ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

市場規模の検証(4)

2004年08月27日 | ITS
最後に情報通信インフラ7千5百億円であるが、このインフラ市場は、センター、路側機、情報提供ネットワークの3分類の情報通信システムにより構成され、公共事業に係るものと民間事業に係るものが含まれるとのこと。
公共事業がどのくらいを占めるかはなんとも予測しがたい。安全運転支援に関して国がどこまで公共投資をするかにかかっている。
しかし2004年度の国の道路関連予算総額2兆円と比較すればいかに7500億円という数値が大きいものかがわかり、大半を民間事業に期待していることは明らかである。

まずその民間需要を追ってみよう。

DSRC(ETC技術)を商業利用する場合の路側機市場がある。
駐車場への応用はありそうだ。少なくとも消費者としてノンストップゲート通過は便利である。
一方、事業者としてのメリットはあるのだろうか?既に多くの駐車場が料金収受を無人化している。従ってコスト低減効果はさほど大きくない。集客効果はあるか?ないとは言えないが、消費者にとっての駐車場の選択基準はロケーションと料金であり、支払いの容易さというセールスポイントがそれほど集客効果を生むとは思えない。

しかし、駐車場管理設備をリニューアルする際にDSRC対応とする業者や大規模商業施設などが出てくるだろう。そこで、全国でリニューアルする駐車場を年間1000カ所、1カ所の設備投資が1千万円として100億円。プライベート敷地の入場管理なども需要がありそうなので、仮に倍にふれても200億円規模の市場が精一杯であろう。

ガソリンスタンド、ドライブスルー、コンビニなどは市場が成立しそうにない。

路側機からの情報広告発信も厳しい。安全運転の妨げになるという議論には当然なるだろうし、消費者にとっては一歩間違えれば迷惑メールと変わらない。多分実現しないと思う。

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