みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ドラゴンからチャーチルMk.IVが?!

2011年09月06日 08時46分19秒 | AFV(英・チャーチル)
 すでに話題になっているようですが、ドラゴンから1/72でチャーチルMk.4が発売になるようです。狂喜乱舞といきたいところですが、うーん、所詮ドラゴンですからねえ。人の期待を裏切るのが得意なメーカーだから、まあ冷静に待つことにしましょう。と言っても、2箱や3箱は軽く買うと思いますけど。あ、だからって今まで積んでいる、と言うか、複数を順次改造しながら作り進めているイタレリ(旧エッシー)が無駄になるわけではありません。あれはあれで、ドラゴンが出たところで価値がなくなるわけではない。キャタピラについては、DS素材よりは、プラキャタピラの方が絶対良いはずですし。あれ?そういえば、以前の予告ではMk.IIIで、しかもドラゴンアーマーってことになってなかったかな?
 それはそれとして、ドラゴン君は早速箱絵でポカをしてくれたようです。
http://www.1999.co.jp/10160645
この箱絵を見ると、砲塔の下の縁が帯状に厚くなっていて、これはMk.7用の新型砲塔の特徴ですよね。でも、それにしては砲塔上面が溶接になっていません。新型砲塔は鋳造と溶接の併用型で、砲塔の天井が鋳造の車体側面に溶接されるようになっています。しかしこの絵だと砲塔天井も一体の鋳造のように見え、これはMk..4の特徴に合う。車体側面の脱出用ハッチも四角形。ってことは車体もMk.4の仕様。これを要するに、砲塔下縁の帯状のふくらみさえ除けば、その他の特徴はMk.4と考えてよい、ということになります。
 ここを見ると、砲塔のパーツは一応正しくMk.4のものになっているようですね。実際のパーツ写真ではなく、CGではありますが。
http://www.dragon-models.com/html/7424poster.htm
いや、助かった。箱の中のパーツさえ正しければ、まあ箱絵の間違いは大目に見ましょう。またこれによると、車体上面と左右フェンダーとが一体成形になっているようですね。フェンダー外してキャタピラが見える状態にはしにくい。

 どうも、パーツの設計者と箱絵画家と組み立て説明図の編集者との連携がとれていないようですが、これくらいのことならドラゴンならありがちなこと。だって、イタレリのチャーチルだって、箱絵には間違いがありますもんね。ここでイタレリの箱絵について検証。
 トップ画像は、エッシーとイタレリのチャーチルの箱絵を比較してみたものです。左上がエッシーの旧白箱のもの、左下はプラキャタピラになってからの白地箱絵のもの。構図は似ていますが明らかに異なる絵です。旧箱はチュニジアでの塗装、新箱はライトグリーン(ライトブロンズグリーン)の単一塗装。いずれも正しくMk.3の砲塔になっています。それに対して、イタレリ版の箱絵はどうでしょう。砲塔が明らかにMk.7仕様の新型砲塔になっています。しかも主砲にマズルブレーキがない、ってことはMk.7の75ミリ砲ではなく、その前のタイプの6ポンド砲なんですね。実際にこんなことはまずあり得ないと考えられます。
 好意的に考えれば、スポンソンの脱出ハッチが四角い旧車体にMk.7仕様の新砲塔が載っている、というのはアップデート型ですね。Mk.9以降の、新造車輌ではなく、既存の車輌を改造したタイプです。ではイタレリの箱絵のような砲塔、つまりMk.7の砲塔に古い6ポンド砲を載せたタイプは、というと、Mk.9ですね。これは新しい75ミリ砲が間に合わなかったため、砲塔のみ新しくして主砲は古いままにしたもので、主砲も新しくなるとMk.10になります。
 但し、砲塔の交換と並んで、車体側へのアップリケアーマー装着が同時に行われているので、厳密にはイタレリの箱絵のように砲塔のみMk.9で車体は増加装甲無し、ということはほとんど考えられません。そういう個体もあった可能性はゼロではないと思いますが、いずれにせよイタレリの箱絵はその可能性を意識して描いたのではなく、単に間違ったんだと思います。しかし、中のパーツはちゃんとMk.3なので問題はありません。ま、箱絵で楽しむのも一興。