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福島以後の原発状況、楽観許さず(1)

2011-10-05 | ラジオ
日本で福島の原子力発電所の事故があった後、世界では原子力プログラムを撤廃する国、そして新しい原発の建設へと動き出す国と二つに割れた。
そのような状況の中、市場では費用対効率の基準がますます重要となってきている。
ロシアは市場のリーダーの一角として、インドや中国、ベトナム、ベラルーシなどに原発を建設している。

ロシア原子力企業ロスアトムのキリエンコ社長は、市場での競争が激化していることを指摘している。
原子力発電の割合を増やしていこうとする国々にとっては、重要な問題は如何にコストを抑えられるかということに集約される。そしてそのことは市場でのアメリカ、日本、韓国、フランス、ロシアなどの企業の技術やサービスの競争を招いている。
福島の事故がきっかけとなって、原子力の将来を危惧する声と共に、より高い安全性を求める声が高まっている。
そしてそのことはコストのさらなる上昇を意味している。

ロシアの原子力物理学者であるニグマトゥリン氏は、そうしたなかで如何に価格を抑えられるかが勝負だとして次のように語っている。
「現在の原子力発電におけるメインストリームは、チェルノブイリ原発事故以降に生まれたオプティミズムが減少し始めているということだ。特に今まで原発を持ったことのない国にとっては障壁が高まった。
我々は海外での建設を進める際は、ロシア政府からの融資を使っている。政府も価格の抑制に関心を抱いているのは、これが予算支出を抑えることに繋がるからだ。
これは中国、ベトナムやインドのクダンクラム原発、バングラデシュなどに付いて言えるこだ。
もし価格を抑えることが出来なければ、ほかの同じく政府融資を貰っているプロジェクトに競争力を取られることになる。特に韓国やアメリカの東芝からライセンスを購入した中国、およびフランスが挙げられる」
ロシアの原子力物理学者は、このように話している。

福島原発でいま起きている本当のこと~元・現場技術者がすべてを語った!
クリエーター情報なし
宝島社

福島以後の原発状況、楽観許さず(2)へ続く

9月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル