ITSを疑う

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上海高島屋 新世界大丸の状況

2016年04月19日 | 上海生活
高島屋の16年2月期株主総会資料が公表された。一方で、昨年5月にオープンした新世界大丸も15年の売上げを発表した。

上海高島屋は売上げ73億円、営業利益マイナス12億円。
新世界大丸は売上げ約70億円、営業利益マイナス約70億円。

どちらも大変な苦戦である。

高島屋に関しては開業から3年経過。開業当時よりも状況はいくらか改善していると思うが、それでも週末でも非常に空いている。営業利益マイナス12億円は高島屋の子会社の中でも突出して悪い数字であり、通常の経営判断であれば撤退だろう。
来年度も赤字予想であるが3億円の改善を計画している。シンガポール高島屋の例をあげ10年かけて黒字化するといっているが、現状からの改善は相当大変だと思う。シンガポールはオーチャードの一等地だが、ここには高島屋以外商業施設がないのだ。さらに日本人居留者はユニー系のAPITAができてから、そちらへ相当流れてしまっている。
年商70億円=日商2千万円。これは大型百貨店としてはかなり厳しいものだと思う。

一方、大丸はブランド提供であり実際の経営は新世界百貨店。なので大丸としては損益への影響はないと思う。
新世界大丸はまだオープン一年未満。中国ではソフトオープンしながらだんだんと来客が増える傾向にあるのでまだこれからかもしれないが、それにしても売上げが少ない。
売上げ金額としては高島屋と同じくらいということなのだがしかし立地が全く違うのでこれではやっていけない。
南京東路の地下鉄駅から上海最大の観光地外灘へ抜ける道の角。週末となれば大変な人ごみになる商業地。固定費が高く、それが営業利益の赤字を大きくしているのだろう。
三菱電機のらせん型エスカレーターが売り物でそれは見事なものだが、ここもフロアに買い物客はすくない。
南京東路は人出は多いが殆ど中国各地から来たお上りさん。高級百貨店で買い物をする人たちではない。むしろそうした雑踏を嫌い肝心の上海のリッチ層はあまり行かない場所であり、オープン当初からその懸念が言われていた。

過剰投資により商業施設が飽和している中で、逆に中国人の消費は日常品は通販、高級品は海外へと向かっており店舗はどこも閑古鳥が鳴いている。立地の悪い店が生き残れるわけがない。
私は今後の改善は相当厳しいものがあると思っている。


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