのでは?と思います。

今回の一番の問題は、30日ルールと言うものを破った、法治国家の人間・・・特に法律の作り手として、あるまじき行為であることを非難すべきです。

30日ルールと言うのは慣習です。
慣習は法律ではないから、破ってよい・・・ではありません。
日本は法の適用に関する通則法3条で、慣習法を認めているからです。

慣習法とは、慣習による決まりごとを有効だとするものです。
なぜこんなものがあるかといえば、例えば、オークション会場で数字を言えば、商品をその金額で買うという意思表示です。
でも、お肉屋さんで数字を言ったら、普通、グラム数ですね。

しかしながら、そんなことは法律には書かれていません。
特定業界内のルールをいちいち法律に書いていたら膨大な量になるし、文書化したら(他の業界との整合性がとれず)不都合があったりもするので、業界内・社会内の習慣を全員の合意があると見なした方が実用的なのです。
簡単に言えば、法律に書けない部分を埋めるための方法ですね。
ちなみに法的な強さは、法と慣習が競合したら、法律が優先されます。
(ただし、今回の件は文書化されているので慣習法よりも強いと思います)

慣習を無視したということは、現政権は慣習法を全否定したということです。
オークションで最大の数字をつけたので、落札したとして お金を請求されたら「数字を言っただけ、買うとは言っていない」というのが通じるということです。
裁判で何とかなると思っても、その裁判で「慣習でしょう?総理大臣は法律で決まってない慣習を無視しても良いと言った」と言われたらどうするのか?
これを否定できなくなってしまっている。

それは世をいたずらに乱すことであり、法の作り手としての政治家が決してやってはならない大罪です。
現政権は法治国家を否定しているのです。
それだけで、議員辞職しなければならないことなのです。
・・・というか、この程度のこともわからない人間が国会議員をやっていることが不可解です。

そういえば、マキアヴェッリも同じことを言っていたな~。

国家にとって、法律をつくっておきながらその法律を守らないことほど有害なことはない。とくに法律をつくった当の人々がそれを守らない場合は、文句なく最悪だ(政略論)

追記
法の適用に関する通則法3条
 公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する。

追記2 2009年12月22日
 この「1か月ルール」は村山政権のとき作られたもので、現鳩山総理も「1か月ルール」の策定側にいたようだ。マキアヴェッリの言葉を引用するまでもなく最低最悪である。