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イランとの対決姿勢を強めるアメリカと、これに対するロシアの立場

2007-08-26 | ラジオ
アメリカがイランの守衛部隊である革命防衛隊を、テロ組織に指定する
方針を明らかにした。
これはWashington post紙が、アメリカ政府の複数の情報筋からの話
として報じたものだ。
これに関連してロシアの声の記者は、次のようなコメントを寄せている。

2001年9月11日に発生した、アメリカの同時多発テロ事件後に作成され
た、国際テロ組織のリストに12万5千の兵力を持ち、イランの守衛部隊と
して知られる革命防衛隊が含まれる可能性が出てきた。
尚これまで国家に属する部隊が、テロ組織として指定されたことはない。
革命防衛隊がテロ組織として指定された場合、資産の凍結、その部隊と
協力する外国企業への対抗措置など、テロリストに対して講じられている
措置かこの部隊に対して適用されることになる。

アメリカ政府と国務省は、この報道を否定していない。
政府のペリノ報道官と国務省のマコーマック報道官は、それぞれ検討中
の事項に付いて述べるつもりは無いとして、この件に付いてはコメントを
控えている。

こうした状況にはアメリカとイランの間の、緊張が高まっていることが背景
にある。
その根底にあるのはイラク戦争と、イランの核問題に関連する一連の問
題だ。
アメリカはイランの革命防衛隊が、イラクでアメリカに対立する勢力に支援
を行い、イラク問題に干渉をしているとの見方を示している。
一方イランの核問題に付いてはアメリカが、イランの核開発は軍事目的の
ものであると捉えている。
アメリカは現在、イランがウラン濃縮を中止することを目的として、イランに
対する新たな制裁案を国連安保理で作成するよう主張している。

しかしイランはIAEAとの協力を拡大しているほか、国際法の枠内で核活動
を実施していくとする内容の、正式な声明を表している。
しかしイランに圧力をかけようとする政策は尚も続けられている。

ロシアの政治学者は、イラン危機を正常化するための別の方法を模索する
ことが必要だとして、次のように述べている。
「アメリカはイランに直接な圧力をかけることを止めれば、イラン状況の正常
化が将来的に保障されるかも知れない。
この場合外交的に、そうした方向に進めていくための基盤があり、そうなれ
ばイランに、軍事目的との核開発を断念させることが出来るかもしれないの
だ」
ロシアの政治学者は、このように述べている。

またロシアのラブロフ外相も、イランを力ずくで従わせようとするようなアプロ
ーチは、非生産的なものであるとの確信を示している。
イランを強制的に従わせようとする試みは、ヨーロッパと世界全体のエネル
ギー安全保障の利益に、直接対立することになるものだ。
ラブロフ外相は雑誌「グローバル・ポリテックスの中のロシア」に掲載された
論文の中で、この問題を解決するためにはイランと全ての国々の関係が正
常化されなくてはならず、このことは核不拡散体制を維持するという課題の
解決を促すだろうと強調している。

陰謀国家アメリカの石油戦争―イラン戦争は勃発するか!?

スティーブン ペレティエ,Stephen Pelleti`ere,荒井 雅子

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8月17日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル