ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ケータイがカーナビに

2004年10月14日 | ITS
8月から静岡でテスト販売をしていた株式会社カー・イズの携帯電話ナビゲーションキット「ドライブステーション」(カーナビスタンド)が10月1日から全国のオートバックスで発売された。
「ドライブステーション」がサービスの名前で、「カーナビスタンド」が車載用アタッチメントキットの名前。

これは携帯をカーナビにしてしまうという商品。AUのEGナビウォークと違い、これは専用のGPSアンテナをクルマに設置する。クルマでの使用なので、AUに比べて表示は早くなっているのだろう。音声でも案内し、VICS情報に対応している。また、交差点拡大機能などをそなえており、画面は小さいものの使い勝手は良さそうだ。
地図データーを都度ダウンロードして表示する。

カーナビスタンドには、専用スタンド、充電器、GPSアンテナ、イヤフォン、マイクなどが含まれ、27800円。(ネット販売価格)
さらに、情報提供料として月額350円と、接続の都度のパケット料がかかる。
カーナビがどんなに安くても装着費用を含めれば10万円を越えることを考えれば、あまりクルマを使わない人には良いかもしれない。

対応する端末は今のところボーダフォンのV602SH、V601SH、V601T、J-SH53のみ。今後拡大するとのこと。

問題は気になるパケット料だが、東京駅から箱根湯本駅(約112km・約300,064byte・約2,344パケット)まででハッピーパケットスーパーご利用の場合約155円、通常だと約775円だそうだ。パケットヘビーユーザーにはどうということのない金額だが、通常契約だとやはり高いな、と思う。AUのパケット使い放題などに対応しないと厳しいかもしれない。

さて、この商品は売れるか?
まず、販路は確保されている。カー・イズがオートバックスの関連会社であり、カー用品としては我が国最大の販路を活用できる。
商品力はあるか?画面は小さいものの、カーナビとしての使い勝手は問題なさそうだ。
顧客は存在するか?一番のネックは対応する端末が限定される事だ。
また、どんな顧客が買うのかを考えると、案外難しいのかもしれない。
携帯をこのようにハイテクに活用する若いユーザーはクルマにもナビを装備している可能性が高い。一方、高価なナビをつけるまでもないと考えている顧客は一般にこうしたハイテク系に弱い。まあそうはいってもクルマにナビがなく、また敢えて今からナビをつけるに値しない古い車に乗っている顧客には結構インパクトがありそうだ。2002年の調査では、ナビが5万円を切ったら装着する回答したユーザーがかなりいた。

全ては今後の携帯キャリアと端末の対応にかかっていると思う。