2011年4月号につづいて、『グランドパワー』2011年8月号はチャーチル戦車の特集記事が。特に今回は「チャーチル歩兵戦車の特殊バリエーション」となっています。著者は4月号と同じく白石光氏。「日本陸軍装軌式特殊車輌」のメイン特集も大変面白く、湿地車なるものの存在自体を私はほとんど知らなくて、こんな写真もまだまだあるんだなと感心しました。しかし、チャーチル戦車の特集となると、こちらにひと言触れないわけには行きません。
チャーチルの特殊車輌、特にホバーツファニーズと呼ばれるノルマンディー上陸を成功に導いた一連の工兵車輌については、今までもいろいろ記事はありました。しかしこの記事は、ホバーツファニーズよりも前、ディエップ作戦で用いられた古いタイプの特殊車輌に関してもかなり詳しい説明があり、またホバーツファニーズについても他書に比べても目新しい説明があって、英軍車輌に興味のある人は買っておいて損はありません。
まず最初に出てくるのが、チャーチルオーク(Churchill Oke)火炎放射戦車です。しかし、写真は今までも他書で見た写真だけ。ネット上でもこれ以外の写真は見たことがありません。強いて言えばドイツ軍によって撮影されたディエップで擱坐している写真だけ。まあ一時的にしか使われなかった車輌ですから、よほど写真が残っていなかったのでしょう。ただ『グランドパワー』の記事本文は、ディエップに参加したオーク3輌の内、1輌は水没、もう1輌は履帯切断により擱坐、残る1輌はタンクに被弾して炎上と、大変詳しい情報も載っています。特にオークについて詳しく述べた日本語の記事は、書籍と雑誌を含めても今までなかったと思います。さすがは『グランドパワー』というところ。
ただ掲載されている写真の解像度は高く、初出でなくとも十分資料的価値があります。それにしても、タンクは装甲がなされているとはいえ車体後部に直付け、燃料のパイプは車体外部をむき出しで走っていると、後のクロコダイルに比べれば今ひとつ急づくりの感を免れません。おまけに火炎放射ノズルなんですが、この形状だと発射時には俯仰角しか調整できないようですね。左右方向は車体全体の向きを変えなければならない。
それと、以前から気になっているのですが、ディエップのような作戦において、どの時点で火炎放射を行う計画だったか、ということです。上陸時に沿岸の防御陣地を攻撃する、ということになると、攻撃後炎上中の敵陣は味方の部隊も通過できない。コンクリート製のトーチカでもあるなら別ですが、ディエップの海岸の地形を考えると、上陸時の制圧にはあまり使えそうにない。むしろある程度制圧した後、海岸沿いの建物を焼き払って敵の損害を拡大する、という使い方を考えていたのかもしれない、なんて感じます。一応火炎放射戦車を作ったので、試験的に参加させるという意図もあったのか、というのは邪推かもしれませんが。
おや、ミニスケールでオークを作っている人がいますよ。
http://www.flamesofwar.com/Default.aspx?tabid=110&art_id=424&kb_cat_id=25
これは、「Flames of War」の塗装済み完成品を土台にして改造したもののようです。ただし残念ながら、この完成品のMk.1/2は実は後のアップデート型でして、ディエップの時にはこのタイプはなかったんです。要するに、Mk.3以降と同様の仕様とするために、砲塔や武装はそのままで、キャタピラ前後と上面にフェンダーを取り付け、エアインテークを後期型に改めたものですね。で、この段階ではクロコダイルの開発が始まりますので、このようにアップデート型に火炎放射器を取り付けたオークというのは存在しないはずです。あ、でも、ノズル・パイプ・タンクの作り方は大変参考になります。
むしろこちらの人の方が大変正確に作っていますね。
http://www.network54.com/Forum/47210/message/1250241388/New1-72nd+Canadian+Churchill+Oke+Dieppe
徒渉用ダクトまで用意されています。これ、土台になったのは何のキットなんだろう。ミリキャストっぽくないし、それに1/72って書いてあるし。あ、下の方に「cromwellmodels」と書いてありますね。クロムウェルの原型を作っている人だったようです。すごい。クロムウェルのチャーチルってこんなにシャープな出来だったんですね。現在入手不可能なのが残念です。我々なら、まあハセガワのキットから改造するしかありません。
チャーチルの特殊車輌、特にホバーツファニーズと呼ばれるノルマンディー上陸を成功に導いた一連の工兵車輌については、今までもいろいろ記事はありました。しかしこの記事は、ホバーツファニーズよりも前、ディエップ作戦で用いられた古いタイプの特殊車輌に関してもかなり詳しい説明があり、またホバーツファニーズについても他書に比べても目新しい説明があって、英軍車輌に興味のある人は買っておいて損はありません。
まず最初に出てくるのが、チャーチルオーク(Churchill Oke)火炎放射戦車です。しかし、写真は今までも他書で見た写真だけ。ネット上でもこれ以外の写真は見たことがありません。強いて言えばドイツ軍によって撮影されたディエップで擱坐している写真だけ。まあ一時的にしか使われなかった車輌ですから、よほど写真が残っていなかったのでしょう。ただ『グランドパワー』の記事本文は、ディエップに参加したオーク3輌の内、1輌は水没、もう1輌は履帯切断により擱坐、残る1輌はタンクに被弾して炎上と、大変詳しい情報も載っています。特にオークについて詳しく述べた日本語の記事は、書籍と雑誌を含めても今までなかったと思います。さすがは『グランドパワー』というところ。
ただ掲載されている写真の解像度は高く、初出でなくとも十分資料的価値があります。それにしても、タンクは装甲がなされているとはいえ車体後部に直付け、燃料のパイプは車体外部をむき出しで走っていると、後のクロコダイルに比べれば今ひとつ急づくりの感を免れません。おまけに火炎放射ノズルなんですが、この形状だと発射時には俯仰角しか調整できないようですね。左右方向は車体全体の向きを変えなければならない。
それと、以前から気になっているのですが、ディエップのような作戦において、どの時点で火炎放射を行う計画だったか、ということです。上陸時に沿岸の防御陣地を攻撃する、ということになると、攻撃後炎上中の敵陣は味方の部隊も通過できない。コンクリート製のトーチカでもあるなら別ですが、ディエップの海岸の地形を考えると、上陸時の制圧にはあまり使えそうにない。むしろある程度制圧した後、海岸沿いの建物を焼き払って敵の損害を拡大する、という使い方を考えていたのかもしれない、なんて感じます。一応火炎放射戦車を作ったので、試験的に参加させるという意図もあったのか、というのは邪推かもしれませんが。
おや、ミニスケールでオークを作っている人がいますよ。
http://www.flamesofwar.com/Default.aspx?tabid=110&art_id=424&kb_cat_id=25
これは、「Flames of War」の塗装済み完成品を土台にして改造したもののようです。ただし残念ながら、この完成品のMk.1/2は実は後のアップデート型でして、ディエップの時にはこのタイプはなかったんです。要するに、Mk.3以降と同様の仕様とするために、砲塔や武装はそのままで、キャタピラ前後と上面にフェンダーを取り付け、エアインテークを後期型に改めたものですね。で、この段階ではクロコダイルの開発が始まりますので、このようにアップデート型に火炎放射器を取り付けたオークというのは存在しないはずです。あ、でも、ノズル・パイプ・タンクの作り方は大変参考になります。
むしろこちらの人の方が大変正確に作っていますね。
http://www.network54.com/Forum/47210/message/1250241388/New1-72nd+Canadian+Churchill+Oke+Dieppe
徒渉用ダクトまで用意されています。これ、土台になったのは何のキットなんだろう。ミリキャストっぽくないし、それに1/72って書いてあるし。あ、下の方に「cromwellmodels」と書いてありますね。クロムウェルの原型を作っている人だったようです。すごい。クロムウェルのチャーチルってこんなにシャープな出来だったんですね。現在入手不可能なのが残念です。我々なら、まあハセガワのキットから改造するしかありません。
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