ITSを疑う

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Apple CarPlayなんてたいしたことないんじゃないか

2014年03月10日 | ITS
AppleがCarPlayを発表し、メデイアでは「激震」「カーナビは終わるのか」みたいな論調が見受けられるが、私はそれほどなことにはならないと思う。

スマホと車載ディスプレイを連動させる試みは既にNOKIAを中心にMIRRORLINKという名で2010年からスタートしているが、NOKIAとともに沈没してしまった。
まあ、これをアップルがやるということでインパクトが違う事は間違いない。

CarPlayは、車載向けにコンテンツを制限し、かつUIを運転阻害の内容にアレンジしているという点から、カーメーカーにとって使いやすい。
アンドロイドのHDMI接続などは、携帯画面をそのまま表示してしまうから、その気になればゲームだってできる。これではカーメーカーは採用できない。

その点とアップルのブランド力が、あれだけのカーメーカーを参加させた理由だろう。

一方で、逆にカーメーカーとして使いづらい点もある。
それは、これを全車標準装備してしまうと「iPhone使ってる人にしか売れない」車になってしまうということ。カーメーカーはそんな馬鹿なことはしないだろう。
したがってCarPlayはあくまでもオプション装備、もしくは単にナビに「CarPlay対応、iPhoneもつなげます」という扱いになると思う。多分、後者だろう。

そもそもCarPlay自体、まったく革新的なものではない。できることは電話、メール、音楽といった当たり前のコンテンツで、それをSIRIでコントロールできるというのが売りだけど、今どき音声認識は珍しくない。SIRIは単なる音声認識からもう一歩進んでいるかもしれないけど、まだ未完成だ。
(余談だけど、メールを車載ディスプレイに表示したり読み上げたりってのは、一人で運転しているとき以外はありえない。だからファミリーカーが中心の日本ではあまり普及しない。)

アップルファンで車のディスプレイもiPhoneのタッチアンドフィールがほしいというユーザーにはCarPlayが受け入れられるだろうが、決してカーナビの存在を脅かすという程のものにはならないと思う。
今でもほとんどのカーナビは「iPhone接続対応」となっていて、画面で音楽等の操作ができる。
CarPlayはアップルがその専用ソフトを提供する、という位置づけになるだけのことに思える。


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