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ロシアはグルジアで発生した事件での年密な調査に賛成する

2007-08-20 | ラジオ
ロシアは8月6日にグルジアで発生した、身元不明の航空機による領空侵犯
事件に付いて年密な調査を求めている。
ロシア空軍総司令官はグルジア側の訴えがあった場合、ロシア空軍はその
為に必要なデータを提出すると述べた。
同様の声明はロシア外務省からも出ている。その中では自国の航空機は事
件と無関係であるとの確信が示されているほか、グルジアと調査協力の用意
もあることが伝えられている。
ロシア外務省はさらに公の場での宣伝活動や、また調査結果に前もって先手
を打つような方向では、対応しないことも強調している。

グルジア側の確認しているところによれば身元不明の航空機は、同国領内に
ロシア製ロケット弾を投下したということだ。
そしてグルジア当局は、まさしくこのことをロシアによる攻撃であると批難してい
る。
同国はさらに国連安保理に対して上空侵犯に関し、特別会合を開くよう要請し
た。
またサーカシヴィリ大統領はEUに対して、グルジア領の爆撃でロシアを批難す
るよう求めた。
この両国際機構の名誉の為に申し上げると国連安保理、EU共にグルジアに対
しては、事件の究明でロシアと協力するよう呼びかけている。

しかし独立した客観的な調査に、グルジア当局は決して協力しようとはしていな
い。
投下されたというロケット弾は不発に終わっており、第三者機関の専門家による
研究で多くのことが判明する筈だった。
しかし国際的な監視団の到着を前にして、グルジアはその重大な証拠を爆破して
しまった。
その際、同国TVの映像によれば、ロケット弾が落ちた後から僅か5メートルの所
が、警察の立ち入り禁止リボンで囲われていたということだ。
つまりはロケット弾に全く危険性が無い事を、誰かが知っていたのではないだろう
か。
もしロケット弾が戦闘用のものであるならば、あらゆる安全基準から判断して、数
百メートル離れた場所に囲いを作るのが普通だ。

グルジアは明らかに事件を政治目的に利用しようとしているのだ。
同国の外相は、今後グルジアがNATO加盟問題に、より活発に取り組んで行くこと
を明らかにした。
さらに今後グルジアが、アメリカのミサイル防衛システムで領空の監視を行うよう、
アメリカに要請する可能性も示唆されている。

しかし注目すべきはグルジアでも、全ての人が政府見解を共有している訳では全く
ないということだ。
元外相は事件を内務省が仕掛けた、全くの挑発行為だと見ている。
この元外相は、このやり方は外務省とよく似ているとも語った。
また野党政治家の一人は、このシナリオがサーカシヴィリ大統領のPR活動であると
見ている。

1年後の大統領選でも、今回の軍事的なヒステリーの波に乗って、サーカシヴィリ氏
は続投となるかも知れない。
もちろん今、申し上げた推測は一つにしか過ぎない。しかし全く無いとも言えないも
のなのだ。

グルジア語にかける思い

谷 尚紀
文芸社


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8月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル