みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ミニボックスEシリーズあれこれ その6

2008年09月08日 21時06分04秒 | キット評
 ハセガワミニボックスEシリーズの箱絵の話の続きです。アメリカ海兵隊歩兵セット、上がEシリーズ、下がエッシー白縁のものです。兵隊の絵はキットに入っているフィギュアに大変忠実に描かれています。でもこれ、服装や装備を見ると海兵隊ではなく普通の陸軍歩兵部隊のように見えるんですが、エッシーが「Marine Corps」としているのでハセガワもそれに従ったのでしょう。まあそれはそれとして、この二つの箱絵を比べて感じるのは、海兵隊の箱絵だとすると背景に少し違和感があるということです。
 遠くには炎上する市街地、手前は草と灌木の丘陵、頂きにはトーチカ、その向こうには鉄条網。コンクリート製のトーチカがあると言うことは、半恒久的な防衛拠点として準備されたもの、ってことですよね。前線がどんどん動くところにはトーチカは作りません。そうするとここでイメージされるのは、やはりノルマンディーでしょう。遠くに見えるのはカーンの町の心象風景、ってところかな。少なくとも第二次大戦で米海兵隊が戦った場所の感じではないんですよね。
 このことは、以前話題にした、背景の有る箱絵と無い箱絵とどちらが先か、ということと関連があるような気がするんです。シリーズの他の箱絵を見ても、箱絵画家は車輌や装備品の知識がある人であることが分かる。それが最初から背景付きの海兵隊の絵を依頼されたのならば、こういう背景にしなかったのではないかと思うんですね。むしろ、まず兵隊だけの白地の絵があって、後から背景を書き込んだ、そのために兵隊と背景の設定がずれた、という可能性が考えられます。ただ実際に白地の箱絵のものがエッシーから発売されていたかどうかは資料がないので分からないのですが。もしくは、最初は海兵隊の絵ではなく、単に米軍歩兵の絵、という注文だったのかもしれませんね。いや本当にプラモデルというものは、箱絵を眺めているだけでもとても楽しい。

万年社の塗料皿

2008年09月06日 23時59分01秒 | 工具・材料
 行きつけの模型店で買い物がかさばると、車に積みやすいよう要らない段ボールに入れてもらいます。大抵はタミヤやハセガワの箱です。今回も段ボールに入れてもらって、帰宅してよく見ると…
 モデラーなら誰でも一度は使ったことがあるであろう、万年社の塗料皿の箱ではありませんか! 考えてみると、メーカーから問屋へは大きな段ボール箱で出荷するのは当たり前のことですよね。でも、我々個人客はあまり目にすることはありません。ましてや塗料皿のように一つずつは小さくて、しかも一度に何十枚も買い込むことのないものだと、問屋にどんな形で入荷しているか、考えたこともありません。しかし、こんな大きな箱で届いているんですね。今さらながら、認識を新たにしました。
 注ぎ口付き特大塗料皿ですか。私もこれ、使ってますよ。調色してさらにシンナーで希釈した後、エアブラシのカップに注ぐのに、この注ぎ口が便利なんですよね。で、こんな大きな段ボールにどれだけ入ってるんでしょう。箱の横に「入数=20打」と書いてあります。「打」は「ダース」のことですね。もう一つ、「才数=1.3才」と書いてあります。これって何のことでしょうか。「才」とは貨物の容積の単位なんだそうです。本来は一石=十才ですが、現在では30センチ立方の荷物を1才と言うんだとか。なるほど~。
 今はクレオスなどからいろいろな塗料皿が出ていますが、我々にとっての定番はやはり万年社ですね。今も昭和の香り一杯のパッケージで売っています。私はずっと万年の塗料皿で事足りていたのですが、オマケの撹拌棒と調色スプーン欲しさにクレオスの調色セットも買っています。この調色スプーンは実に使えます。タミヤから調色スティックという金属製のやつが出ていますが、耳かきみたいに小さいスプーンではあまり出番はありません。
 さて調色皿は、万年のような金属製のものと、塗料が乾いたらパリパリ剥がせる塩ビ製(ですか?)のものとがあります。まあ好みによるでしょうが、パリパリ剥がせると言っても意外と剥がれにくいこともあって、私は金属製を好んで使っています。ボロ布できゅっきゅっと拭けば簡単にきれいになるので、塩ビ製と手間は変わりませんもんね。

ホビーボスのMiG-15UTI エアブレーキ

2008年09月03日 00時01分15秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、複座練習型のMiG-15UTIも並行で作ろうと思って、今パーツを出してみたら… えーっ、なんだよ、これ! エアブレーキがbisと同じ形じゃんかよ~! えっと、何でこんな写真なのかと言いますと、夜中に三脚とカメラ出してくるのが面倒だったので、スキャナにパーツを置いてスキャンしたからなんです。すみません。
 で、赤の矢印をつけた尾翼下のエアブレーキをご覧下さい。エアブレーキの上辺が斜めでしょう? これはbisつまり後期型仕様ってことですね。一方UTIのエアブレーキは戦闘機型の初期型と同じで、上辺が平らで、全体が三角形に近い形をしているはずなんです。困ったねえ。
 ところで戦闘機型の武装が機関砲計3門なのに対して、練習型では12.7ミリ機銃1挺に減っています。ホビーボスのキットでは、武装が正しく機銃1挺になっているんです(機首下面の赤い矢印)。ってことは、この辺りの練習型の特徴はちゃんと理解している、つーか、ちゃんとコピーしているわけです。だったらエアブレーキもちゃんとしろよ。どうせこの部分はスライド金型を使っているんだから。
 おそらく、ホビーボスがトラペをコピーする際、トラペではUTIのエアブレーキ周りが別部品になっているため、間違ってbisの方のパーツをコピーしちゃったのではないんでしょうか。
 うーん、ここを修正するとなると、えらく手間がかかります。とにかくホビーボスに手間をかけるのは人生の無駄、ってものです。ここは気づかなかったことにしてそのまま組み立てるか、あるいはエアブレーキを閉じた状態でしっかり接着してしまい、あとはスジボリでエアブレーキの形を表現するかでしょうね。あるいはこのキットが胴体上下割りなのを幸いに、胴体接着前に上辺と下辺の内側に軽くプラ板を当ててそれらしく整形しておくか。
 ちなみに後期型でこんな形にエアブレーキが変更されたのは、初期型ではエアブレーキを開いたとき機首が上がる傾向があったので、このように斜めに開く形にして機首上げの力を相殺するためなんだそうです。

ミニボックスEシリーズあれこれ その5

2008年09月02日 00時37分37秒 | キット評
 で、ハセガワミニボックスEシリーズで最も手に入りにくかったのがこの「ドイツアフリカ軍団歩兵セット」だったと思います。やはりドイツものは人気が高くて、田舎の模型屋さんにまでなかなか回ってこなかったのか、店頭では一度も見たことがありませんでした。後に都会の模型店で、感動の思いで見つめたエッシー直輸入版にも、アフリカ軍団はついに見ず終いでした。以前ヤフオクに一度出品されたことがあったのですが、確かすごい落札価格になっていましたよ。私はこのAURORA-ESCI版しか持っていません。箱絵はEシリーズと同じのようですが。
 Eシリーズにはあと三箱ほどそろっていないものがあるのですが、もうまず出てくることはないでしょう。でもべつにコンプリートする必要はありませんよね。今あるコレクションの中で、これとこれは高校生の時にあそこのおじさんのお店で買ったものだ、などという個人的な思い出が大切なんです。で、大学に入ったら作ろうと思っていて、そのまま作るチャンスを失い、保存したまま現在に至るわけです。どうせデカールは使い物にならないだろうし、今作るならイタレリの再販分を作ればいいわけですしね。

ドラゴンの英連邦歩兵イタリア1943-44

2008年09月01日 00時00分02秒 | フィギュア(軍事)
 ドラゴンの新製品、Commonwealth Infantry Italy 1943-44(6380)、一応英兵の新製品なので買いました。このキット、面白いことに半ズボンの兵隊4人分のランナーフレームの、同じものが2枚入っていて、それに長ズボンの下半身だけ2人分がプラスされており、そこから頭・上半身・下半身の組み合わせで6人のフィギュアを作るようになっているんです。まあ、いいアイデアですね。手足の組み合わせが同じにならないように巧みに工夫してあります。よく見ると上半身が同じ人が一組いるんですが、でも首のパーツは変えてありますし、それにまっすぐ立って歩いている比較的単純なポーズですから、よほどよく見ないと分からないでしょう。ただライフルの持ち方が全く同じだと目立つかもしれません。1人をちょっと斜めに持たせたり、という工夫は必要かも。
 武装については、エンフィールドライフルとブレンガンは英連邦歩兵4人組(6055)のランナーが2枚そのまま入っています。前の第8軍エルアラメイン(6390)の時はリー・エンフィールドNo.1Mk.3でしたが、この英連邦軍イタリアではNo.4Mk.1で、ちゃんと差別化されています。それと、どのキットのだか知りませんがGen2の米兵のパーツが入っていて、そこからトミーガンを使うようになっています(M1カービンが一挺余る)。
 このキット、もしかしたら本来4人組として設計されて、後から手足の組み合わせで6人作るように変更されたのかも知れません(単価を上げるため?)。と言うのは、パーツ自体は4人分のランナー1枚で完結しているからです。それが4×2で8人分入っています。だから6人作った後の余剰部品で、実はもう2人ちゃんと作れるんですよ。手足が足りないということはありません。だって4人分のランナーが2枚入っているんですから。装備品もヘルメットやパウチ、水筒、エントレンチングツールなど、みんな4×2の8人分入っているんですね。
 これだけあればもう2人作れるじゃないか。ということで、写真は余ったパーツで作ったピノコちゃん2人です(なんのこっちゃ)。さすがに首はそのままでは変でしたから、首周りを削って胴体になじませています。塗装の都合で腕は仮止め。あともう一つ二つ装備品がまだ取り付けてありません。それからエンフィールドライフルは1挺足りません(4挺しか入っていません)ので、他から流用。肩に担いでいるブレンガンは元々2挺入っている内のひとつです。背景は白い紙でもよかったのですが、試しにエッシーのM4A1の箱を立ててみました。この箱絵、いかにもイタリア戦線らしい景色で気に入ってるんです。
 ついでにこのキットには、説明図どおりなら全く使わない小物パーツが余分に入っています。ピストルホルスター2種(リボルバー用とオートマチック用)、双眼鏡(レンズキャップ付き)、マップケース、ファーストエイドパウチなど。これも流用できてありがたい。