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イランに対する軍事作戦開始を懸念するアメリカ議会

2007-08-12 | ラジオ
アメリカ議会はホワイトハウス・ブッシュ共和党政権が、イランで軍事作
戦を始めるのではないかと心配している。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
アメリカ議会にイランに対し、予防攻撃をするために予算を支出するのを
禁ずる法案が提出された。
こうした措置はペルシャ湾地域での、アメリカ国防総省の動きが強く活発
になっていることを背景に行われたものだ。
アメリカ民主党がイラン対し起こりうる軍事作戦に、予算を割くことに制限
を加えようと考えたのは、今度で四度目だ。

ホワイトハウス・ブッシュ政権は毎回そうした法案に対して、アメリカ軍総
司令官でも大統領の権限に、干渉するものであるとして反対している。
共和党の大統領でもあるブッシュ大統領への、民主党の今回の新たな試
みは、イギリスのブラウン首相の次のような声明と時間的に一致している。

ブラウン首相は、首相として初めて迎えた記者会見で、ブッシュ大統領の
立場を、その立場どおり繰り返し、イギリスとしては将来イランに対する軍
事作戦を実施することも在り得ると述べた。
こうした発言をした指導者は、それまでEU諸国のリーダー中では誰も居な
かった。
アメリカ政府はすでにイギリス政府に対して、一緒になって支持を前もって
確保しようと、自分の軍事プランを前もって知らせていたという可能性も無
きにしも非ずだ。

アメリカとイギリスが2003年イラクに対し、戦争を始めた以前の状況との悲
しい類似性が自ずと頭に浮かぶ。
ペルシャ湾ゾーンには現在さらにもう一隻の、航空母艦が向かっているが、
すでにそこには最も大きなアメリカ海兵隊の部隊がすでに集結している。

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先日アメリカ国防総省の将軍達は、イランの核施設への予防攻撃の為の
時間は終わりかけていると発言したが、この発言はまさに火に油を注ぐも
のだ。
ロシアの政治学者は、イランをめぐる状況が先鋭化していることに付いて、
それは多くの点でアメリカ国内の政治的な状況、政治的な争いと利益との
密接に関係していると分析し、次のように語っている
「ペルシャ湾地域で紛争が新たに勃発するとすれば、アメリカ国内の政治
状況が、ブッシュ政権に対して新しい何か英雄的な行動や、何か新たな勝
利が求められた場合だろう。
そうした盛り上がった波の中で、大統領選挙キャンペーンの枠内で、国内
の世論を動員したいのだと思う」
ロシアの政治学者は、このように分析している。

中東の安全保障は明らかに、アメリカの国内の政治的争いの人質になるも
のではない。
このことは同じくイランの核問題を、力によって解決しようとすることにも関係
している。
ましてイランとアメリカの軍事的な対立の新たな高まりは、イラン政府に対し
て一日も早く抑止のファクターとしての核兵器を製造する方向へと促していく
ことになる。
尚IAEAの最新の声明から判断して、イランには現在、核兵器は存在していな
いことがハッキリしている。

7月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル