今日は午後から城南宮で「曲水の宴」が行われました。城南宮は、京都南ICのすぐそばにある方除の大社です。この城南宮のある地は、平安京の大阪方面からの入口にあり、交通の要衛の場所でした。また平安末期には離宮(鳥羽離宮・城南離宮)がおかれ院政が行われた場所です。
曲水の宴は、王朝時代を偲ばせる雅やかな行事です。城南宮では4月29日と11月3日【前ぶろぐ】に開催されています。毎年、曲水の宴の日は、神苑が無料公開されています。今日は青空が出ているのに、時折小雨が降り、平安の庭での開催が危ぶまれましたが、定刻の2時より10分遅れで開催されました。開催までは琴の演奏が行われています。
平安装束を身につけた男女の歌人が本殿参拝の後、平安の庭に入られます。そして、その場で「歌題拝見」が行われます。今日の歌題は「うの花」でした。うの花(卯の花)は、ウツギの別名で、春に白い花を咲かせます。旧暦の4月を卯月と呼ぶのも卯の花から来ているといわれています。
座に着いた歌人が紹介された後、白拍子の舞が行われます。平家物語では、白拍子の起源について「鳥羽院の時代に島の千歳(せんさい)、和歌の前という2人が舞いだしたのが白拍子の起こりである」とあるそうです。城南宮は鳥羽離宮のあった場所、まさにこの場所なんです。*清盛と白拍子の話は祇王寺に伝わります。【前ぶろぐ】
白拍子の舞の後、川上から童子が、鴛鴦(おしどり)の姿をかたどった「羽觴(うしょう)」の背に朱塗りの盃をのせて流します。実は、童子は2人いたのですが、直前に体調でも崩したのか?1人は下がってしまいました。会場はすごく寒かったから、風邪ひいたのかな?せっかくの晴れ舞台だったの残念でしたね、チャンスがあればまた来年!
歌人は「羽觴」が流れ来るまでに和歌を詠み短冊にしたため、そして盃を取り上げてお酒をいただきます。宴の間、2首、詠んでおられたので、2杯は飲むんですね~。
完成した歌を童子が集め、神職によって披講されます。講師(こうじ)(全句を節をつけずに読む役)、発声(はっせい)(第1句から節をつけて歌う役)、講頌(こうしょう)(第2句以下を発声に合わせて歌う役)の諸役によって進行されます。(歌の優劣を決めるわけではありません) 今年は、鳥羽離宮があったこの地で曲水の宴が行われた年から900年目にあたる節目の年で、今年の題「うの花」は、900年前の宴でも詠まれた題だそうです。庭園内に、雅ながらも力強い歌声が響き、とても素晴らしいです。白拍子の舞もいいですが、歌声もとっても良いので、見学の折は、ぜひ最後までご覧ください。映像はこちら
1時間ほどで曲水の宴は終了します。終了後は雛流しが行われます。そもそも曲水の宴は、3月のひな祭りの頃に行われた行事だそうです。歌人が歌を詠んだ平安の庭に特別に入り、人形(ひとがた)を流すことができます。(初穂料300円)
神職が祝詞をあげる中、自分の両肩を人形で触れ、その人形に息を吹きかけた後、しずかに遣水に流し穢れを払います。一緒に流されるひな人形は、たしか、お正月から3月ぐらいまでに城南宮受付で奉納受付しています。(折り紙などが置いてあります)
ゴールデンウィーク期間中、城南宮では「平成28年度春期非公開文化財特別公開」が行われています。初公開の皇都春景図もあります。(拝観料:大人800円 中高生400円)
5月1日からは藤の巫女神楽が行われます。(見学自由:詳細はサイトにて)
参拝、駐車場は無料 神苑拝観:大人600円 小中400円 (曲水の宴開催日は無料開放されています)城南宮はよく訪ねています。ぶろぐ内検索してみてください。2年前は雨の曲水の宴をご紹介しています。【前ぶろぐ】
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