ITSを疑う

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既存ETCの民間開放と駐車場利用

2006年03月26日 | ITS
神尾寿氏はレスポンスで、既存ETCの開放と駐車場利用について書いている。
駐車場で”キャッシュレス”の攻防

国交省が開放に踏み切った背景に改正道交法による駐車違反取り締まり強化がある、というのはどうかな、と思うが、いずれにしてもDSRC対応ETCの短期間での普及は望めず、その間にFelicaなどが市場を席巻してしまう恐れからの判断であることは間違いない。

私はETC民間利用は、石油元売主導で取り組みがなされるという前提で、普及の可能性がある、と書いた。

駐車場については、消費者のニーズは給油所より高いが、逆に普及へのハードルは給油所より高いのではないか、と思う。その理由は以下のとおりだ。

まず、割引券の扱い。
駐車場ビジネスにとって、周辺商業施設との割引契約獲得は死活問題だ。
しかし、既存ETC利用方式では、ノンストップ入出場で割引を実現することは困難だ。

次に、駐車場の形式。
よくある、ロック式のコインパークでは、区画ごとに路側機を設置しなければならず、現実的ではない。入出場ゲート式に限定されると考えてよさそうだ。

そして汎用性。
個人経営の駐車場が独自に利用者と契約することは可能だが、一元客獲得には結びつかずメリットは小さい。月極め利用者にとっては便利だろうが、他での活用はできない。
これは、組合を作るか、サービス提供事業者の傘下にはいってそのサービスを受けることで解決するだろうが、個人事業者にとっては設備投資に見合うメリットがあるかが微妙なところだ。

一方、神尾氏が指摘しているように、確かにパーク24のような全国展開をしている事業者にとってはビジネスチャンスだ。

TIMESなら全国どこでもノンストップ通過ができる、ということなら、まずは目的地周辺でTIMESの看板を探す、という消費者行動が生まれても不思議ではない。

したがって、駐車場利用の普及は、全国に展開する大手駐車場事業者だけが鍵を握っている。

(余談だが、友人は昔、「月極」という名前の会社が駐車場チェーンを経営していると思っていたらしい。)


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