まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

富山に帰省・・・とやま健康パーク・イタイイタイ病資料館

2013年12月30日 | ふるさと富山

週末、富山に帰省していました。その際に「富山県立イタイイタイ病資料館」へ行ってきました。イタイイタイ病は、明治、大正時代頃から富山県の神通川(じんづうがわ)流域で発生し、患者やその家族、 地元住民等に深刻な影響を及ぼしてきた公害病です。四日市ぜんそく、水俣病、新潟水俣病と共に日本四大公害病に指定されています。

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昨年から、何度か訪ねようと思いつつも、がらーーんとしてて、なんだか入りにくい雰囲気(^^;)しかし、今回は、今月半ばのニュースで「イタイイタイ病、全面解決で合意」の一報を聞き、ぜひとも訪ねたいと思っていました。入場は無料です。写真撮影はNGですが、展示品などのプライバシーに配慮する条件で許可を頂きました。

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イタイイタイ病の発生地域は、昔から「神が通る川」といわれてきた神通川(じんづうがわ)の流域で、清らかで豊かな水にめぐまれた土地でした。水道が普及する以前は、用水によって家のそばまで引きこまれた川の水を、そのまま生活に利用していました。川の水で米を育て、川で採れた魚を食べ、炊事も洗濯も、すべて川の水で行っていたそうです。

ところが、明治の中頃から稲の生育不良が目立ち、大正時代には、全身が激しく痛む原因不明の病が現れ、一度かかると治らない奇病として恐れられていました。発症は、主に出産経験のある女性で、35歳から更年期初期に多くみられました。肩や膝の痛みから始まり、進行すると骨折を繰り返し、全身を 襲う痛みで動けなくなり、やがて意識は正常なまま、痛みで衰弱死に至るとても恐ろしい病気です。

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「イタイイタイ病」として、世の中に知られるようになったのは、昭和30年(1955)の新聞報道からで、病名はあまりの痛さに「イタイイタイ」と泣き叫ぶことからきているそうです。病気の原因が分かったのは昭和36年で、上流の神岡鉱山から排出されるカドミウムが原因でした。

神岡鉱山は、神通川上流の富山県と岐阜県の県境近く にあり、主に亜鉛や鉛などを産出する鉱山です。その歴史は古く、奈良時代から採掘がはじまったという記録があります。明治以降は、三井組(後の三井金属鉱業)の経営となり、日本の近代化を支える亜鉛・鉛資源の一大供給地となっていました。

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裁判で、イタイイタイ病の原因が鉱山から排出されたカドミウムと認定されたため、三井金属工業は、長い年月をかけて、患者さん・患者さん家族への賠償、発生地の田園の土壌の改善、鉱山施設の改善に努めています。文明発展のため壊された環境によって、たくさんの人々が苦しみ・・・そして、もとの美しい環境を取り戻すために、莫大な費用と長い年月がかかっています。

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解説ボランティアの方のお話も伺いました。日本の公害病の中で、全面解決したのは、イタイイタイ病が初めての事だそうです。その理由は、裁判時の患者数が約200人と他の公害病に比べ被害者が少なめだった事、病気の原因がはっきりしている事、裁判の相手が現在も操業している大企業だった事などだそうです。現在、存命されている患者さんは4名、そのほかに要観察の患者さんが300名ほどいらっしゃるそうです。裁判上では全面解決したものの、患者さんの病気が完治したわけではありません。

富山で生まれ育った私ですが、イタイイタイ病の事は、社会の時間に他の公害病と同じように習っただけで、深くは知りませんでした。ちょうど、小5になったまじくんも公害について習ったところで、今回、様々な資料を見て、いろいろと考えさせられました。みなさんも、機会があればぜひ訪ねてみてください。

富山県立イタイイタイ病資料館 http://itaiitai-dis.jp/

入館無料 9:00~17:00 月曜休館  富山ICから車で5分、無料駐車場有 見学所要時間:30分~

ちなみに、イタイイタイ病資料館は、とやま健康パークの中にある施設です。有料の健康スタジアムもありますが、無料ゾーンの生命科学館では、健康のきっかけづくりとして、いろんな設備があります。外は雪でも遊具で大人から子供まで自由に体を動かせます。

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シンボル的な赤いチューブ・・・実は、人間の消化器官を表しています。口の中からチューブに入ると、中は胃や腸の中です。最後は・・・排出(^m^;)

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大人も入れますが、靴を脱いで入りますから、気を抜くと滑りますので、気をつけましょう。一気に排出されるかも・・・。

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とやま健康パーク http://www.toyama-pref-ihc.or.jp/index.html 



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