ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

クルマの情報化

2004年10月05日 | ITS
日経BPの2002年「クルマの情報化市場調査」からもう少し。

ITSやテレマティクスが今後ユーザーに提供していくと思われるサービスのなかで、消費者が有料でも利用したいと回答している項目のトップは盗難防止、安全関連である。
(上位3項目:盗難車両追跡46%、駐車時不正動作時の携帯への通知41%、緊急通報38%等)

一方、有料情報として事業者が皮算用するロードサイド情報、目的地情報などは軒並み10%以下となっている。

※なお、「有料でも利用する」というよりは、「有料サービスに値する」という意味でのYes回答が含まれており、実際にYesと答えた人が有料サービスを利用する訳ではない。

当然、ショッピング関連の情報には消費者は絶対に料金を払わないから、どうやら消費者はセキュリティと安全関連以外にはお金を払う気はないようだ。

実際、インターネットでも単純に有料コンテンツとしての情報提供でビジネスを成立させている例はBtoCではほとんどないと言っていいのだろう。
インターネットの場合はビジネスモデルをネット広告に依存している。

テレマティクスの事業化を考えると、これと同様の広告に依存するビジネスモデルが車内で組めるかがポイントとなるだろう。

ここで車の特殊性が出てくる。走行中に車の画面を漫然と見ることは許されない。従って広告は画面ではなく、音声で行われなくてはならない。しかし、誰でも運転中は音楽かラジオを聞いている。それに割り込む広告を消費者は容認するだろうか。絶対にあり得ないと思う。
もう一つは、事業者から料金を徴収してそのレストランなどを検索結果の上位に持ってくるというグーグル方式がある。しかし、これも度が過ぎると情報の質を見抜かれて、誰も利用しなくなる。旅行ガイドがバックマージンをもらえる店を紹介するのと同じだ。